題 一章「邂逅~Chance meeting~」(1)
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俺こと相馬総一郎は雨の中、あいつを待っていた。あいつとは幼馴染の紀伊山葵のことだ。葵とは昔からの付き合いで確か・・・2歳ぐらいからかな。引っ越した隣があいつんちでそこから遊ぶようになった。高校になった今でもつるんでいる。あいつには色々と感謝していることがある。それは何か?それは・・・っとあいつが来た。
「もう、何で出歩くのよ。アンタ傘持ってないでしょ。」
早速か。とりあえず謝る。
「すまねぇ、何か散歩したくてさ。」
「あんたってホントそういう所あるわよね。やっぱりテスト前でも毎回学年1位さんは ヨ・ユ・ウって事?」
「ああ?何でいきなり嫌味なんだよ。俺何か悪い事したか・・・?」
むしろ心の中で色々褒めていたんだが
「アタシ見習って勉強しなさいって事!むかつくのよ、アンタは!アタシが毎回頑張ってるのにテキトーにしてぐーたらなあんたは毎回1位取るってことは!」
「あんなの、ただの授業の復習問題じゃねぇか。そんなに難しいか?」
「ああ、そういうとこムカツク・・・・てかソーイチ!早くしないと、スーパーの特売セール終わるじゃない!急がないと!」
「そうだった!ヤバイ!!」
俺は複雑な事情があって一人暮らしをしている。そのせいもあって金はないのだ。とにかく葵から傘をもらおうとしたがなぜか傘は一本しかない。
「おい!何で傘一本しかないんだよ!」
「しっ、仕方ないでしょ!い、急いでたんだから!来ただけでもありがたく思いなさい!ほらっ、さっさと行くわよ!!」
「って,あんまり急ぐな!俺が傘に入ってないじゃないか!」
全くこいつは・・・・
本編が始まりました。ドキドキです。