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みえこま〜見えないはずの物が見えて困ってます〜  作者: ぽて
第1章 日常→非日常

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11 探検ぼくの町(実行)



 とりあえず、これで行き先の当りはついた。


「じゃあ、町の南側を見て回るって事で」


 行ってみて何もなければ、またみんなで考えればいいし。最悪、多忙だという和尚様を引きずり出す事も辞さない。副業が忙しい? 知らないよ! 働くなら本業で働け和尚!


 他に疑問点といえば−−


「−−迷い込む人達に共通点とかは無いのかな?」

「共通点、ですか……」

「無差別なのか、それとも条件があるかで、どう動くのか変わる気がするっていうか」


 ほら、おとり捜査とかでも、釣りに適したエサと適さないエサがありますしー。


「そうですね……男女の偏りは特に無いようです。強いて言えば、若い方が多いでしょうか」


 ポケットから取り出した手帳を確認しつつ答えてくれる葉狩さん。

 しかし、無差別のはずなのに偏りが無いっていうのも何か違和感あるような……考えすぎかな。ただ、若い人が多いっていうのは、ある意味で朗報か。僕ら若者ですし。


「じゃあ、僕らでも潜り込める余地はあるって事だね」

「あえて敵中に身を晒すということですか……」

「手がかりが無いなら、そっちのが手っ取り早いと思う」


 あてもなく街中を歩き回るのは時間の浪費以外の何者でもないし。迷い込んだ先に、犯人もしくは原因があればその場で強制排除−−……できるよね?


 そのあたりは僕らの手に負える事態である事を祈るしかないか。ダメだったらきっと葉狩さんがなんとかしてくれるさ!


「シィさんも連れて行けば倍率アップですね!」

『がんばるよー!』

「よーし、じゃあしゅっぱーつ!」





 そしてやって来ました例のショッピングモール。僕の家? 特に何も無さそうだったのでスルーしましたが何か? 住んでる僕が言うんだから問題無いです。


 平日とはいえ夕方だからか、夕飯の材料を買いに来たにきたおば……お姉さんとか、学校帰りの学生とかで結構賑わっている。ちょっと小腹も空いたし、フードコートにでも行きたい気分だ。


 葉狩さんに腹ごしらえを提案しようとした矢先。


 −−ふと辺りに違和感を感じた。二人も同じだったようで、お互いに顔を合わせて首をひねる。

 風景は変化無し。強いて言うなら空気が変わったような−−と思ったけど、訂正。さっきまで沢山の人で賑わっていた店内から、人の姿が消えていた。


 あと、めちゃくちゃ違和感のある集団を発見しました。とりあえず皆で物陰に隠れて観察してみる事にする。


 それはホントにおかしな集団だった。背広姿やスーツ姿のもいればジャージ着たのもいるし、普段着着てるのもいる。男物も女物も満遍なく網羅している様子。

 ただ、全員首から上がおかしかった。赤い肌−−比喩とかじゃなくてホントに赤い−−に頭のてっぺんには漏れなくツノが生えている。あ、牙が生えてるのもいる。


 −−オニ? トラ柄パンツはいてないし金棒も持ってないけど、オニ? もしや現代に適応したオニ? っていうか、弱体化してませんかあなた達。


 あ、でも良く見ると筋骨隆々だこれ。普通に向かって行ったら吹っ飛ばされるやつ。


「あのー、葉狩さん。アレは……?」

「取り憑かれた一般人の方達でしょうね」


 取り憑かれたって何に!? ……というか元にもどれるの? あのオニさん達。まさかもう元に戻れないなんて事は無いよね?

 さすがにSAN値直葬案件はカンベンして欲しいんですけどー。


 −−と、いうような質問を専門家にしてみた。


「それなら問題ありません。一度気絶させて……こう、斜め45度位の角度からテイっとすれば元に戻ります」


 斜め45度って昭和のテレビかよ。でも、手刀をテイっテイっと繰り返す葉狩さん可愛いです。

 これが制服じゃなくて着物姿だったりしたら一目惚れしていた所だ。翻る着物の袖とか、テイってするときに袖から飛び出る肘から先の綺麗な腕や、翻った袖を直す反対側の腕から伸びた指先とか想像するとグッと来−−はっ!? ……危ない危ない。危うく妄想の世界に取り込まれる所だった。


 ……つーか和服属性あったんだね、僕。




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