18話 信頼し合える仲間
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月日の流れは早く感じる。
前まではこんな事は考えてなど居なくて久しぶりな感じがする。
心を切り替えられるほど良い人間では無いが、今出来ることがあるならばせめて全力で取り組んで行きたい。と思っていたのだが·····
「まこと。アーン」
「アーン。」
「はい。もう一口、アーン」
「アーン。」
うん。良い夫婦なら良かった。いや。悪い訳では無いんだが、どうしようか。まだ未婚の女性にこんなことをさせるとは悪ことをしている様でビクビクしてしまいそうだ。
事の発端は料理。料理を作って待っているとログアウトしてきたすいかが、下から降りてきて一緒に手伝ってくれる。
嬉しいことは嬉しいのだが、何時もよりも張り切っているのを見て不思議に思いながらも特に話しかけなかったが料理が出来ると·····
「まこと。」
「ん?どうしたんだ?」
いただきますをして料理に手を付けようとした時、横からすいかに止められる。
「私が食べさせるから待っててね。」
「え?」
「待っててね?」
「··········はい。」
妙な笑顔の迫力。どうやらまだゲームのことで怒られていらっしゃるらしい。
という訳で前の話に戻る訳だが、嬉しそうに見えるのは私だけか?でも食べさせるだけだが…嬉しいなら静かにしておく事もまた人生か。
「すいか。」
「なんでしょうか?」
ぴょこんとしている姿は可愛らしいが···ってそうじゃない。
「すいかはゲーム世界に行った時直ぐに変な違和感みたいなことは感じたか?」
「え?えーと、特には。」
「そうか。」
「何か、会ったのですか?」
彼女が居住まいを正して真正面から見据える。私の話を聞き逃さないとした事が見え隠れするが別に急用でも難しい話しても無いんだが。関係はあるか。
「どうやら会社の方では魔法少女を匿うつもりらしい。」
「それは·····」
すいかもある懸念に気づいたらしい。もっとも単純で正確にバレる可能性がある事を。
「元々捕まっている人達はどうするのでしょうか。」
質問のようにも聞こえるが、違う。確認だ。バレてしまうでは無い。バレるのだ。政府にその上で利用される可能性がある。魔法少女収集装置として。
「どうやらその撹乱を私がする事になった。」
「それは·····難しいです。政府はそちら側に力を入れているので。」
「あぁ。だから一つすいかに質問をしたい。」
「質問ですか。」
何となく、これから聞くことを分かるのかもしれない。
「すいかの魔法の能力はなんなのか聞いていいか?」
素直に本心から聞く。邪心が無いかと言われればある。しかし聞きたかったことも本心。
「教えてくれなくても構わない。すいかには拒否する権利もある。強制をするつもりも無いからじっくり考えてくれ。」
少し急すぎたのかも知れない。ご飯の席で話す内容でも無かったな。と少し後悔しながら始めようと手を動かそうとして·····
「まこと。ダメですよ。私が食べさせるんです。食べさせて下さい。私にも協力させて下さい。」
切実な思いを言葉にしたかのような本心からの言葉に聞こえる。疑うつもりは無いが。
「考えても良いんだぞ?難しいことを言っているのは重々理解している。誰かに話したくないことも分かっている。怖いだろ?」
理由は情報漏洩。誰かに知られて連れ戻されるのは誰だって怖い。だから最低限しか喋らないのは自己防衛としては合っている。それを私は踏み込んだ。
「·····確かに。怖いです。昔の私なら言わなかったと思います。いえ。怖くて言えなかったと思います。」
「そうか。」
「でも。まことと出会って変わりました。大きなことは変わりませんでしたが、ここは居心地が良くて安心して今凄く楽しいです。」
安心してくれている。その言葉に私もホッと一息付いてしまいそうになるが気を引き締めて彼女の話を聞く。
「私はまことに恩返しがしたいんです。でも、何をすればいいのか分からなくて何時も悩んでばっかり。」
「すいか·····」
「まこと。私が私で居るために私の中にいる扉をまことに開けて欲しい。まこと色に染めて欲しい。」
何処で覚えて来たのかも分からない幼稚な誘い文句。でも。心から嬉しくしたいと思っている人に言われる言葉には心の底の野心が芽生えてしまいそうになるくらいの燃える炎を感じる。私は自分の事をできる人間とは思っていないし、それ所か人間としては下の方と見ている。でも。ここまで言われたら私に出来ることはやって見たい。本気で救って見せたくなる。
「私の方から誘っておいてこう言うのも何だが、何故信頼してくれるんだ?」
「んー?うん。私はまことのことを助けたかったからじゃダメかな?」
「·····そうか。すいかも同じなんだな。」
「うん。だから避けないでくれる?」
「大丈夫だ。すいかが嫌にならない限りは一緒にいるよ。」
「ありがとう。まこと。」
「こちらもな。さて。食べようか。せっかく作ってくれた料理が冷めてしまう。」
「あ。私が食べさせますね。」
「それ、まだ続くんだ。」
「当たり前です!これは罰です!勝手いなくなったことの!」
「すまん。」
「ふふ。ちゃんと言うこと聞いてくださいね?」
悪事をしようとしている顔も可愛い。と言うかすいか、良く表情を変えるので見ていて飽きないな。
信頼し合える仲間が増えたのだった。
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