月下の一群 洗濯板 作者: 濱野乱 掲載日:2016/03/01 ぷくぷくぷく。 母さん洗濯しているよ。わたしがお洋服汚すからタライで洗濯しているよ。 木の洗濯板取り出してわたしのお洋服をこする姿は鬼子母神。 トマトケチャップにじむから手で洗いなさいとあんたは言ってたね。 ドラム缶にはわたしの居場所はなかったよ。 ぷくぷくぷく。 ワニの口みたいな鋭い板がわたしのお洋服を削っていくよ。 おいしそうに食べないで。お気に入りの奴だったんだから。 ぷくぷくぷく。 天日に干されたわたしの肌お空に溶けて消えてった。