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くだらない短編シリーズ

ありんこ

作者: 鳥越 暁

 俺はコンビニで買ったおにぎりを持って公園に来た。木陰にあるベンチに腰掛けて食べる。

 俺の昼飯だ。営業の仕事をしている俺の定番だ。むなしくはない。家族のために建てた住宅ローンがまだ二十五年も残っている。妻の、娘のために頑張っているのだ。


 足元を見ると蟻が歩いている。せわしなく歩いて餌を探している。こいつらはたった一匹の女王蟻のために働いているんだ。


 俺はおにぎりのご飯粒を幾つか彼らの周りに落としてやった。すぐに蟻たちは一生懸命運んで行く。


「お前達、なんか哀れだな。」


 俺はそう蟻に話しかけると、午後の営業に回るために立ちあがった。


 その時どこからか声がした。


『お前も俺達と変わらないだろう? ま、お互い頑張ろうや。』


 俺は驚いたが気のせいなのだろう。


 きっと俺の心の声なのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 疲れた時は自分と投影してしまうものって多い気がします。 歌詞とか。小説の人物とか。 人は誰かのため、何かのために頑張っているのだろうなと感じるとともに、そう受け取ることによって先に進めるの…
2013/10/10 20:41 退会済み
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