7話 少女とゲームをする。(会っていないが)
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·····アバター
それは、ゲーム世界に取っては無くてはならない存在。第二の自分と言っても過言ではない。
普通はゲームを始める時にアバターを決めるもんなのだが、どうやら私に合わせて作ってくれたらしい。
身体は青年のような風貌である程度美形。髪の色は黒だが目の色は灰色に見える。普通なら白内障に見えるがゲームの世界も言うことで。
職業はオールラウンダー 別名万能人
そしてこの世界はステータスという物が存在するが1と5と0しか存在しない。何故ならそれ以外の数字は称号という形で出るようにする為にしてある。
それと当然スキルもあるが、これは職業に合わせて、できるようにしてあるので騎士が錬金術をやろうとしても職業を変えない限りは出来ないように設定してある。
と…まぁ。簡単に説明はしたが、これからもおいおい頑張っていくとしよう。
それを和泉さんに説明すると···驚いた表情で楽しそうに聞いてくれる。
「そうなんですね。」
「あぁ。だから和泉さんもやる時は自分に合う職業を見つけた方が良い。」
「分かりました。」
これからゲームで早くやりたいところだが、何だかんだお昼近くになっている為先に昼飯を食べる事に。
「あの。これは何でしょうか?」
珍しいのも無理はない。今回作ったのはイギリスの料理。一つ目はヨークシャー・プディング。見た目パイのようなモチモチしている料理。
二つ目はジャケットポテト。向こうの一般的な大きさは、分からないが腹持ちがいいようにデカく少し多く作ってある。
飲み物はイギリスの飲み物でも良かったが、そこは簡単に麦茶で。別にめんどくさくてやらなかった訳じゃないぞ。
和泉さんがヨークシャー・プディングを軽く切って一口。
「わぁー!美味しいです。サクットローとしていて!」
「それは良かった。」
他人に料理を作るのは初めてでは無いが、久しぶりに本気に作ったので見ていてまたやりたいと思ってしまう喜び方。儚いな。確かに。
食べること自体は二人で喋りながら直ぐに終わった。どうやら私も意外とお腹がすいていたらしい。ペロリと平らげてしまった。
片付けをしようとキッチンに持っていき洗剤を掛けをやろうとすると、横に小さい影。
「どうしたんだ?和泉さん。」
「手伝います。」
「いや。和泉さんはソファーで休んでても。」
「手伝います!!」
「あぁ。わ···分かった。」
時に和泉さんが押しが強い時があるのがビックリするがこっちが素なのだろうか?
ただ、二人でやるので片付けは直ぐに終わる。
「ありがとう和泉さん。」
「良いんです。泊めさせて貰ってますから。」
「そうか。…そうそう和泉さんはどうする?これから私はゲームの体験をするんだが、和泉さんもやるかい?」
「あっ。やりたいです。」
「分かった。いつも通りベットを使ってくれ。」
「新崎さんはどうするのですか?」
「ここのソファーに寝かせてもらうよ。あ。新崎さんはベットを使ってくださいは無しだよ?レディーファーストをやらせてくれないか?」
「ふふ。分かりました。お言葉に甘えます。」
「あぁ。それで頼む。」
元々、私の部屋に置いてあったもう一つのゲーム機を持ってリビングへ。
部屋に出る時に·····
「新崎さん。」
「ん?」
「また、後で会いませんか?」
「·····あぁ。また後でな?」
「はい!」
そう言って別れたのが少し嬉しかった。何ともこそばゆくて、むず痒い。
私は一階に降り、冷蔵庫からペットボトルを置く。そして和泉さんにも置いていないことに気づいて戻るともう入っているらしく、静かだった。
私も急いで戻り、ソファーに寝る。ゲーム機は首に掛けて寝るだけなので身体の心配はあんま無い。
さて。始めますか。
「スピリチュアル・ワールド」
私の言葉に機会が微妙に反応したあと、目の前が眩しくない程度な白色の世界に飛ばされた。
目の前にはWelcome to the world of games
「ようこそ。ゲームの世界へ…か。」
独り言をポツリ。どうやら初めの世界観に関しても結構力を入れているらしい。
私はここら辺は手を付けたことがないので普通に面白かった。そして世界観の話は終わり·····
『ようこそ。スピリチュアル・トーテム・ワールドへ。私が進行役を務めます。イアと言います。』
「AIからアイ、そしてイアか。」
『はい。マスターの悪ノリです。』
どうやらこの子。イアという子は普通にお喋りが出来るらしい。恐ろしきAI。
『まずは、プレイヤーネームをお願いします。今は誰も登録されていないので1番目ですね?』
どうやら、体験版じゃなくて正規版の予感が·····大丈夫なのか?
多分私……荒れるぐらいに暴れるぞ?
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