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3話 考える事は似ているものだ。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


少女から直ぐに寝息が聞こえる。


どうやらぐっすり寝るれているらしい。少し安堵した後、また自分の仕事に戻る。


今回仕事として取り組んでいるゲームの名前は…。


スピリチュアル・トーテム・ワールド


異世界型の剣や魔法があるサバイバルゲームの名前だ。今回の私のやる仕事はデバック作業や微調整、イベントの企画やちっちゃな遊び心のあるオプションなど多種多様に渡る。


まぁ。言っちゃえばゲーム版の何でも屋みたいな物だ。その分やる事も多く家にいる時間が長い事もあるが、毎日そういう訳では無いので結構やって行けている。


そして今回のこのゲームの目玉はなんと言っても自由度に入る。


簡単に言えばなんでも出来るのだ。一般的な魔物の戦いからPKにPVPなどの戦闘系から鍛冶や農業、錬金術などの生産系もある。


それ以外を告げるとダンジョンや幽霊船に浮遊島などロマンの塊も追加しているので通常プレイも飽きない様に設計しているつもりだ。


そして男女の攻防だが、これに関してはダメにしているが、女子女子や男子男子は軽くなら暗黙の了解として無視している。ただ、どんな攻防をしても快感は感じないので無意味ではあるが、どうなるか……。


それ以外にも水に濡れると下着が見えたり、モンスターに襲われると段々服が無くなってきたりはあるが、一番目も二番目も全部が見えるわけでは無いし、服も時間が経てば直る仕様にしているのでちょっとしたお得シーンと思ってくれ。まぁ。ある程度条件は付けさせてもらうが。


そんな感じで色々と弄っていと時間は直ぐに終わる。あ。そう言えば佐島さんに後でテストプレイして貰わんと困ることが有るんだけど手伝ってくれるかねー


私は少女チラリと見たあと、席を外し廊下に行くと懐からケータイを取り出して佐島さんに電話をする。

ケータイから、“ プルルルプルルル ”と少し鳴るとケータイの中から声が聞こえる。


『どうしたんだい?新崎?』


「あぁ。佐島さんに手伝って欲しい事があるんだが平気そうか?」


『うーん。平気と言われればちょっと難しそうだが、まぁ。君の頼みは無視できないからね。内容によるかな。』


「頼む。実は·····」


実は今回のゲームはこの会社にとって命綱に近いことを分かって欲しい。


なぜこんな事を言っているのか?と言うと、簡単な話だ。ゲームが全然売れなかったのだ。

今回は大手切手の大々発表。こっちも大手ではあったがこっちは怪しく向こうは上々。


そして向こうからのゲームの共同開発をして見ないか?という話はこちらからすれば、喉から手が出るほどの欲しい餌。


ただ、直ぐに食いつくのはその会社のプライドを傷着きかねない事なので対等で話をする事になるが、どうしてもこちらが一歩引かなければならない立場になる。

と···言う感じで色々やばい状況だが、何も全然ダメと言う訳では無い。何故なら·····


『うんうん。聞いた感じはよく出来ているじゃないか。君が急にホームワーカーになるとは思わなかったが、私の思った以上の結果を出して暮れていることには感心するよ。』


「ありがとうございます。しかしこれでもデバックは多いかと。」


『確かに、多いだろうね。向こうと話した結果、今回のゲームのやる人数は少なく見積もっても一千万人。しかもこれは日本だけで海外も合わせればもっと多い。』


「はい。」


『その中で、君は少数しか居ない何でも屋をしているんだ。少しは誇るといい。臨機応変な対応をできる人は現代日本人は少ない。』


「ありがとうございます。」


『あぁ。···ん?なんだい?うんうん。分かった。行こう。ちょっと待っていてくれ無いか?···あー新崎?』


「何かのやり取りですか?」


『あぁ。どうやら、一人の社員がブラック過ぎる労働で倒れてしまったらしい。その補填に私が行く事になっちゃったよ。』


「なるほど·····相当使い潰されていますね。」


『·····後、少しの辛抱。なので、少しの間出れないかも知れないが、言われた事はやって見るとしようかな。後は何かあるかい?』


「では、最後に一つだけゲーム機を貸していただけませんか?二つ。」


『二つ…。うん。分かった。何か事情があるのだろう。其方にプレゼントしよう。』


「え?いや。しかし。」


『なに。上司からの君へのご褒美。』


「····ありがとうございます。佐島さんもお身体に気おつけて。」


『なに。これでも一週間丸々働けた男。何ともならないもんよ。』


「その後、七日間ずっと寝続け皆を心配させたんですよね?」


『ははは。これは痛い所を付かれてしまったけど。程々に頑張らせて貰うよ。』


「はい。それでよろしくお願いします。」


『あ。こちらからも一つ。どうやら第三者がハックをしようとしているらしい。そちらの方でプロテクトを作って守って欲しい。』


「どこの部分ですか?」


『えーと。確かここに…。あったあった、H-34-72だな。』


「分かりました。」


『では、よろしく頼む。』


その後は自分の携帯から“ ピーピー ”という音が鳴って自分も閉じる。


まさか。ウイルスの場所が寄りにもよってエッチの場所とはどんだけエッチが好きなんだ。

私は一人廊下で片手を眉間にやり(ほぐ)す。

どうやらまだまだ有りそうだ。


エッチな服でも追加すればバグは治るかな?

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