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赤ん坊(俺)の日常

 こく、こく、こく


 小気味好く喉が鳴る。

 現在俺は愛しきママンからの授乳を受けている。

 何⁈変態だと?

 うるさい!俺だって好きで飲んでるんじゃあねえやい。

 何が悲しくて精神年齢24の俺が…と 思ったんだが、抱かれて見ればあら、不思議。

 全然違和感が無い。

 まぁ、生理的欲求だからか?


 そんな事よりここは本当に貴族の館か?

 首が座ってから色々見せてくれたのだが、使用人どころか、ペットすら居なかった挙句に領民が少ないと抜かしやがる。

 もう貴族辞めたら?って感じである。

 まぁでも父親の錬金術師としての腕が良いからか、辛うじて完璧には潰れて居ないのだが、


 流石にご近所の平民のオバさんと井戸端会議の末おすそ分けを貰うのはどうかと思うぞ母よ後オバさん、口に指を突っ込むな!

 ああ、そろそろ腹イッパイだな


 「ン…ぷんゥあ」


 「パル、お腹イッパイに成った?」



 沢山堪能しましたよ。

それはもう毎晩の父親の「お休みのキス」並に。

 今世の俺のファーストキスが父親なのは軽く黒歴史だろう、幼児での生理現象なんか寄りもよっぽど黒いわ!

因みにパルとは俺の愛称らしい、父とかぶって居る。


 「じゃあ、ゲップ出しましょうねパル」


 トントンと軽く俺の背中を叩いてくる。

だがそれも不快な気分にさせない、むしろ慈しみに溢れていて心地良かったりする。


 程なくして「けぽっ!」と母の肩を汚してしまう。毎度毎度見て居ると、申し訳ない気分に成ってくる。

と 感傷に浸る間も無くお昼寝の時間だ。

 侍女なんぞいないから母が添い寝で有る。

 またゆっくりと母の体温に包まれて意識が布団に溶けて行く。



☆☆☆



 トントン、と背中に感じる優しく、軽い音で目が覚めた。


 「あら?起きちゃった?


 この人は今世の俺の母親らしいが随分と若く、美人だ。


 下手したらまだ十代であろう、この世界の常識やらはまだ知らないが父親が犯罪者なのはゴメンである。

因みに父親の方もイケメンで若いが母程では無いだろうな。歳は前世の俺と同んなじぐらいかそれよりも、少し上程度だ。


 ここは没落貴族のダートン家と言うらしい。

代々がアルケミストの家系で昔はそれなりに金を持って居たらしいが、今では他所の貴族から借りて居る状態で父の錬金術が数少ないの収入源だ。まぁそれなりには成るらしいな。


 因みに俺はこのダートン家の長子。

綾羽 令改め、パラケラスス・ゴット・ダートンだ。


 ダートンは姓 パラケラススは名

そして、ゴットは洗礼名だ。

まぁ最悪姓が有るだけ貴族らしい。


 そう言えば、まだ能力の事は確かめていないまぁもう少し大きく成ったら確かめよう。

まだ首すら座っていないが…


 と、思考して居る内に父親が地下室から上がって来た。

父の仕事場は地下室に有るらしく、一日中篭って実験やら研究やらして居る。

 そう言えば一昨年からは主に『賢者の石』を研究しているとか言って居たな。

首も座って居ない赤ん坊に何を言って居るんだ?と思ったが、まぁ情報が揃うに越した事は無いな。


 「おぉ、起きて居るじゃあ無いか⁉いやぁ、起きて居るこの子を見るのは産まれた時以来だ」


 あぁ、父親から見ればそうだな。だが父よ!俺は生後2日であんたを見て居るぞ?


 「それは、貴方が何時も地下室に引き篭もって居るからですよ。パルパトスさん?」


 俺の魂の叫びは華麗にスルーされた、それと母よどうでもいいが引き篭もりは酷いと思うぞ。

まぁ本当の事だがな。


 因みにパルパトスとは父の名前だ息子にパラケラスス何と言う名前をつけた男の名前だけ有る。

母の方はミケリアスだ喉が乾いてくる様な名前だ。


 2人にも洗礼名は有る。

父はアキリナで母はアリアだ


 さて 何時も寂しい想いをさせて居る父親の相手でもして置いてやるか。


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