「アルト」 1年間の呪い
日本での暮らしのある日のこと。
また晴蘭は、やらかしてしまいました。
海音のクラスメイトの男子を、魔法使いの世界に巻き込むことに。
「如月 直樹」は、20年前に書いた「女装剤」の主人公でした。
┈┈••✼••┈┈日本の晴蘭の自宅┈┈••✼••┈┈
今日は、金曜日。
俺は、日本の自宅の自室に居た。
季節はすっかり冬。
学校から帰って来てふと思った。
ここ和歌山とは、あんまり雪は降らない地。
母親によると、昔の冬には和歌山でも普通に雪は降って少し積もってはいたし、水溜まりの水も凍っていたし、建物の屋根からは氷柱がぶら下がっていたと言う。
それくらい寒かったそうだ。
でも晴蘭は、生まれてこのかた、水溜まりの水が凍るなんて、体験したことがない。
氷柱なんて、テレビや雑誌の写真でしか見た記憶は無い。
そりゃあ冬には雪は降る。
でも、地面を薄く白く染める程度だ。
何年か前に雪が数cm積もった事はあったが、毎年ではなく、何年かに一度程度で、足が埋まるほどに雪が積もるなんて滅多に無い。
高野山なら、毎年雪は積もるだろうが、和歌山市内で雪が積もるとなると、車が車庫から出られないと言うほどに、大騒ぎになるほどだ。
それくらい、日本の特に和歌山市の今現在の冬とは、暖かいものなんだろう。
でも晴蘭は、冬はそれほど嫌いじゃない。
どちらかと言うと、暑い夏の方が嫌いだ。
夏は、たとえ真っ裸になっても、あちいのはあちい!
冬は、着込めばなんとか耐えられるし、コタツで寝たら天国だし、運動すれば温まる。
なにせ晴蘭の自室には、エアコンという気の利いた物が無いからな。
子供の頃に(今も子供だが)、ハロゲンヒーターってやつを買ってもらったが、服をかけて燃やしてしまって、思いさが怒られてからは、ヒーターと名の付く物など、使った事もない。
そう言えば、晴蘭は冬服を持っていなかった。
あるのは、男の頃の服ばかり。
今の肉体年齢8歳の幼女体型に合う冬服が、まったく無かったのだった。
夏は母親が買ってくれたが、今ではムトンランティアから持ち込んだ「白野菜」を庭で栽培しているので、「白野菜で自分で作れば?」と母親は言う。
がぁ━━━ん!!
自分で作れって、そりゃないわ!
確かに自分で作れば、家計的に少しは楽になるだろうけど、なんだか味気ない・・・
ファッション・センターなどで、どんな服がいいかなぁ~て、見て回るのが楽しいのに、なんでも魔法でホイホイ作ってたら、お出かけ減るし、なんか寂しすぎるやろ!
などと考えながら、昔の男の頃の冬服を手に持って感傷に浸っていたら、虹音は察したようだった。
「セーラちゃん、冬服が欲しいん?」
「え? ああ、まあ・・・俺、男モンしか持ってないから」
「そう? ほな、私が作ってあげよっか?」
「虹音姉ちゃんが? ホンマに?」
「うん! 飛びっきり可愛いの作ってあげるな!」
「あ、いや、別に可愛くなくても・・・」
「ちょっと、待っててな!」
バタン!ドタン!ビタン!バタン!!
ガラガラガラ~ピシャン!
「?!・・・もう~ホンマに鉄砲玉なんやから虹音姉ちゃんってば(汗)」
そう言って虹音は、ニッコニコしながら、チュパカブラみたいにビョンピヨン飛び跳ね自分の家に帰ってった!
きっと、自分の部屋で俺のために冬服を作ってくれるのだろう。
そして、1時間後。
ガラガラガラ・・・ガラガラガラピシャン!
バタバタバタバタバタバタ!
「うお?! おっ?!」
サー!バァン!!
「きゃあ!!」
「たっだいまあ━━━!!」
「ああ~ビックリしたぁもお!」
まったく虹音姉ちゃんってば、普通に入って来れないのかね?
