4話 ニュースになった魔法少女
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少女はまだ起きない。
そのことに対して苛立ちやめんどくさい事などは感じない。それよりも少女が元気になって欲しいと切に思う。
佐島さんの話ではゲーム機が届くのは明日の朝に届くらしくその時に家に居てくれと言われているのでその時はいつもりだが、基本は家にいるので変わらんと思うが……なぜ忠告されたんだ?
それとウイルスの話は直ぐに終わらせた。行かんともしれん奴に与える温情はないのでね。
まぁ。そんな事をやっていると夜になって来る。夜は基本的に一般家庭のお母さんがやっているような事をやっている。料理にお風呂、家計簿などなど。
とはいえ、それも直ぐに終わる。だいたいやる事が無くなるとテレビを見るが、どうやら今回は魔法少女の事らしい。
『次のニュースです。今朝の〇〇県〇〇市〇時〇〇分に魔法少女と思わしき少女の保護致しました。』
「また、魔法少女か。」
ここの所魔法少女という言葉はよく聞く。上で何をやっているかは分からないが、保護という名の監禁をしていないか、見ていて疑問に思う。
『魔法少女は専門の機関で調べた所。まだ、開花してはおらず蕾の状態とのことでこれからも様子を見るとのこと。』
『もし、お近くの住まいの近くに魔法少女がいると思う方は警察にお電話下さい。』
この、魔法少女という存在。
元々私が生きてた数年前まではこんなニュースはなかった。でも、ここの所このニュースが多く流れる。
どうやら魔法少女という存在は、美しく綺麗で整っており、儚く黒髪では無いらしい。
そしてここからが本番なんだが·····どうやら魔法という物を扱えるらしい。
私もよく分からなく、どういうものが扱えるかなども分からないが居ることはいる……らしい。
全部見つけ次第政府が持って行ってしまうので一般市民はその的確な情報は、待っていない。
とはいえ、私には関係が無いこと。そういう存在に会ったことは……。いや?そういえば、あの子。今の条件に当てはまっているよな?魔法が使えるかどうかは分からないが。
まぁ。でも。変わらずに接するか。それが多分少女のためにもなるだろう。
と·····考えていると上から“ トン、トン、トン ”軽い音が階段からなる。私はテレビの電源を消し少女が降りるのを待つ。
「あ···あの。」
「元気になったか?」
「は···はい。」
「ご飯は食べれそうか?食べれるのなら私のと一緒に作るが…。」
と···思っていると少女のお腹が“ キューー ”という可愛らしい音がなり私は直ぐに行動した。
私の行動に後ろから「あ···ありがとうございます。」という控えめな声が聞こえて私は「今作るから」と優しく言ったつもりだが、顔が赤い。
なんのことに対して赤いのか。全てか。熱と恥ずかしさだな。
やることは変わらない。いつも通りに料理を作り食べさせる。お風呂は···体温計には平熱だが。本人に聞くか。
「どうする?お風呂は入るか?」
「え···えっと。その。は···はい。おお···お願いします。」
ビクビクしながら一生懸命喋ってくれる。まぁ。そうだよな。男と二人。何されるか、分からないもんな。
私はできるだけ、安心できるような声で「分かった。直ぐに出来るからソファーで待ってるといい。」と言って洗面所に向かう。
お風呂掃除は物の数分で終わり、リビングに戻るとソワソワしている少女が居て少しクスッと笑ってしまった。
「そんなに緊張しなくていい。取って喰ったりはしないから。」
「あ···そのー、一つお聞きしても良いでしょうか?」
少女の言葉に言葉に若干驚きながらも、聞こうとして机に飲み物が無いことに気づく。
「その前に、飲み物は何がいいかな?」
「え?…ココアで···お願いできますか?」
「わかった。」
私はコップとココアパウダーに少量の砂糖を溶かし、レンジで温めて少女に渡す。次いでに私のも作らしてもらった。
「ありがとうございます。···えーとその。」
「ん?」
「その。お···お名前を聞いていないので、なんと答えれば良いのか…。」
···············そう言えば、名前聞いて無かったな。
「まずは、自己紹介だな。私の名前は新崎慎君は?」
「私は和泉翠華です。不束者ですが、よろしくお願いします。」
「はは。さっきも言ったがそんなに畏まられるとこちらも緊張してしまうよ。」
「え?あ。うぅー〜すいません。どうしても周りを気にしてしまって。」
「何が会ったのか聞いてもいいか?」
「····それは····················はい。」
長い沈黙の後に小さな声で了承の返事をする。きっと少女にとってはきっと重い事だろう。
覚悟を決めて聞いていこう。
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