休めない
休み時間になる度、西條が近づいてべたべたと触れてくる。
「和希ぃ〜八田がエロい眼で見てくんだよね、キモいんだけど」
「クラスメイトも似たような眼で見てるから変わんないだろ……」
「なにその突き放しは〜?同情してくれるのが正解だよ、和希ぃ〜!!」
「同情を誘いたいなら、セフレ関係を解消してくれ!」
「意味わかんなぁ〜いぃ!!てかおっさんと同級生は違うし」
憎たらしい高い声で返してくる西條がムカつく。
「おまえが襲われてても可哀想と思わないわ」
「ひどぉー!!和希ってばそんな薄情なやつだったとは……うぅっ、うぅわぁぁあぁんっっ!!」
眼を手で隠し、泣く演技をしだす彼女。
「嘘泣きが上手いな、西條」
「西條さんを泣かすなよ、中川」
「美澄が可哀想じゃないか、泣かすなよ」
エロい眼で見る男子共が僕を非難する。
「同情してくれてるぞ、あいつら。これで満足か?」
僕は彼女に耳打ちした。
「和希の薄情者ぅ!!」
僕は授業が終わり休み時間になる度、休めないでいる。
4限目が終わり、昼休憩を迎える。
西條がクラスメイトに話しかけられている隙に屋上へと向かった。
屋上で弁当を食べていると、屋上の扉が開き、誰かが近づいてきた。
「……」
「中川先輩……やっぱり」
芦田の声だった。
スリッパの色が僕のと違う。
何も防御していない生脚が眼に入る。
「……」
「中川先輩、ご一緒して良いですか?」
「あーぁ、良いよ」
見上げようとしてスカートの中が……だったので急いで頭が見える位置まで上げた。
「先輩、見ましたパンツ?」
「見てない……見えてない」
「怪しい……まぁ、先輩に見られても良いんですけど」
何、その発言……!?
芦田が隣に座ってサンドウィッチの包装フィルムを破り、サンドウィッチにかぶりつく。
「サンドウィッチで足りるのか、芦田?」
「足りないです。でも我慢します」
「あぁ、そうか……」
僕は肉じゃがのごろっとしたじゃがいもを口に運ぶ。
「……て、何かくれないんですか?くれるとこじゃないですか!?」
「ええっ!?そうなの?」
「先輩ってたまに天然なとこ、出ますね……まぁそこがギャップで好きなんですけど」
僕……天然なの?
「やっぱりここに居たぁ〜和希ぃ!!ってぇ穂乃果ちゃんも一緒……私は誘わず穂乃果ちゃんだけ誘ったんですか!?」
大股で近づいてきた西條が詰め寄ってきた。
「誘ってないよ最初っから。寂しがりやじゃあるまいし、一人で過ごすさ」
「私も和希と食べる〜!!」
西條まで隣に座って弁当を食べ出した。
西條は芦田に喧嘩をふっかけ、暴れ出した。
昼休憩がこうして終わっていく。