毎回、襖がぶっ壊れるんじゃないか?とお前ほどに乱暴に開け閉めするから。
こないだなんて、勢い激しすぎて襖が外れて、顔面にぶち当たってたし。
でも、美人な見てくれとは全く違うギャップがまた、可愛いんだよなあ♡
虹音姉ちゃんは、なんかモフモフのパーカーらしきものを何着か持っている。
もしかして、今しがた自分の家で作ってきたのか?
だが、普通のパーカーではないなソレ?
だって、フードに猫耳が付いてるし!
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!! ナナちゃん渾身の傑作! ニャンコ・フード付きパーカーにゃのだー!」
「!!・・・・・・そ、そう?」
「さ! 着てみて?」
「え、あ、うん・・・・・・」
晴蘭は、どうせ抵抗しても無駄だと解っているので、素直に着てみる事にした。
モフモフの割には薄手で、めちゃ暖かい!
なにこれ?! すごっ!!
肌触り最高!! これいい!!
「うわぁ~! なにこれ? 軽くて暖かい!」
「せやろう? 可愛いセーラちゃんに似合うように、フードと耳を大きくしてみたん!」
「あー確かに、普通のパーカーよりもフードが大っきいね!」
確かにフードが大きい。
猫耳も、大きいせいか片方が垂れているし。
だがそれがまた、可愛らしさを強調している風な気がする。
生地は薄い空色の毛布のようなモフモフで、裾が少し長めにしてある。
後ろ裾の下には、尻尾まで付いてる?!要らなくね?
スカートは、モフモフではないが、肌触りの柔らかいワッフル生地の青。
俺の好きな色だ。
「うんうん! 可愛い!」
「あ、ありがとう」
「パーカーもスカートも、白野菜から作ったんよ!」
「ええっ?! マジで? すごっ!! 虹音姉ちゃんってば天才?!」
「あ~んもぉ~~~! 一々嬉しい事言ってくれて可愛いんやからセーラちゃん!」
いきなり晴蘭を抱きしめる虹音。
「ぐっ・・・ぐるじぃ~~~(汗)」
ってな具合で、金曜日の午後を満喫していた。
と、その時だった!
晴蘭と虹音のアニマル・ストラップに緊急着信があった!
『うにゃ~~!うにゃ~~!』(着信音)
フォン!
着信音とともに、パネルウインドーが開き、海音が呼びかけてきた!
「おお~海音どーした?」
「ミント、やっほー!」
『あ、おう、姉ちゃん! それより晴蘭! あ、「あれ」持ってるか?!』
「「あれ?」」
なんだか切羽詰まった様子の海音。
「あれ」とは、なんの事だろうか?
様子からして、急いでるみたいだが、海音の奴今どこに居るのか?
パネルの地図上では、和歌山駅付近のようだ。
確か海音は、千春達と一緒に和歌山ステーションに行くって言ってたっけ?
いったい、何があったのか?
「『あれ』ってなんな? お前、そんなとこで何してんのな?」
『お、おう! 千春らと一緒にクレープ買いに来たんやけどな? 直樹が他校の不良共に怪我させられてな! とにかく大怪我なんじゃよ!!』
「直樹が大怪我あ?!」
「けが?」
如月 直樹とは、海音のクラスメイトで、学校ではいつも海音と連んでいた紀州スポメン男子だ。
スポメンといは言うが、実際にスポーツ万能ではなく、そう見えるってだけだ。
なにせ身長178cmと高く、プライベートではよく高校生に間違われるとか。
しかも、男の海音から見ても・・・
ああ、いや、今は女だが、男心の海音から見ても直樹は、イケメン・スポメン・オンナメンときた、ちょい女顔でまるで宝詰の男役女優のような超美形イケメン・ルックスで、しかも長身!
学校では、海音に次ぐ人気ぶりだ。
そんな直樹と一緒に、他にも、チャル、ミチョ、サエ、サチ、レッカの6人で和歌山ステーション横のクレープ屋さんに行った時に、他校の不良共に海音が絡まれて、そこへ直樹が庇いに入ったのだが、突き飛ばされて転んだ場所が悪く、割れたガラス瓶の破片に後頭部をぶつけて大量出血!
