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恋する冒険者

Sランク冒険者サイドオンリーです。


サイド:Sランク冒険者


俺はオファニル、

今エルフの討伐に向って居る所だ、

何故エルフを討伐するのか…

ギルドは『エルフの技術には眼を見張る物が在る』と言い、

宗教関係者は『神に仇なす下賤な種族』と言う、

ギルドの言い分は兎も角、

教団の言い分は本当にそうなんだろうか?


「どうしたんだよ?オファそんな怖い顔してまたエルフに助けられた事を思い出してんの?」


同じエルフ討伐の精鋭の一人、

俺が一番話す男が話しかける。


「あぁ本当にエルフは悪なのだろうかと思ってな…」


そう、

俺は8歳の頃エルフに助けられた事が有った…




☆☆☆




「はぁはぁはぁ…」


何で母さんと父さんが、

僕はあの時から逃げて居た、

父さんと母さんと共に王都に行って居た時の帰りだった、

盗賊に襲われた、

しかし僕の家は平民で母さんも僕もギルドに登録などして居なかった…

それに腹を立た盗賊に先ず父さんが殺された、

次に僕を逃がしてくれた母さんが。


僕は逃げた、

場所は森、

時間は夜、

助けなど絶望的、

近くの街まで走って40分程、

それまで持つか?

そんな事を考えて居たからだろうか?

ここは森でロクに道など整備されて居無い、

蹴躓いた、

顔に泥がつく、

擦りむいたのか手の平がじんじんと痛む、

下卑た笑みを浮かべた山賊共の顔が迫る。


そんな絶望的状態の時だった、

女のヒトが悠然と風と共に現れたのは。


「エ…エルフだと⁈」


盗賊達が驚きの声を上げる、

僕はその時はエルフの存在そのものを知らなかった。


「大丈夫?」


その女のヒトが問いかける…

僕はその余りの美しさに頷く事しか出来なかった。


「あなた達こんな小さな子供を集団で追い掛け回して恥ずかしく無いの?」


エルフ?の凛とした声が夜の森に響き渡る。


「う、五月蝿ぇてめえは関係無いんだから引っ込んでヤガレ」


盗賊達も負けずと言い返す、

しかしエルフは超然として。


「関係有るわ、あなた達の臭い匂いで起こされたんだから」


そんな事が理由⁈

僕は思わず驚いた、

その時、

エルフがこちらに振り返って唇だけで「待ってて」と呟く、

その動き全てが艶やかで美しかった、

その瞬間エルフが消えた、

永遠とも思える一瞬だった。


大地に山賊がひれ伏して居る、

それをエルフが見下ろす。


「君も怪我は無い?」


エルフが僕に手を伸ばす、

僕は黙ってその手を掴む。


「あら?擦りむいてるじゃない?」


エルフは僕の手をジロジロ視ながらいう、

正直気恥ずかしい。


「まぁ男の子だから我慢できるよね?」


男の子だから…

両親によく言われていた言葉、

そして今更ながら両親を失った悲しみが溢れ出る。


「う、うぇふぇぇぇん…」


涙が出てくる、

意味の無い声、

思わずその場にへたり込む。


「ちっと君⁈大丈夫って言ったじゃん⁈」



僕はその後エルフにおぶられて王都に向かった、

その間にエルフは僕に様々な事を教えてくれた、

野宿の心得、

美味しいご飯のレシピ、

本当に様々な事をだ。


それからの記憶が無かった、

気がついたら王都の門の前に

寝ていた、

一瞬夢かと思ったがその考えは脆くもぶち壊された、

そのエルフの物と思われるギルドカードが左手に収まって居たからだ。


何故分かったのか?

ギルドカードには登録者のなまえや身体能力が刻まれる、

そこに刻まれて居たのが シルフィード…

父さんの名前で無かった…




☆☆☆




アレから14年、

俺があのエルフに教えて貰い冒険者をやって居た年数だ、

Sランクに成るのは簡単では無かった、

大怪我もしたし、

死にかけた事も有った、

だけど。


「漸くここまで来れたよ、シルフィードさん…」


初恋のヒトに追いつく為にはまだまだ足りない。
















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