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みえこま〜見えないはずの物が見えて困ってます〜  作者: ぽて
第1章 日常→非日常

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10 探検ぼくの町(地図)



 異変の原因を探そう! と、なったものの流石にノーヒントだと何処から探したものか……。意外と広いんだよね、うちの町。


「何らかのバランスが崩れている。と言う事も考えられますし、とりあえずは地図でも見てみましょうか?」


 そういうのって地図見ただけで判るものかなぁ? という疑問は置いておこう。というか−−


「もしかして葉狩さんって地図持ち歩いてるの?」

「ま、まあ。……まだ土地勘もないですし、今回のような事もありますので」


 それはまた几帳面というか準備が良いというか……。


「まずは定番の鬼門のチェックでも」


 鬼門かー。よく漫画とかで聞く単語だけども……地図で見たら右上? っていうイメージしか無いや。


「−−と、思いましたけども鬼門には、前任者の和尚様がお住いのお寺があるので問題ありませんでした」


 −−って、自己解決かい!


「では次に裏鬼門のチェックをしてみましょう」


 おー、またも専門用語。字面が大変不吉っぽいですが。


「ちなみに地図上ではここになるのですが−−」


 と、葉狩さんが指差した場所は町の南西−−ジャスト僕の家でした。


「僕の家じゃん!? 何あそこやばい土地なの!?」


 葉狩さんは「あらまあ」という顔をしている。−−説明を。頼むから、せめてやばいのかそうでないのかだけでも説明をぉぉ!


『あー、道理で。ヨシトのおうち居心地いいなぁって』

「それはもういいよ!」


 ……なんかもうシィの台詞が答えな気もするけど。うん、わかってる。うちの敷地は『あちら側』に近いんだよね?


「氷上君のお家はずっとここに?」

「少なくともじーちゃんの代には。その前はわからない……かな」

「…………」


 沈黙がこわいです葉狩さん。その沈黙に隠された意味とか果てしなく知りたくない気分なんですが。嫌な予感しかしない。

 ぶっちゃけ代々ここに住んでたら何かあるってことですよね? 家系的に。


「氷上君が何も聞いていないというのであれば、まあ普通のお家なんでしょう……たぶん」

「なんか含みのある言い方のような……」

『ヨシトってば疑い深ーい』

「−−次に行こう! 次に!」


 不吉な予感がヒシヒシとしていたが、シィさんの純粋な言葉が心に刺さったので葉狩さんに話の続きを促す。


「先ほど、この町は四神相応の地であると説明したわけですが−−」


 というセリフで始まった葉狩さんのミニ講座。この四神相応の地っていうのは、東は青龍を表す川、西は白虎を表す丘か街道、南は朱雀を表す池や沼地、北が玄武を表す山があれば良いらしい。風水の考え方だそーな。中二心が疼きますね。患った覚えないけど。


 それにしても−−


「南に池、か……」

「気にかかる事でも?」

「あの辺りって、今はショッピングモールになってるんだよ」


 僕が小さい頃はため池だったんだけど、子どもの水難事故が頻発して埋められちゃったんだよなぁ。その後、大型ショッピングモールが進出して賑わってるっていう。


 −−と、いうことは。


「南側が不安定になっているという事になりますね」


 朱雀さん不在の上、裏鬼門開けっ放しですしね南側。ごめんなさい、僕の家が建ったばかりに……何年前かは知らないけど。


『ミサキの前の人は気付いてなかったの?』

「和尚様ですか? ……気付いてはいても、手が回らなかったんじゃないでしょうか」


 最近はお寺のお仕事も忙しいそうですし。との事−−って、副業が忙しくて本業おろそかにするってどーなの前任者!?


「超高齢化社会なので仕方ないのです。悲しい事ですけど」


 どんだけのじー様ばー様が旅立ってんのこの町ぃぃ! それだけでも何かしら怪異が起こりそうなんですけど!


『まさかそっちも怪異のせいとか……?』

「それはないです。普通に寿命ですね、超高齢化社会だけに」


 うん。ほっとしちゃいけないんだろうけど、ほっとした。



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