その血にビビった不良共は逃げてしまったと言う。
でも、それからと言うのが大変だった!
周囲は当然ながら大騒ぎに。
救急車や警察に通報されたようだし、パニクった海音は、慌てて直樹を創造魔法で浮遊させて、直樹をまるで立ってるかのような姿勢で移動させ、今は路地裏に隠れているとのこと。
魔法使いだとバレてはいけないと、回復魔法は使えないし、人目から逃れて慌てて路地裏に運んで、回復魔法を施したら、だいぶ出血は治まったが、海音の回復魔法では、傷が完全に塞がなかったと言う。
こんな時は落ち着いて、何度も回復魔法を施せば良いのに、パニクって冷静な判断ができなかったのだ。
そんな時に晴蘭の作った女装役剤を思い出したとのこと。
回復魔法が使える海音や千春は、魔法回復薬を持っていなかったため、慌てて晴蘭に緊急連絡してきたって訳だ。
「わかった! 今すぐ行くから待ってなあ!」
『あ、ああうん! 頼むわ!』
「私も行くぅ!!」
「あ、うん! お願い!」
「うん!」
こうして、晴蘭と虹音は、「認識阻害」で姿を見えなくして、空飛ぶ箒で海音の下へ向かった。
そして現場には、10分足らずで到着。
┈┈••✼••┈┈駅横クレープ屋さん付近┈┈••✼••┈┈
海音達は、クレープ屋さんのあるビルと隣のビルとの間に居た。
身を隠していたようだ。
晴蘭と虹音は、箒に乗って空から舞い降りる。
「海音ー!「ミントちゃん!」
「晴蘭! 姉ちゃん! はやく!はやくぅ!」
「「「「!!・・・・・・」」」」
見上げて驚くミチョとサエとサチとレッカ。
「直樹! もう、だいじょぶやからな! シッカリせぇよ!!」
「うう・・・・・・」
自分の血を見て意識が朦朧としている直樹。
「海音! これを飲ませて!」
「お! おう!」
晴蘭は、海音に女装役剤を渡した。
だが慌てていたので、晴蘭は海音に渡したのが、「女装役剤1year」だとは気付かなかった。
それはつまり、飲むと1年間女の子に変身するという女装役剤であった。
「ほら! ほら飲めよぉ!」
「うっ・・・・・・ああ・・・・・・」
意識が朦朧とする直樹。
口を半開きにして、女装役剤を飲もうとしない。
何度か海音は直樹に女装役剤を飲まそうとするが、口からこぼれるばかり。
「あかん! 虫の息で飲まん! ど、どないしょ?」
「しゃあない! 海音、口移しや!」
「ええっ?! そ、そんな」
「直樹が死んでもええんか?! ここはムトンランティアとちゃうんやぞ!! こっちで死んだらホンマに死ぬんやぞ!」
「!!・・・・・・わかった」
「「「「・・・・・・」」」」
海音は、口移して女装役剤を直樹に飲ませた。
すると直樹の身体は青白く光り、その光が消えると、直樹の後頭部の傷も塞がり、肩や肘の打ち身も完全に完治したのだが、例外なく直樹の身体は女の子に変身していた。
「だいじょぶか直樹!?」
「う、あ、ああうん 大丈夫・・・・」
「わぁ!!」
直樹の変貌ぶりに、瞳が少女漫画のようになる千春。
「やあ!「ふぁ?!「きれー「いやあ!」
同じく少女漫画の瞳になるミチョとサエとサチとレッカ。
「あらあら えらい美人になってしもて」
流石に驚く虹音。
「・・・・・・宝詰かよ」
マジ、そう思った晴蘭。
直樹は、ゆっくりと立ち上がる。
女性化した直樹は、胸は小さめだが、肩幅広く、ウエストはキュ!と引き締まり、腰やお尻は小さめで、総体的に逆三角形な体型で、まるで水泳選手のようだった。
晴蘭の目にも、マジカッコよく綺麗に映った。
「お、俺・・・どうなって?」
