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灰は灰に塵は塵に

どこまでも邪魔な夏彦


「あはは!無様な姿じゃ無いかナツヒコくん!イエス・キリストでも、もっとマシな死に方をしているよ!」


叔父様の投じた槍が夏彦君を串刺しにし、

手足に釘を打って磔にした。


夏彦君の脇腹からはドクドクと血が流れている。


「何故イエスがその死を受けたか分かるかい?イエスはその自らの肉体を主なる神に捧げ、己を生贄にする事で最初のヒト、アダムの犯した原初の罪、『原罪』を全てのヒトに代わって、贖罪を行ったんだ!」


つまり…この状況は夏彦君を神の子に見たてて?


そうなのだとしたら…


「叔父様は…悪魔だ」


叔父様が恨んで居るのはその神の子の父…主なる神だ。


それは聖書に対するアンチテーゼ、


「大地にイエスの血が流れる事により贖罪は行われた…だが、おれは所詮見たてただけだよ、おれが求めるのは…死なのだからね」


叔父様…

叔父様は決して夏彦君の事を嫌っては居無いんだ…


きっとそれは嫉妬に限りなく近い愛情…


私が感じて居た狂気の正体はこれだったんだ…


私は今どうしたい?


夏彦君を助けたいと思っているけど、叔父様が怖い?


あの時…

リームと対峙した時だって私は凄く怖かったし、

とっても悲しかった。


それでも…

叔父様から夏彦君を助けたい。


叔父様も夏彦君から助けたい。


どうすれば良いの…?


私は勇気が在るわけでも、

何か特別な力が在るわけじゃ無い、


お母さん…

私、どうしたら良いの?


ー瞬間、

私は知らない記憶が蘇ったー


暖かく、あんしんする、

愛で包まれて居て、

ゆっくりと眠って居た…


お母さんが愛おしそうにお腹を撫でて、

それをお父さんが真似をして居た。


お父さんが優しくお腹を叩くと、

私は嬉しくて叩き返した。


私は、

あの優しさの中に産まれる事は出来なかった。


私は逆子だったからだ。


だから叔父様が私の全てを一度文字情報として分解したんだ…


そう…私は『オリジン』、

原初のシステム。


そして…叔父様の造った全システムの総括システム。


…わかったよお母さん、私のしたい事が…!


「ナツヒコくん、おれはさっき君と同じ後悔、といったね?」


でも…そのためには…


「そう…おれも嘗て、そして今でも同じ後悔をしているよ…『産まれてこなければ良かった』とな…」


いいえ…

大丈夫だ!


「おれの前世での名前はね…綾羽 令、綾羽は母の旧姓、そして令はと在る言葉…君の父親の言葉を母が聴き間違えてつけられたんだ」


もうすぐ準備が出来る…

お母さん…


「その言葉は『堕ろそう』、その最後の音がリョウに聞こえたんだろうね…」


見てて、

お母さん、お父さん、


「母はそれを名前だと思ったんだ、それで君の父親は言い出せなかったんだね…」


お母さんとお父さんからそれぞれ受け継いだ物…


「そう…おれさえ産まれなければその二人の『愛』が壊れる事は無かったんだ、おれが母を…母さんを不幸にしたんだ!」


お母さん達から受け継いだ物…

ここで、使わせてもらいます!


「陣を展開!」


私の前に叔父様がさっき出した文字の羅列が現れる、


違うのはその文字…

叔父様の文字が焔と金だったのに対し私は『海』!


お母さんの属性であった『水』と、

お父さんの属性特化型をそれぞれ受け継いだ形。


母をその時の中に宿す大いなる生命のゆりかご…


叔父様が本当に許せないのは、

夏彦君でも、夏彦君の父親でも無い…


自分自身なんだ…


だから…


「叔父様…!」


☆☆☆


☆叔父様ってかパラケラススの目線☆


「叔父様…!」


おれがナツヒコくんに向かって喋っていた時、


これまで聞いた事の無いほど凛としたテティスの声が響いた。


思わずそちらをみると…


「魔法…それも『海』だと⁈」


おれの妹…即ち彼女の母で在るミカエリナ…


彼女は、母親の『水』の属性を受け継いで居た。


それをテティスがまた受け継いで居たのだろう、

不思議な事ではない。


だが、

何より驚いたのがその文字…

『海』にあった。


これまで『河』や『湖』などは多く見ていたがその文字…『海』は始めて見た。


恐らくは父、マーシュからの属性特化型をも引き継いだのだろう、


『水』の属性…

その本質は癒し…


即ち…


思ったとおり、

ナツヒコくんの傷がみるみる内にふさがって行った。


テティス…

成長したのは嬉しいがな…


「叔父様、これで終わりじゃないわよ!『オリジン』として命ずる!彼の物をとらえよ!」


途端動き出した周りのゴーレム達、


まさか『オリジン』として覚醒するとわなぁ…


まぁ、

たかが被造物如き『ゴーレム』に捉えられるおれじゃあ無いよ


おれは今まで腰掛けて居た玉座の肘掛に手をおいてとんぼ返りを行った、


しかし…


「その動き…読んで居た!」



目の前に現れたのは他でも無く

忌々しき吾が弟、


ナツヒコくんだった。











作者が死んだりしない限り次回が最終回予定です

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