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戦火は巡る


地上に蔓延るヒトは世界の終わりなど考え無いだろう、

天上お諏訪す神々はそんなヒトを観て嘲笑うだろう。


ならば、

俺はどうだ?

ヒトにして神、

神でありながらにしてヒトと言う枠組みに囚われた者。


世界の終わりは運命によって決まっている事だ、

今更考えたところでどうし様もあるまい。


と、長々と言って居たパラケラススだ、

何が言いたいかと言うと…


「エルカナンとアバベルア…二強国の激突…か」


「はい、エルカナン王国から出兵要請が…」


ふむ…

世界の支配者たるダートン家と言えどエルカナン王国の一貴族だからな、

逆らうにはちと荷が重いか…


「仕方ない、『アンゲロス』を『マルアハ』に接続して無理やり呼び戻すか?」


あまり良い方法とは言えんな、

百年戦争の時のオルレアンの乙女の様な末路を辿る可能性があるしな。


「さて、どうしたものか…」


元々が良い関係とは言えなかったこの二国が戦争になるのだ、

技術、

国土、

人口、

ほぼ全てにおいて拮抗しているこの二国、

恐らく俺が手を出せなければ消耗戦になるだろう、

早くて8年長ければ15年と言った所だろうか。


「ふぅむ、エルカナンに負けて貰っては困るな、何せ今までの暮らしが出来無い」


かと言ってもお互いが消耗した所で最後の強国トートに出られても面白く無い、

天使ーー厳密に言えば魔獣ーーを出すのもまずいな、

エルカナンを冗長させかねん。


「ふぅむ…まま成らん、な」



「表すならば冷戦だろうな」


正にパワーオブバランス、

お互いの拮抗した国力がお互いの抑止力に成っている、

しかし其れ故に一触即発の神妙な空気が世界を包み込む。


この戦争に関してダートン家は静観する事にした、

こちとらだてに神を名乗っては居ない、

向こうも強くは出れなかったのだろう。


「世界は戦火に包まれる、其の火はヒトビトを包み込み憎悪を連なせ行く」


「しかし其の先に有るのは文明国の進化…ですか?」


其の通りだアダム・カドモン、

世界は…

ヒトは排他的だ、

違う文化、

違う言葉、

違う文字、

ヒトは其れらを拒む、

しかし其れらを認め有った時に文明は輝ける。


「だが…嫌な予感がするな」


この200年、

感じた事の無い悪寒、

この戦争はただではすまんだろうな、

少なくとも今までの様にはいかんだろう、

どの様な形であれ…な。


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