17話 洞窟崩壊と裏の協力者
年明け2日目。少年少女はお年玉を貰っているでしょうか?
私はあげる方なのですが、元気な笑顔を見れるのなら安いものですね。笑
今回は少し長いです。
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二人の覚悟の話し合いは終わり気持ちを言い合った。
それで終わったのなら良かったのだが·····どうやら運命の神とやらは邪魔をしたいらしい。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッ!!!
全体が生物の悲鳴のように重く響き始める。
「ルース!?」
「ヤバいな。行くぞ!!」
「うん。わかった!!」
二人は来た道を全力で戻る。周りが揺れている近いうちに··········洞窟崩壊が始まったらしい。
スイッチは宝箱を開けた時による罠。運営は(俺もだが)嫌らしい罠ばっかり掛けてくるので困りものだ。。
とはいえ、今は死なないために全力で逃げる。幸い今見た限りでは、モンスターは居ないので大きな岩などは二人一組の協力で助け合ってギリギリ逃げる。
「ルース。先行ってください!!私は無理そうです。」
ヒスイの言葉が響く。もう限界まで走って悟ったらしい。ただ、それを許せるほど落ちぶれてはいない。
「スマンが。肩に担がせてもらう。」
「え?キャ!!」
シンプルな悲鳴を聞きつつも走り続ける。ヒスイにはお姫様抱っこをして運びたかったがそこまでの体力が残されていないのを感じているので少し頑張ってくれヒスイ。
「ルース。は···恥ずかしいですよ!!」
「大丈夫だ。もう少しの辛抱だから頑張ってくれ。」
前に塞がる岩や降ってくる石に避けつつ、迷路のように迷う道を駆け抜け、時たまリポップしたモンスターの大軍を無理やり抜けさせてもらって出口へ·····。
「チッ。ここままじゃ間に合わなそうだな。」
「え?」
私が出口へ駆け抜けるまでに目の前には出口を塞ごうと落ちてくる大きな岩。ヒスイは投げれば間に合う。それで良し。男に遺恨は無い!!
「ヒスイ!!少し痛むと思うが我慢してくれ!!」
「え?ル···ルース!?ルース!!!」
私は力一杯にヒスイを出口へ投げる。それを見届けて·····。
岩に挟まれ·······ブラックアウト···。
『プレイヤー名。ルースの死亡を確認。デスペナルティーが発動します。それにより15分の休憩と6時間のペナルティーが発動致します。』
『残り時間 14:58、57、56·····』
少しの間。ゲームが出来ないようだ。まぁ。女の子を救えて満足、満足。
「ログアウトしますか。」
真っ暗な空間からログアウトした。
白い光が一瞬眩く感じたあと目の前には灰色髪の幼さが残る可愛らしい顔。そして泣いている。
「ま···まこと···グズん·····グズん、まこと。」
私の胸の上で泣いている。私は静かに、すいかの頭の上に右手を置いて慰める。
「どうしたんだ?すいか。ゲームだから死ぬ訳では無いと言っただろ?」
「··········どうして。どうして助けたのですか?」
その言葉には彼女なりの思いがある。しかし答えは決まっているようなもんだ。
「何故と聞かれたらすいかを助けたかったからと言うのはダメなのかな?」
「··········優しすぎて嫌になりそうです。」
「それは困った。」
私は苦笑いしながら左手で頭を掻いて本気で困る。嫌になられたらメンタルが持てそうにないぞ。
「でも。嬉しかったです。ただ·····」
「うん。」
「あんな事はあんまりして欲しく無いです。たとてゲームだったとしても心が苦しくなりますから。」
「··········ありがとう。」
人生で誰かを思って泣いてくれたことは現実では無い。その中で、すいかみたいな子が私のために泣いてくれるのは初めてかもしれない。そして大事にしたいと思ってしまうのもおかしな事だろうか?