「すまん! 直樹、お前が飲んだんは、回復魔法薬の一種や! ただ、1日だけ女に変身してしまうけど、明日の今頃には元の身体に戻るはずやから心配すんな! な?」
「あ、うん そうか 海音さんも確か魔法使いやったんやな?」
「うん すまんな こんな事になってしもて」
「いや・・・・・・」
海音は、他校の不良共に絡まれた時に、直樹に助けてもらったのが原因で直樹が大怪我をしたので、責任を感じていた。
「すまん・・・すまん・・・・・・」
涙をポロポロ流す海音。
「泣かんといてよ海音さん! 俺はまう大丈夫やから! ってうわっ! 鼻水!鼻水! ほら、これで拭いて!」
そんな海音を見て、慌てハンカチを渡す直樹。
「うえ? えふっ・・・じゅるる ぶぶぅー!!」
お約束通り、借りたハンカチで鼻を噛む海音。
「あははっ(汗)」
少し呆れる直樹。
「ははっ 海音が泣くやなんてな?」
泣く海音を見てからかう晴蘭。
「うっさいわ! チビセラ!」
涙で顔をびちゃびちゃにし照れながら叫ぶ海音。
「チビセラ言うな!」
「「「「あはははははっ!」」」」
なんとか危機は脱した。
・・・が、海音はずっと顔が真っ赤のまんまだった。
その訳は・・・
「まさか、ホンマに口移しで飲ませるとは思わんかったなぁ?」
更に海音をからかう晴蘭。
「はあ?! お前が言うたんやろが!!」
「だって、そーやろう? 俺も焦って慌ててて完全に忘れてたけど、女装役剤は、飲んで良し、塗って良しの、万能薬やで?」
「はっ?!・・・・・・」
あ!そうだった!の表情の海音。
「ん?・・・・・・」
ニヤっと笑みを浮かべふ晴蘭。
そうなのだ。
海音は、晴蘭に言われて口移しで女装役剤を直樹に飲ませたのだが、直樹程度の傷ならば、本当なら傷口にぶっかければ良かったのだ。
だったら、女性化もしなかったはず。
「いゃああああああ~~~!!」
恥ずかしさの余りに悲鳴をあげてしゃがみ込む海音。
「きゃははははははは!!」
指を差して笑う晴蘭。
「セーラちゃん、それひどっ!」
呆れる千春。
「アホセーラめぇ!! どたまかち割ってストローで脳みそチューチュー吸うぞゴラアアア!!」
更に真っ赤になって、吠える海音。
海音は、まるで茹でダコのように真っ赤だった。
それより、このままここには居られない。
クレープ屋さんの前には、救急車とパトカーが来ていて、野次馬も凄かったので、晴蘭達は認識阻害で姿を消して、魔法の絨毯で空を飛んで、晴蘭の家に戻った。
┈┈••✼••┈┈晴蘭の自宅┈┈••✼••┈┈
「へっ? ここって?」
???な直樹。
「晴蘭の家や!」
「ええー?! なんで?」
なんで晴蘭に家に連れて来られたのか理解できない直樹。
「なに? そのリアクション・・・」
怪訝な晴蘭。
「ああいや、変な意味とちごて(汗)」
「まあまあ、とにかく入って入って!」
まるで自宅のように我が物顔で言う千春。
「なんでチャルが言うん?」
ミチョが不思議に思い言う。
「だって私も、今ここに住んでるもん!」
「「「「えええ━━━?!」」」」
驚くミチョとサチとサチとレッカ。
「なんじゃそれ?! なんで?」
同じく驚く直樹。
「ま、色々あんねや」
そう呟く晴蘭。
「・・・・・・」
複雑な心境の直樹。
千春に背中を押されて晴蘭の家に入る直樹。
続いて、ミチョとサエとサチとレッカが、海音に押されて晴蘭の家に入る。
すると、母親がさも知っていたかのように、みんなを迎える。
「はいはい! みんないらっしゃい!」
「「「「お邪魔しまーす」」」」
「うん! 入って!入って!」
