訪問者は招待者
俺の目の前には総計12人の同じ容姿の少女が居る。
全員が若草色のメイド服を着ており、
眼に生気の無い暗い光が在る、
「…どうしてこうなった…?」
本当に其れが疑問だ。
今は真夜中と言っても差し支えない程の時間で、
月すら既に沈んで居る。
「ゴシュジンサマ ヨリノ、ゴメイレイデス」
ゴシュジンサマねぇ…
本当に何者だ?
「叔父様が私たちを呼び出したということ…?」
因みにテティスさんも一緒に居る、
…ってオジサマ⁈
「て、テティスさん?あんたそのゴシュジンサマってやつの事を知ってんのか?」
だったら教えてくれれば良いのにな、
「え、えぇ、知ってるけど…」
俺の勢いに若干引き気味に成ってなお答えてくれるが。
チラリと少女達の方を見るテティスさん、
「カマイマセン、ムシロ、ゴシュジンサマ ハ、ソレヲ、ノゾンデオラレマス」
こちらを全くみようともせずにテティスさんの意思を汲み取って返事をする少女、
そう言えば名前なんて言うんだろう?
「夏彦君?話すけど…良い?」
え?
あ、オーケーです。
☆
其処で聞かされた存在…
ゴシュジンサマ にして、叔父様は想像を超えて居た。
は?
異世界人?
さらには『大いなる意思』の正体だって?
「ついていけねぇ…」
何より驚きなのはテティスさんの精神年齢だ。
俺の前世足したよりもじっと生きていやがる。
「私の年齢に驚いてるみたいだけど、叔父様の比じゃ無いよ」
うん、
宇宙よりも長生きしてるらしいからな。
数兆歳か?
そんなもんじゃ無いか…?
俺がそんな化け物じみたゴシュジンサマとやらの事を考えて居ると少女の一人が一人ごとの様に呟く。
「ツキマシタ…『星』ノ「ビオロギア』デス」
は?
着きました?
どこにだよ?
何にもねぇぞ?
しかし、
そんな俺の方こそが間違って居た。
また別の少女の一人が呪文の様な声を発すると同時に、
ソレは開かれた。
「これは…門?」
「えぇ、恐らく材料はボツゴーレムね…こんな物を作る為だけに…なんてむごい事を…」
ゴーレム、というのは少女達の事らしい、
つまりテティスさんの言い方から考えるにはこの門は少女達を犠牲にして造られたらしい。
「そんな事が…」
許されるのか…?
俺の疑問は門の内側から登るその絶対的な圧力で飲み干された。
「ッ…⁈ 叔父様が…怒っている?」
「サァ、イキマショウ、ゴシュジンサマ ハ、サイオウニテ、オマチデス」
…覚悟を決めるしか無いか…
俺達は空間にぽっかりと穴を開ける門に入って行った。
☆
門の中は思ったよりも明るく、
最初に感じた威圧感も無くなって居た。
俺たちは今そのビオロギア?の中を進んでいる。
「リーム、好い加減答えてくれる?叔父様は私たちを呼び出してどうするつもりなの?」
隣でテティスさんがその少女の一人…リームに質問を浴びせて居るが、
その大半は モウシアゲレマセンで片付けられて居た。
しかし、
今度ばかりもそうでは無かったらしい。
「懺悔…ソシテ、チツジョヲ」
だけれど答えには成って居なかった。
その瞬間、
ゴーレム達が足を止める、
「着いたのか…?」
目の前にはこの実験施設の様な建物には似つかわしく無い程に意匠の凝らされた扉が有った。
「では、我等が主の元へ…」
そう言って消える十二人の少女達、
残されたのは俺とテティスさんだけだ、
目の前にあるのは重厚で豪華な扉…
どう先に行けと?
そんな事を悩んで居ると…
「私に任せて!」
言うが早いがテティスさん、
速攻で能力を発動為せた、
って?
テティスさんの能力で電子レンジの…
「大丈夫よ、私のは厳密には念動力によって分子を操る感じのチカラだから、ちょいと扉の分子配列を不安定にするだけ…」
そのまでいって扉は崩れた、
俺の視界の先に写った物…黒曜の輝きを持つ漆黒の壁に、
その中で泳ぐ幻の様な生物達…
しかし、
そんな物が霞むほと…
玉座に座った童子は狂気に満ちて居た。
「ようこそ、二人とも」
あと一週間を目安に終わりに向かっていきたいとおもいます。




