26話 騒ぎ屋の神官
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世の中にはフラグという嫌なことや、いい事も含めて予言に近いことを言うことが合ったりする。
実際「あ。あの人嫌だな〜」とか「なんかヤバいこと言いそう。」だとか色んなものが直感として出てきたりするが·····
何が言いたいのかと言うと·····
青年神官に絡まれた·····。。
事の発端までの数分前に戻りたいと思う。
青年神官に絡まれる数分前。ヒスイと私はヒスイの能力、強いてはスキルの強化をどれにするかで話し合っていた。
そしてその結果·····
「元素魔法を5まで上げて水魔法をLv4。氷魔法をLv2。精霊魔法をLv2。残りはもしもの為で良いか?」
「はい。」
という感じの落とし所を見つけて二人で納得し深層部屋から出た。
当然行きが同じなら帰りも同じ。またあの青年を見なければならないのかと思うと怠くなりそうだが……抜けるまでの辛抱だと言い聞かせつつ戻る。
戻ると、段々件騒音が大きくなる。それにつれて青年神官の声も·····
「何故。この!私が!加護法案の改定を望んでいると言うのに!上の人に合わせてくれないんだ!!」
「ですから、それは貴方が決める事ではなく大神官クラスの人が決めることです。」
「だから将来大神官クラスになると言っているだろう!!そこを通せ!!」
「すいませんが、お引き取りをお願いします。」
これ、簡単に言うと、将来偉くなるから今の内に法律の改定を渡してやるから嬉しく思うがいい。という上から目線の話になっている。
(上手く行く訳ない。綺麗なのは身のこなしだけだ。)
心の方はドロドロしているのが遠くから見ている私達すらもよく分かる。
身のこなし姿させも、お付のメイドかなんかがやってくれたものだろう。
私は無視して出口に出ようとした瞬間·····
「そこの君達!!加護を受けないか?」
まさか、青年神官に疲れた三十代ぐらいの神官に止められるとは思わなかった。
そしてサラリと青年神官から抜けてくる当り、抜けてくる口身が欲しかったのだろう。それがたまたま私達だったと。
嫌な予感が·····
「加護ですか?」
とはいえ、それを抜きにしても加護の能力と言うのは知っておきたい。もし、使えるものであるなら戦力の底上げが出来て戦術の幅も広がる。
「はい。どうやら私の見た感じ貴方の仲間は魔法使いと存じます。それなら叡智神 ミグラルーミル様の加護がよろしいかと思いました。」
「なるほど。」
「別室で詳しい話をしませんか?」
私は一瞬チラッと青年神官を見た後、頷いた。
「分かりました。お願いします。それでいいか?」
私はヒスイの方を向いて確認を取ると頷いてくれる。
「ありがとうございます。」
そう言って深層部屋とは別の道に進む。後ろから青年神官は来ては居ないようだが歯ぎしりする勢いで顔を歪めている。おっかないわ。
そんな事を思いつつ進み続けるとある1つの部屋に入る、そして苦労人の神官は深い息を吐く。
「すいません。ありがとうございました。」
そう言って深々と頭を下げてお礼を言ってくれる。
「たまたまそこに居ただけですので頭を上げてください。」
私がそう言っても上げようとしない。どうやら余程迷惑を被っているらしい。どこな世界も苦労人が1番の被害者だ。
「何があったのですか?」
流石に下げられたままでは居た堪れないのでヒスイが何が合ったのか事情聞くことにした。
「その前にどうぞ、少し狭いですがソファーにお掛けになって下さい。お茶で良いでしょうか?」
「あぁ、ありがとう。」
「ありがとうございます。」
何人もの人達を接客していた経験か直ぐにお茶が出てくる。そして苦労人の神官はソファーに座り、重い口を開ける。
「まずは改めてありがとうございます。私の名前はヘルム、階級は主教をしております。」
「すいません。まず、階級を教えて貰えませんか?」
「あっ、それはそれはすいません。見落として居ました。ここの神殿の階級は以下のようになっていまして上から·····
一番上が···神皇、聖皇女
二番目···大主教、神子尾
三番目···主教、祭子尾
四番目···司祭、助祭
五番目···スール、シスター
六番目···修道士、修道女
·····となっていて、また例外として聖蕾騎士団と聖華騎士団の二組居ます。」
やはり上になるのは相当時間が掛かる。そしてこの人物結構上のくらいの人だった。ご苦労さん。
「今回のお騒がせな人は何処のくらいなんですか?」
「あの人はスールです。」
「···············マジですか。」
「··········そうなんです。はぁ。」
主教ことヘルムさんは頭を抱えてため息を吐いていらっしゃる。
「あの人わかっているんでしょうか。まだ一つしか上がっていないのに自分は出来ている人だと思い込んでいるのが可笑しいんですよ。えぇ。何ですかね。あの態度対応している身にもなれって思ってるんですよ。えぇ。ほんとにあの野郎は!!」
「ごホッん!」
「はっ…!!すいません!」
「いえいえ。ご苦労されているようで·····」
「ハハハ。どうも。」
笑みが硬い。疲労が凄そうだ、上に立つと言うことはこういう事があるから私は成りたくないな。見てる分なら良いんだが。
ヒスイの方を見ると顔が引きずっている。正しい笑みのやり方が忘れてしまったかのような悲鳴じみた笑みを見るのは初めてだな。それだけインパクトが強かったのだろう。まぁ、あの青年を見ればそうなりそうだけどな。
私はまぁ、営業スマイルで正しい笑みをキープしてますとも。えぇ·····訂正、引きずってたわ。窓にこの人あかんわ。という目で見てたわ。その·····スマンな。ヘルムさん。
「えぇと。私の話はこれくらいにして、何かのご縁という訳で一つクエストを受けませんか?」
少々(結構)·····重い話を聞いてしまった雰囲気を察したのか話題を逸らしてクエストの話がルース達に舞い込んでくる。
「クエストですか?」
やっとここでヒスイが疑問を口にする。どうやら彼女の中で整理が出来たらしい。
「はい。ご存知かと思いますがここの所、魔物が活性化していまして周囲の村が被害が出ているんです。そのせいで回復が使える神官が出払っていて困っているんです。」
「魔物が人里まで来て襲うわけですか。」
「はい。それも初心者用として倒せていた魔物も凶暴化して初心者では少々分が悪い感じにまでなってしまって·····今回の依頼は魔物の情報収集をお願いしたいのです。」
「情報収集ですか·····」
「はい。魔物を倒すにしても何か新しい魔物がいる場合。国に報告をしないと行けませんし、周囲にいる村々に警戒の注意をしなければ成りません。あ。ですが危険な時は自分優先で構いませんよ。」
ヒスイがこちらを見て判断を仰ぐ。
(クエストか·····二人で行けるのはここまでだろうし行ってみるか。)
「ヒスイも良いか?」
「うん。頑張れそうです。」
「そういうことだ。よろしく頼みます。」
そういうと彼は初めて本心からの笑顔を見せてくれた。
「ありがとうございます。これでまた何処かに居る1人が救われるでしょう。神の御加護があらんことを。」
神官はどうも敬遠な使徒のようだ。私には分からない事なのだが、クエスト···何にも無ければいいが。
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