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hopeless  作者: 氷憐 仁
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#忘れないで

日常系です。超ド陰キャの主人公が青春に憧れるはなし。

#夢のない僕らは


こんな世界はいらない。消えろ。

どれだけ願っても、消えない。消えてくれない。

なら、僕が消えて、いなくなればいいんだ。

なぁ、そうだろう?

あの頃に戻りたい。それが君の口癖だった。

いつまでも続くものなんてこの世界にはなくて、憧れや夢だけがボロボロに崩れ落ちていくんだ。そう思っていた。現実なんてものは残酷で、それが美しいなんて歌う人がいて、どんな儚さも悔しさも歌にすれば他人事に見ることができた。目を背ければ忘れられる。そんな呪いみたいな言葉を信じて歌い続けようとする僕らの声はもうとっくに枯れきっていた。

夢を見た僕らの悪夢はあの歌から始まった。


#歌を聞けば心が澄むように、あの夏の暑さも爽やかに変えさせて


学校。それは地獄であり監獄であり居場所である。関わり方によっては良い場所にも悪い場所にもなる紙一重な場所。まぁそれはどこに行っても一緒なのだが。まぁ僕にとっては前者であることは言わずとも解るだろう。ここにいるのは悪意を覚え始めた悪魔を宿した者たちばかり。そう知っているからこそ、関わり方を間違えてはいけない。空気のまま過ごす。去年の夏に転校してきた僕は、できたグループの輪に馴染みきれずにいた。学年が上がれば、クラス替えもあるわけで、仲の良いトモダチというのもいない僕は、静かに読書をして息を潜める。クラスが変わったことでみんな新たなトモダチ作りを始める。そんな中読書をして言葉を発しようとしないぼくはひときわ浮いていた。新しい学年の教科書が配られ、クラス目標やら班決めやらで教室中が騒がしい。特に表情を隠すこともせず「だるい」その意志のまま黒板を見つめてことがすぎるのを待つ。憂鬱だ。帰りたい。うるさい。

そんな時、ようやく先生の指示が入った。ポツポツと静かになっていく中、最後までその声に気づかないで横を向くのは、隣の席のやつだった。こんなときにまで無駄な正義感やらで声を欠けてしまう自分が嫌いだ。

「前、向きなよ」

教室で発した言葉が異様に響いた気がした。言ったあとで果てしない後悔が渦巻く。

「え、あ、ごめん」

戸惑ったようにお礼を言う姿は後悔の念にかられていてまともに見ることもできなかった。トモダチづくりは苦手だった。気を損ねれば、少しでも馬が合わなければ積み上げてきたものは一瞬で消えてなくなってしまうのだから。ただ、一人は嫌だと思ってしまうわけで、少しだけでも、ただ話すぐらいなら、なんて欲望のままに空回りして後悔する。やってしまった。そんな思いが渦巻くと吐き気が押し寄せてきた。こうも自分はだめなのか。最悪だ。

押し寄せる吐き気を本を読んで誤魔化して休み時間をしのぐ、つもりだった。

「ねぇ、さっきはありがとう。全然気づかなかった。」

僕に話しかけているのか、わざわざお礼言うほどでもないのに。

「いや、べつに」

そっけない、声にもならない声。自分が惨めだ。気まずくなったのか、少しの間沈黙が続く。その沈黙から目を背けようと本に視線を戻す。でも、トモダチができるのではないか。そう思ってしまったら声をかけずにはいられなかった。

「えっと、、その、な、名前とかって」

「え、あぁ、名前ね。ってさっきの自己紹介聞いてなかったの?僕は鈴乃爽。君は氷音零さん、だよね。よろしく。」

軽く自己紹介をして、「それじゃ」と耐えきれなくなって逃げる。すると、

「ねぇね。友達になってよ。私、山峰比奈。吹部なんだ。番号近いし仲良くしてくれると良いな。この辺の番号は男子ばっかりだし。よろしく。あ、呼び捨てでいいよ」

「よ、よろしくおねがいします」

。。。女子だ。いや、僕も女子だけども。トモダチできたってことでいいのか?二人?不自然なくらいにオドオドしながら、番号の近い5人ぐらいで話す会話の輪の隅っこで場違い感を感じながらも聞く。比奈が聞いてるから、聞く。うぅ、、、本を読みたい。

「ねぇ、レイちゃんって呼び方でどう?」

いつの間にか文句を言っていたはずの男子に馴染んでいる比奈に聞かれる。比奈って呼ばせてもらっているのだから、僕だって呼び捨てで良い。

「えと、よびすてでいい、、、よ」

「ほんと!やったぁ。あ、まだ零は話してないよね。零の後ろの席が翔で前の席が来人。んで隣が爽ね。来人とめっちゃ仲いいのが禅ね。んでみんな、このこは零です!」

いつの間にかメンバーができた。コミュ力強の女子、比奈、怖い。

「「「よろしく」」」

男子がこっちを見て自己紹介する。長い前髪で顔を隠しながらペコリと頭を下げる。また無言に戻ると、比奈が話し始めた。やっぱり僕にはトモダチなんて早かったのかもしれない。


この話のエンドはもう決まっていた。。。絶望はすぐ側に

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