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world 5
高らかなその声に振り向くと、そこには馬に乗り、カウボーイハットを被った、まんまウッ●ィみたいな格好の男の人が佇んでいた。
「お前はっ……マック保安官!!」
手綱を引っ張り、馬をとまらせたその人――マック保安官に、背の低い方の男が叫んだ。
「この場所で野蛮な真似をするなと何度言えば分かるんだ。さあ、今すぐその善良な市民に向けているナイフを手放せ」
「手放せと言われて素直に手放す奴が何処にいるんだよ!!」
すると、マック保安官は背の高い、ナイフを持っている方の男につかつかと歩み寄った。
「え、な、何するつもりだ!!」
突然の展開に思わず焦るナイフ男に、マック保安官は容赦なく鞭を降り下ろした。ナイフ男の手から、ナイフが落ちて地面を滑る。それをしっかりとブーツで踏んづけて、マック保安官は彼の胸ぐらをひっ掴んだ。
「おい、もう一度言うぞ。この場所で、野蛮な真似をするな」
悪役(?)達は、思いっきり戦意を削がれてしまっている。
なんだこの人、すげぇな。
ありがとうございます、と僕がお礼を言いかけたその時。
「そこまでだ、マック保安官!!」