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1 こんにちは非日常


 学校からの帰りが遅くなったある日。


 −−なんか、見えてはいけないものが視えた。


「あー、うん、きっと疲れてるんだよ……たぶん」


 多少、護身術を嗜んではいるが、アレはそんなもので太刀打ち出来るものとは思えない。

 ……いや、そもそも幻に決まっているのだから、わざわざ真面目に対処法なんて考えなくても−−


「Gyaaaaaa−−!!」


 なんてのんきに現実逃避してる場合じゃなかった。そいつは長い体をくねらせて体当たりをかましてきたのだ。当たったらたぶん凄く痛くて吹き飛ばされるので、頑張って避けてみた。


 これは完全に敵認定されている……いや、この場合、獲物認定? よく物語とかで『視える』と認識されたら即襲われるっていうのがあるけど、本当だったんですねありがとうございます。


 因みに視えたのは宙を泳ぐリュウグウノツカイもどきだ。前にテレビで見たのよりでかい。12、3メートルくらい? 鳴き声は普通に怪獣っぽい。本物が鳴くかは知らないが。


 こんな時、アニメとか漫画だったらタイミング良く助けが入ったりするだろうに、そんな気配は微塵もない。

 それどころか結構な町中なのに人の気配もしない。住宅街っつーても、こんなに大きくて異常な鳴き声が聞こえたら、多少はざわつくってものじゃないんだろうか。……あれっ、もしかしなくてもこれ、異空間に取り込まれたってヤツ? 最初の哀れな犠牲者ポジションですか?


 いやいやいや、まだまだ死にたくないです。


 リュウグウ君(仮)は当然、諦める様子もなく、こちらの様子を伺っている。さっきの一撃を避けたからか、多少は警戒しているらしい。

 こちらとしては、このままお帰り願いたいところだが無理そう。……となると、攻勢に打って出るしか無さそうなのだが……。


「リュウグウノツカイもどきと戦うって、どーすればいいのコレェ……!」


 そりゃあ対人なら経験はあるが、人外との対戦経験などもちろん無い。下手に近づくと、絞め殺されそうだ。せめて包丁とか持っていれば捌けただろうに……。


 そうだ。視線をそらさずに後ずさりして逃げるのはどうだろうか? 熊の対処法だけども、同じような肉食系野生生物なら応用が効くんじゃないかな。因みに死んだフリは論外です。

 問題はリュウグウ君(仮)の視線どこだよ!? って点なんだけど。そういえばあいつの目、正面じゃなくて横についてるよね? おうふ、これ視線そらす逸らさない以前の問題だった……。


 −−あ。でも目潰しすれば少しは時間稼げるっぽくね?



 そんな訳で、何とか逃走に成功した翌日。じーちゃんとの朝稽古の折、ちょっとした好奇心から質問してみた。


「ねー、じーちゃん」

「どうしたよ?」

「もし、じーちゃんが空飛ぶリュウグウノツカイと戦う事になったらどーするー?」

「は? なんじゃそのシチュエーション」


 お前いきなり何言ってんの? という感情と心配がごちゃ混ぜになった表情をするじーちゃん。

 気持ちはわかる。いきなりこんな質問されたら、普通に頭の心配をしたくなるのは。


「もしもの話だよ、も・し・も・の」

「……まぁ、包丁でも持ってって捌くのが一番手っ取り早いんじゃないかの?」

「やっぱそーだよねー」


 至極ごもっともな意見。入手のしやすい物の中では攻撃力が割と高い方だよね、包丁。ただし、常日頃から包丁なんて携帯してたら、危ない人以外の何者でもないっていうか普通に案件発生ですじーちゃん。


「素手じゃあ滑って相手にもなら無さそうだしなぁ……」

「だよね、ヌメヌメして滑りそうだよねぇ」


 そんな問題じゃないとか聞こえてきそうだが、滑るって結構厄介だ。だって衝撃が逃げるからね。徒手で打撃が効かないとか致命的。


「それにしても何でリュウグウノツカイなんじゃ? 食いたいのか?」

「食べれるの? あの手の生物ってアンモニア臭が酷くて食べられないって聞いたような……」

「それはダイオウイカかなんかの話じゃ無かったか?」


 その後ネットで調べてみたら、驚くべきことにリュウグウノツカイさん、意外と美味しい珍味らしい。アンモニア臭云々に関しては、じーちゃんの言う通りダイオウイカの事でした。因みにスルメにすると多少はマシになるらしい。これ豆知識。



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