初めてのツーショットチェキ 2
刻々と時は流れていく。
口の中が緊張して乾いていくのが分かった。
「お待たせしました~」と奥から、うららさんが来た。
「お待たせしていませんよ」と僕は変な日本語で応えた。
うららさんは「うふふ、面白いです。あ、チェキは向こうで撮るのでこちらへいらして下さい~」と言い、僕を店内の奥へ誘導した。
どうもチェキを撮る場所は決まっているようである。
僕は緊張しながらも「宜しくお願いします」とうららさんに言った。
うららさんは僕に「こちらこそ宜しくお願いします~」と言い、笑顔で首を傾げた。
別のメイドさんがカメラを構え「はい、撮りますよ~。笑顔でチーズ!」と言った。
僕はカメラに向かって笑顔を向けるのは苦手だが精一杯の笑顔で応えた。
パシャっと写真が撮られ「はい、では後でチェキが出来たらお渡しにいきますね~」とうららさんが言った。
僕は席に戻った。
なかなか緊張をしたが、自分のお気に入りのうららさんとチェキが撮れた事が嬉しい。
正直高校生が1人でメイド喫茶に出向き、チェキを撮るなんてどうなんだろうかと思うが、そこはあまり考えない事にしようと思う。
暫くして、奥からうららさんがチェキの写真を持ってこちらへ来た。
「お写真出来たので、お持ちしました。色々お絵かきしました。うふふ」そういうと写真を渡してくれた。
だけど、写真は裏返しで渡された。
僕が表に向けようとすると「あ!写真は恥ずかしいので、お出かけになってから見てください」とモジモジしながら言われた。
僕は、接待ゴルフでの「ふぁーーー!」ばりの声を出したいくらいの衝動を抑えた。
何だこの子はパーフェクトヒューマンか。
鼻血が出そうだ、こんな可愛い子がこの世に存在するとは。
僕は言われた通りに、裏返しのままバッグにしまい会計を済ませ店を出た。
ウキウキ気分の僕はお見送りをされ、店から少し離れた所で写真を見た。
「明日、12時に八ツ木公園にきて下さい」
僕はあまりに予期していない事態にフリーズした。