初めてのメイド喫茶
現在僕がどこにいるのかというとメイド喫茶だ。
噂には聞いていたが凄い空間だ。ここに僕がいていいのだろうか……。
「いらっしゃいませ、ご主人様~」そう言いながらメイドさんは僕を迎え入れてくれて、ドアを開け、客席に誘導してくれた。
「メイド喫茶は初めてでしょうか~?」目をウルウルさせながら下から僕を見てきた。
当たり前だ、こんなオドオドしてるのだから初めてに決まってるだろと言いたかったが、そんな言い方はしない。ちゃんと丁寧に僕は敬語を使い大きな声で応えた。
「ファイッ!!!」ゴングが鳴った。
そもそも僕がメイド喫茶に来る事になったのは二週間前の事が原因だ。
僕は高校に入学し、高校デビューをしようと髪型を決めて学校に行った(髪型を決めたといっても所詮高校生のレベルだ。1000円カットで切ってもらい、ワックスで良い感じにしただけ)。
自分では良い感じに決まっていた。今までのワックスのノリでいうとマックスだった。僕は親父ギャグが好きだからこういう事はたまに言う。ま、それはどうでもいいのだが、本当に決まっていると思っていた。
教室に入り、中学の同級生の男がいた。
「裕同じクラスになったな」僕は彼に近づき肩に手をポンと置いた。
「おう、竜おはよう。なんだその頭?マリモッコリみたいだな!」マリモッコリと言うのも何か少し古いし、マリモッコリが想像つき難いし、更に公然猥褻カットみたいな言い方をされ、僕はどれから突っ込めばいいのか悩んだ。