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Hello!  作者: finale
3/6

world 3

 次にすれ違ったのは、ごてごてした服やアクセサリーで身を固めた女の人だった。

 うっわ趣味悪い、と思ったが、敢えて見なかったフリをして通り過ぎようとした。

 と、反対側の道から、これまた趣味悪いファッションをした女の人がカツカツとヒールを鳴らしながら歩いてきた。二人は自然と見合う形になる。  ……もしかして、すっごいめんどくさいことになるんしゃないのか、これ。

「あら、ごきげんよう」

「あらあら、ごきげんよう」

 ほらやっぱりね。めんどくさいことになった。

「あら、あなた、その首に巻いているのはボロ雑巾かしら? 随分不思議な格好をなさるのね?」

「これはウサギの毛皮でできたマフラーよ。そんなことも知らないなんて、頭のなかにカマキリでも住んでらっしゃるんじゃないかしら? それに何? あなたが頭に被っているそれ。なんでバケツなんて被ってらっしゃるんです? 意味が分からないわ」

 うん、張り合うのは別に(どうでも)良いけど、なんで僕の両脇でそれをやるかな。あと、多分敬語間違ってるし、頭のなかにカマキリってなんだよ。

「これは帽子ですわ。それも、五十三万円の。あなた、見る目がないのね」

「何を言ってるのよ。ジャネルのバッグにグッジの財布。私のほうが素敵だわ」

「私のほうが素敵よ」

「私のほうが素敵だわ」

「あ、ねぇ、そこのあなた!」

 え、ちょっと待って、僕!?

「ええ、そのとおりよ。私とこの人、どっちが素敵?勿論私よねぇ」

「いっ……いや、どっちもどっちですっ、さよならバイバイ失礼しますっ!」

 ちょっともう……ここにはいたくない。完璧に僕が八つ当たりのターゲットになっている。

 僕は小さく会釈してそそくさとその場を後にした。

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