一人で登校したい
僕は西條と一緒に登校していた。
「和希ぃ〜今日の放課後はケーキ食いに行こ」
「ケーキ?なんか記念日なの?」
「記念日じゃないとケーキを食っちゃ駄目なの!?」
「そんなこと言ってねぇじゃん」
「ケーキの舌なんだよね、今日〜!」
「ひとつにしとけよ。太るから」
「ケーキを何個も食って、太るとかありえねぇよ」
「どうだか……ケーキを食って太ったらこっちに文句言うなよ」
「言わないっての!」
「よぉ〜和希、おはよー。西條もな」
後方から走ってきて、背中をバシッと叩いて隣に来た男子生徒が挨拶をしてきた。
「内藤、おは〜。背中を強く叩くなよ!」
「内藤くん、おはよー。朝から元気いいね」
「授業は怠いけど、元気が出ないほどじゃねぇし。英表の写し、やってるなら見せてくんね?」
「自力でやんなよ、全く」
「西條は旦那の頼みじゃねぇときかねぇな。和希、俺に代わって頼んでよ」
「西條ぉ〜写させてやってよ」
「えぇ〜もう仕方ないな〜」
「サンキュー、お二人さん。また後で〜!!」
内藤は、英表のノートの写しを写させてもらえることがわかると駆けて行った。
「ほんとに内藤くんに見せなきゃいけないの?」
「西條が約束を破るなんてなぁ〜」
「和希が頼んで来なかったら写しを写させてあげないんだよ」
「そんな不貞腐れるなって。ケーキを3個以上奢るから」
「ケーキ3個!?仕方ないなぁ〜」
「おはようございます、中川先輩!!西條先輩も」
「芦田さん、おはよう。西條がいるときに来るなんて珍しい」
「ソウデスネ〜西條先輩がいる時は不利なんで突撃しないんですけど」
「中川先輩、彼女の何処を好きになって交際しているんですか?」
「僕が西條を好いていると何処を見て思ったの?西條との関係はセフぅっ——」
「和希は私の全てが好きなんだよね!!うんうんうん!!」
西條が僕の口を塞ぎ、強引に遮った。
「何すんだよ、西條!!こいつとはセフぅっあぶぅ——」
「芦田ちゃん、急がないの?さぁさぁ」
芦田がスマホを取り出し、画面を見た。
「あっ急がなきゃ……また後でです」
芦田も駆けて行った。
僕と西條も敷地内に到着して、昇降口を抜けて、下駄箱でスリッパに履き替え、廊下を歩き出す。
教室に脚を踏み入れ、既にいたクラスメイトから茶化される。
「仲良し夫婦が登校してきたぞ!ふぅーふぅー」
「仲良し夫婦が登校してきた。キスするか?イチャイチャするか?羨ましいぜ」
「うるせぇ!!毎度毎度煩わしいこと言いやがって!!黙れって」
僕は片腕を振って、周りを静かにさせるのに時間を割いた。




