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8話 ゲームの世界で少女と。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「私の前にやられている子は居ませんか?」


私の質問に疑問顔。豊かな表情でコロコロ変わる。


『はて?今の所はいませんけど·····』


「そうですか。」


私より先にやってるだろう。···と思っていたが違ったか?でも実際私より先にやっていたし。


「とりあえずは名前か。」


そう言えば、プレイヤーネームを考えるのを忘れてしまった。


『決まりましたか?』


「あぁ。ルースで頼む。」


『ルースですね。』


「はい。」


名前の決め方は簡単だ。下の名前は慎。漢字を変えると真実。真実は英語でトゥルース。トゥルースのトゥを抜いてルースと言うだけだ。


『良さそうでありますね!』


「ありがとうございます。」


これから言われるであろう定型文を言われたが美しい女性に言われるのは悪くない。


『次に注意事項ですが、基本的には自己責任ですが、相手を虐げることに関して酷ければシステム側から出禁にして処理をしてしまうのでご注意下さい。』


「分かりました。」


『そしてあちら側の世界。要するにNPCに関してですがNPCと呼ばずに全体を評して国人と呼び、こちら側は異世界人と呼ばれます。』


『PKやPVPなども基本的にはOKにしていますが、同じプレイヤーを何度も不必要に狙い過ぎると重すぎるペナルティーがありますので適度でお願いします。また、善人プレイヤーを狙い殺した場合、カーソルが緑から赤に変わるのも覚えておいてください。』


『イベントなどは定期的に行い、宣伝も兼ねて行うため上位五名の方は現実世界のCMに乗ることがありますので事前にお教え頂ければこちらで対応させて頂きます。』


などなどの聞かされることは意外と多い。早くやりたい人に取ってはこの時間は苦痛かもしれないが、私は女性のコロコロ変わる表情を見ていて時間が経つのが早かったりする。


『と···言う感じですが聞いてましたか?』


「はい。それはもうバッチリ。」


『なんか、違う意味に聞こえます·····』


可愛かったですけどね。


「イアさんはこれが終わった後はどうするのですか?」


『私ですか?仕事がある時は行きますが、基本的には暇ですが。』


「なら、お暇な時は一緒に遊びませんか?」


『えっ。』


「ん?」


····················あれ?


『私。ただ進行役でつまらない人ですけど?』


「そうですか?今回は仕事で会いましたからこれからもお近ずきに成りたいなと思いましたが。」


『そんな人初めて聞きました。プログラムにありません。』


「私が1人目ですからね。これからもナンパはよくあると思いますよ?お美しいですし。」


『上手いですね···そんな事は有りませんよ。』


「そんな事はありませんよ。」


『そんな事より!!ゲームアバターはどうしますか?』


顔を赤くしながら話題を変える。こういう子は虐めたく成るのは仕方ない事ですよね?


「既存のアバターもしくは何らかの形でそちらに送っていませんか?」


『検索致します·····ありました。こちらであっていますか?』


そこに現れたのは、今朝方送られてきていたアバター


「はい。あっています。」


『分かりました。ダウンロードを開始··········完了·····保存·····ルースさん。これで決まった場合決定ボタンを押して下さい。』


私はアバターの部分を見て特におかしな所が無いことを確認し、決定ボタンを押す。


『ありがとうございます。全ての項目が終わりました。これからもスピリチュアル・トーテム・ワールドをよろしくお願いします。』


「あぁ。」


『それと·····』


小さくだが聞こえる声が耳に入る。


『誘っていただけたこと。嬉しかったです。お暇な時、一緒に冒険しましょうね?』


私はその言葉と表情で満足し、白い空間から抜け出した。




ゴーンゴーンゴーン


鐘の音が大きく耳の外から聞こえる。


目を見開くと目の前には大きな噴水。前は噴水を中心に開けた丸に建物が並ぶ。

真っ直ぐに突き進む道の最後には城門があり、人々はそこの道を出たり入ったらしていて活気がある。


後ろにも第二の城門があり、更にその後ろには大きな白いお城。圧巻の一言である。


あたりは人人人。冒険者の格好に、主婦の人、屋台で売っている人、道の横で演奏している人もいる。

見ている分にはNPC···国人には見えない。人々が一歩一歩歩んできた歴史が見て取れる。


とはいえ、ここにずっといても仕方が無い。


何処か適当にぶらつこうと思い足を上げようとして左の裾が引っ張られるような感じがして左を向く。

そこに居たのは軽装の魔法士の服装に私の腰ぐらいある(ちゅう)ぐらいの棒。


そして灰色の髪に綺麗なサファイア色の瞳。肌は白くきめ細かく、唇はぷるんと震える。そして·····


「あ···あの。ここここ。本当(こんとう)にゲームですか?」


泣きそうで震えている。可愛らしい少女がそこに居た。



ついでにその儚い姿に虐めたくなってしまう。

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