「すいか。一回ゲームに戻った方がいい。」
「もう少し居てはダメですか?」
「私として嬉しいがモンスターが徘徊する場所でアバターを置いておくと物を奪われたり、最悪食べられて、来た瞬間デスペナルティーになる可能性もある。どうかな?」
「·····グズん。わかりました。直ぐに戻りますね。」
「あぁ。ご飯を作って待ってるよ。」
「はい。」
すいかはまたゲームへ戻る。始める時に「行ってきます。」と言う言葉は心配になるぐらいに、か弱くてあやそうと思ってしまうぐらい可愛かった。
「さて、ご飯。作りますか。」
ゲームが無くともやる事はある。すいかが来るまで待てば良いしな。
そしてやろうと思いベットを抜けてたった瞬間、近くに置いてあったケータイから電話がなる。
「はい。もしもし。」
『佐島だけど。今平気かい?』
「はい。ゲームの試練に手痛いしっぺ返しを食らったところなので気分は良いですよ?」
『それは良かったじゃないか。運営としては嬉しい褒め言葉として受け取っておくよ。』
なるほど。皮肉を言ったつもりだったのだが、まぁ。それは人の取り方の問題か。
「それで今日は何でしょうか?」
『あぁ。だがまず、魔法少女と言う言葉は知っているかい?』
佐島さんの言葉から魔法少女と言う言葉が出たのを驚きつつも知っている範囲で話す。
「はい。今世間を騒がせていますよね。会ったことは有りませんが。」
すいかことは隠した方がいいだろう。無闇矢鱈に喋り彼女に危害が加われば気が気では無くなる。
『その認識で間違いない。そして私達の会社は魔法少女を裏から支援している。正確に言えばゲーム世界という娯楽を与えていると思ってくれて構わない。』
魔法少女を裏から支援しているか·····見つかったら政府に言われるし、ゲーム自体の発売も危ういことになりかねないと。
「理解はしましたが、どうして急に私を?」
私が思っている疑問を素直に話すと……。
苦笑いが電話越しから帰ってくる。
『何でも屋には協力してくれた方がこちらとしてもね?』
「なるほど。」
要するに…逃げられたくしたい訳ですか。
『まぁ。そんな感じだか……魔法少女はゲームの世界に入るとプレイヤー名の番号は入っていない。と。言うことは·····』
「そもそも入っているのかどうかは分からないと。」
『あぁ。もし見つかっても私達は関与はしていませんと答えられるし、中から魔法少女が見つかったとしても私達の管理不足で隙が出来てしまいました。で終わってしまう。』
「では何故魔法少女を匿うのですか?」
『新崎さん。私は全ての人にこのゲームを楽しんで貰いたいと思っています。』
「はい。」
『しかし、現状は難しい。でも逃げ道がある事を示せれば見方は変わってくる。』
「·····なるほど。逃げ道ですか。」
『まぁ。とにかく新崎さんにやってもらいたいことは一つ。。魔法少女の存在を現実世界では分からないようにしてくれないか?政府機関から。』
普通はこんな仕事は受けない。自分の身が危うくする可能性もあるし、家族がいれば連帯責任で捕まってしまう。でも、この仕事にはそれだけの価値があると思っていたりもする。
「分かりました。しかし、こちらは少しできる人に対して向こうは訓練を受けたプロです。戦力差としては厳しいですが良いですか?」
『なに。そんな事はこれから補充出来る。いや。言い方が悪いね。助けることが出来るだろ?』
「いいですが、間違えてガン見したり、痴漢したりしないで下さいね。間違えて通報してしまうかも知れませんよ?」
『これはこれは、なかなか厳しい。なら、この仕事新崎さんに任せていいかな?』
「はぁ。仕方ないですからね……任されました。佐島さんも気おつけて下さい。色んな意味になってしまいましたが。」
『そうだね。私もそう思うよ。』
「では。」
電話を切る。ここの会社は飛んだブラックだ。
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