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たったそれだけ。

教官。

作者: caem


「良いかーー、確実に仕留めろ」


 はじめて手にした拳銃はじつに重い 引き金が引けなかった


 講師が鬼だったことに変わりはない 初心者には苦しかった


「真っ直ぐだーー、あそこにぶつけろ」


 的に向かって撃ち抜けば良いだけなのに 怯えてしまうんだ


「練習と思えば良い」 教官(・・)はそんな馬鹿なことを容易く呟く


 警察官になりたかったけど こんなのは軍隊のやり方だろう


「私情はいらない」 「平均値であれ」 「特に目立つな」


 それが教官(・・)の教えだった

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