こうしてみんな、晴蘭の家に入った。
そして茶の間に招かれて、我が物顔で図々しく寛いでいた良子が言う。
なにせ良子は、1000歳を超える魔女なので、だれも文句は言わない。言えない。
良子には、それだけの力も実績あるからだ。
今回の事案も、正直なところ、良子にまた頼るしかなかったのだ。
「おお、おかえり!」
「「「「ただいまー」」」」
「「「「こんにちわー」」」」
「ホンマに、保険の片桐先生が居てんやな?」
直樹が驚き言う。
「せやらか言うたやろ? こんな嘘付いてどないすんのよ?」
呆れながら言う海音。
「そらまあ、普通は信じられへんやん?」
Why?の姿勢で言う直樹。
「俺の家、結構デカいからなぁ~」
「そーゆー問題?」
苦笑しながら言う直樹。
「ところでセーラよ!」
ギロ目で晴蘭に問う良子。
「ひゃいっ!!(焦)」
ギクッ!とする晴蘭。
「お前が如月に飲ませたもん見せてみ!」
「えっと~~~もう瓶は捨てたっけ?」
とぼける晴蘭。
「あ、これ?」
あっけらかんとして、空の瓶を出す海音。
「あ! わ!わ!わ! あわわわ・・・」
慌てる晴蘭。
「ふむ・・・・・・やっぱりのぉ?」
「な、なんすか?」
まだしらばっくれる晴蘭。
「これ、1年間女の子に変身する魔法薬とちゃうんかえ?」
「なんやて?!」
「「「「ええっ?!」」」」
「精霊に聞いたら・・・」
良子は魔女なので、魔法使いよりも幾分か繊細な精霊との意思疎通ができる。
なので、良子の鑑定スキルだと、大概の事は解ってしまう。
「ふむ この魔法薬には、人間の一生のうちで、成長ホルモンがバシバシ分泌されて1番生命力が高い肉体年齢15歳くらいの女の子に変身する力があるようじゃ 1年間のな!」
「えっと、そ、それは・・・その・・・」
「うむ 飲むと、魔法薬の効果が尽きるまで、肉体年齢15歳くらいの女の子の身体のまんま!・・・じゃという事じゃ!」
「んなんっ?!・・・・・・」
一気に青ざめる直樹。
「「・・・・・・(怯)」」
ガタガタ震え出す晴蘭と海音。
バレた?! 速攻で!? 良子さん鋭すぎ!!
ヤバい! 俺、良子さんと如月君に殺されるかも?
いや、殺されるだけで済むんか?
晴蘭が海音に渡した女装役剤は、1日だけ女の子に変身する魔法薬ではなく、1年間女の子に変身する魔法薬だったのだ。
実のところ、海音に渡して、直樹に飲ませるときに、海音が自分の口中に女装役剤を含んで、口移しで飲ませる時に初めて気付いたのだが、時既に遅し・・・・・・
飲ませてしまって、効果が出てしまったのでは、もうどうする事もできない。
効果が出たのなら、吐き出したって無意味だ。
「セーラ! それ、どーゆー意味じゃ?! 1年間って、なんな?!」
真実を知って超驚く海音。
「あっ、えっと、その、なんな、あぅ~~~(焦)」
しどろもどろな晴蘭。
「せぇ~~~らぁ~~~」
まるでムンクの叫びのような表情で迫り来る海音。
「ひゃあっ(汗)」
ポン!
ビビりまくって、ケモ耳に変身する晴蘭。
「・・・セーラちゃんが悪い」
無慈悲な千春。
「チャル?! そんにゃあ~~~(泣)」
「そうやね こればっかりは、私もよう庇ってやれやんわ」
合唱して苦笑する虹音。
「虹音姉ちゃあん(汗)」
「セーラ、諦めな!」
もう、取り付く島もない。
「ぶみゃあぁあぁあぁあぁ~~~たぁ~すぅ~けぇ~てぇ~~~」
「・・・・・・」
放心状態の直樹。
この後晴蘭は、みんなから失禁するほど「コチョコチョの刑」に処された。
次からは、ちゃんと確認しましょう。