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初めてのメイド喫茶3

ここで最初に話していたメイド喫茶に入店した時に戻る。


僕はアントニオ猪木さんばりの「ファイッ!!!」をいきなり初対面のメイドさんにかましてしまったのである。

 メイドさんは、「うふふ、緊張しているんですね。メニューが決まりましたら、そちらにある鈴を鳴らしてお呼び下さい」といい、奥の方に消えて行ってしまった。

 気のせいだろうか、メイドさんの顔が若干引きつっていた気がしたが。 


 まあ、恐らく気のせいだろう。僕はメニューに目を向けた。ふむ、メニューはバラエティーに富んでいて素晴らしい気がする。よく分からないメニューが沢山ある。

 パラパラとめくっていると、面白いのを見つけた。

 「メイドが愛を込めてメニューに魔法をかけるよ!何の魔法をかけるかは秘密だよ! メニューにプラス400円で出来ま~す」とある。

 なんとメイド喫茶では魔法をたった400円でかけてくれるらしい。

 どんな味になるのだろうか。僕では想像がつかない。

 次のページをめくった。「ウィリイイイ!ウィリイイイ!メメタァ卵かけご飯」とある。

 なんてこった、あの有名な漫画の絵と一緒にメニューが表示されているのだ。

 他にも波紋ラーメンやら、無駄無駄チャーハン等がある。定価600円だ。思ったより良心的だ。

 

 僕がメニューに夢中になっていると「うるるちゃんいる~?うるるちゃんにプレゼントしたいものがあるんだけど~」と一際大きい声がしたので僕は目線を上げた。

 そこには30代くらいだろうか、白い帽子を被りクマのヌイグルミを右手につけ、メイドさんと話している男性がいた。

 「ごめんなさ~い。今うるるはリフレ中なんです~」弾ける笑顔でメイドさんは応えた。

 凄い!プロだ、プロのメイドさんだ。全く動揺もせずに返答している。これが本物かと僕は感銘を受けた。

 すると男性は「そうなんだ残念なり~。クマ吉も悲しいなりね~。仕方ないのでぷるぷるイチゴジュース下さいなり~」男性は右手のクマのヌイグルミを動かしながらそう頼んだ。

 マジもんだ。凄いこっちもマジもんの半端ない人だ。これが当たり前なのか。

 俺は頼む時に語尾になりを付けられるのか。というか付けたくない。

 そして、メイドさんは「は~い、かしこまりました。ではお席でお待ち下さいね」そういうと奥へ消えていった。

 

 僕は再びメニューに目をやった。とりあえず普通の食べ物でも注文してみるか。

 メイドの愛を込めた焼きそばというのがある。よし、これにしよう。

 僕は鈴を持ち鳴らした。チリリ~ンと鈴が鳴る。

 「は~い」と奥から、メイドさんがやってきた。「お呼びでしょうか、ご主人様~」メイドさんが僕のテーブルの前に止まった。

 「えっと、このメイドの愛を込めた焼きそばを下さ……下さいなり~」よし言えた。いいんじゃないか?結構僕の中では頑張った方だぞ。どうだろうかメイドさん。

 するとメイドさんが僕に少し近づいて小さい声でこう応えた。

 「もしかして、なり付けないといけないと思ってますか?なくて普通でいいですよ。ふふ」

 全身から汗が噴き出した。めちゃくちゃ恥ずかしい。語尾になりがいらないだと。そんな事が許されていいのか。時間を戻してくれ。ヤバいぞ、これは今すぐ壁に頭をぶつけてヘドバンしたい気分だ。


 僕は落ち着くのに少々時間がかかった。水を出してもらっていたので、水を少し飲む。

 カランカランとドアについているベルが鳴り、人が入って来た。

 今度はどんなプロのご主人様が入って来るんだと思い僕は振り返った。

 僕は驚いた。横山ルイだ、横山ルイが入ってきたのだ!!!

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