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9話 不幸なことがあった少女



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


泣いている。少女が·····


「ど····どうしたんだ?」


いきなりの事でテンパる。しかも目の前には美少女。友達なら罵声を浴びせ笑う所では合ったが。


和泉さんがゲームをやっていないことは知っているとは言ってもまだ慣れていない身としては私がやったかのような錯覚が起こりそうだ。


「ここの····くすん····人達。怖いです。·····くすん。」


「何が合ったんだ?」


私は和泉さんの身長合わせて屈み目線を合わせる。


「だって····だって!!目が赤くなりながらにじりよって来ます!!·····くすん。怖いです。」


「そ····そうか。よく頑張った。」


私は少女に胸を貸し、頭を撫でる。


後で詳しく事情を聞くと、まぁ。なんだガラの悪い冒険者無理やり連れて行こうとしたが、和泉さんの方が身体能力が高くて逃げられたらしい。


それを聞いた私はと言うと。


「うん。あれだ。一回。〇そうか。」


普通にキレていた。


「ま···待って下さい。そこまでは平気です。」


「ダメだ。女性を泣かせる人は地獄まで追いかけてやる。」


「ああ···ありがたいですけど。ダメです!!」


「ム。そう和泉さんが言うなら。」


と。言う感じになったのはご愛嬌で。ただ皆も思うよな?知らない所で知らない男性が私の見ていない所で無理やり連れて行きそうに成れば突っ込んで行くだろ。私は行く。


まぁ。でも幸い和泉さんに外傷は無しそれと和泉さん自身がもう良いらしいのでとりあえず保留で。


そして今回の事で思った事だが、どうもこの世界のAIは意外と臨機応変ができてクオリティも高い。ちょっとやばいな。


「あの。」


「ん?どうした。」


「私のプレイヤーネームって見ましたか?」


「···············っっ。」


「え?」


「すいません!!」


「えっえぇぇ!?」


やってしまった。ゲームの世界では本命を呼ぶことは禁忌。余り深く知らないための予防策を軽く踏み込んでしまった。


今回はある程度知り合いの名前を言ったため良かったがもし、知らない人がいた場合特定されてしまうこともある。


やってしまった。·····と落ち込んでいると。


ピトッと頬に両手が。


「謝らないで下さい。私も知りませんでした。私も言っていたと思います。だからお相いこです。」


そう言って優しく微笑んでくれる。


「ありがとう。·····まずは自己紹介からだな。私のプレイヤーネームはルースだ。」


「私はヒスイにしました。」


「これからよろしくお願いする。ヒスイさん。」


「··········あの。」


あれ?私。またなんかやらかしたか?


一人背中から冷や汗をかいていると·····


「さんずけは無しにしませんか?」


「さんずけを……デスカ??」


少し片言になってしまったがスっと流されそのまま続行中……。


「はい。ゲームの世界なので·····ど···どうでしょうか?」


私は心の中でハーーーと吐き。深呼吸。


「あぁ。よろしく。ヒスイ。」


「あ。はい!よろしくお願いします!ルース。」


少し、恥ずかしながらも近くを店を回るために歩き出す。青春とはいつ来るか分からないものだ。と一人考えていつつ。

ヒスイとは世間話をする。話の話の内容的には、「 何処かの店が〜 」とか「 ここの屋台が〜露店が〜 」などを物色しながら話す。


今回は城の外には出ないで中を歩きまくる。


路地裏に行ったり、地下水道に行ったり、大きな時計塔の上から見たり、などなど。ここにある観光名所?みたいな所を見てきた。


そしてかれこれ半日は潰れてしまった。


「どうしようか?ゲームの世界で料理を食べても現実世界ではお腹が空いてしまうが···食べるか?」


「どんな物があるのか興味あります。」


「そうですか。なら行きますか。」


そう言ってまたまたブラリ。良く、ふらついている人がよく言う。風の声を聞いて行っているなど言っているがそれに近いようにも感じる。


ちゃんとした道から少し奥まったところにある路地裏の店。中に入ると中々オシャレに出来ている。


近くにあった空いている席に座ったが当然ながらメニュー表などは無い。だったらどう頼むのかと言うと·····


「すいません!おまかせ二つでお願いします。」


「おまかせ?」


そう。大体の店はこんな感じでマスターの気分で作る料理だ。ただ、ゲームでも味は保証できる。まぁ。たまーにハズレの店も無くはないが。


「ゲームの世界の店は現代みたいにメニュー表は無い。そのため何かを注文するよりはおまかせにしてしまった方が結果的に早く食えたりする。という豆知識だな。受け売りだが。」


「へーーー物知りなんですね。」


「そんなことは無い。少しゲームを齧っていれば分かってくるよ。」


「それでも凄いと思います。」


私はヒスイの言葉に苦笑い。どうやらこの子は天然の褒め上手かも知れない。おじさんの鼻が伸びそうだよ。


そして数分待つと美味しそうな料理が来る。


主食はパン。付け合せはハンバーグみたいな形の肉に丸々ポテトと緑色の野菜にコーンスープみたいな色のスープ。


「「いただきます。」」


美味しそうと一口食べると、


··········うん。·····うん。美味しいよ。味は薄いけど。


と心の中で思ったのは内緒だ。

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