12話 新崎慎と小さな少女の夢
少し閑話に近いストーリーです。
主人公の過去です。
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ベットに入り就寝·····しかし眠れない。
私は、少女の過去を聞いた。
私から何か確信がある言葉を言える答えは無い。見た事も聞いた事も、ましてや経験した事などあるわけが無い。一家のプログラマーに。
でも。少女の話を聞いて少しだけ懐かしい思い出を思い出してしまった。
それはまだ小さい。とは言ってもある程度物心がある小6。歳としては12〜3ぐらいか?
まだまだ夢半場の時一人の少女が元気な表情で話していたのを思い出した。
『私、将来はアイドルになる。』
『そうなのか?』
この時の私は少女の言葉に話半分ぐらいしか聞いていなかった。
『うん!まこと。』
『ん?』
『もし私が有名人になったら絶対に見に来てよね!』
『有名人になれたらな。』
『なんか逸らされている感じがするー』
プンプンと怒りながらも何だかんだ居てくれる。
将来を夢見る少女は私のことを何だかんだ突っかかって来ていた。今考えればあの時の彼女は特別な思いを抱いていたのかもしれない。
その頃の彼女は好奇心旺盛で運動神経抜群、勉強もそこそこ出来ていて顔も幼顔で周囲から人目置かれていた。
性格も元気で明るく愛嬌もあって女子からも男子からも受けは良かった。
ある日の体育祭では応援団になってクラスを応援し、文化祭ではクラスの出し物をしつつも自分の夢···アイドルの練習のためと体育館のステージで歌う。
その頃から彼女は生き生きしていた。時たまどんな場所でも私に視線を合わせてくるのが驚くくらいだがそれも能力としては凄い。
地域のボランティアにも出ていたし、なんなら駅前にいる犬や猫の募金もしていた。
ある時ふと疑問に思って何個か聞いたことがあった。
『なぁ。』
『どうした?将来のプロデューサーくん?』
『··········誰がプロデューサーだ。それよりなんで、アイドルなんかになろうとしたんだ?』
『別に本気で言ってるんだけどなー君に免じて今回は許したあげるよ。アイス奢りね?』
『それは免じたとは言わん。ハーーそれで話すのか?話さないのか?話さないなら先行くからな。』
この時の私は少女が一回一回逸らしてくることに疲れ始めていたためこう言った方が早い事を知っていてこう言うと·····
『ああ!待って待って!!話すよ!話す!話します!』
初めは早く歩いたが相手が話すようになったので歩くスピードをゆっくりにする。
『私ね。アイドルに一目惚れなの。』
『アイドルに?』
『うん。だから全部頑張ってきた。最低でも臨機応変に出来るように。』
その言葉には熱意と覚悟が感じられた。しかしだからと言ってアイドルになれる程甘くは無いのだが。
『私はアイドルになって一つ大きな会場で大きい声で言うの。』
『なんて?』
『勝手に人生諦めてんじゃねー!!って。』
私は予想外の言葉に笑ってしまう。
『あ。えっ?変なこと言った?』
『いや。変な事じゃない。確かに。それは重要だな。陰ながら応援してる。』
私がそう言うと真剣な目でこちらを見る。いつもならここでボケてきたりするのでその表情に少し動揺してしまった。
そして薄暗い道。二人は足が止まり·····
『だからまこと。私のプロデューサーになって。貴方がいれば私は多分何処までも頑張れる。』
その言葉には彼女なりの確信があるらしい。
でも··········
『すまん。俺はお前の力にはなれない。』
『教えてくれる?』
ある程度は予想として着いていたのだろう。動揺したり驚いたりしていなくただ冷静に静かに疑問を聞く。
『俺には高過ぎる。』
この時の私はアイドルになる彼女の姿勢が綺麗で高くて追い付けなかった。多分きっと私では不釣り合いだ。と思っていたし今でも思っている。が後悔はしていた。
だたその言葉すらも彼女に取っては予想していたらしい。
『そう言うと思った。なら。私が有名になって大きな会場で歌う時来て。絶対に。後悔はさせないし。プロデューサーになっても不満も言わないぐらいに有名になる。』
『その頃には別のプロデューサーが居るだろ。』
『補佐は着くかもしれないけど、プロデューサーは作らない。まこと。貴方が覚悟が着くまで待ってる。』
『··········もう一つ質問していいか?』
『いいよ。将来のプロデューサーくんは勤勉だねー』
『皮肉にしか聞こえないぞ。言い方が。』
『別にー?』
『ハーーいいか?なんで俺なんだ?客観的に見ても俺は普通。取り柄は何もない。俺の上位互換などごまんといる状況で何故俺を選ぶ?』
『んーー簡単だよ?』
簡単?選ぶことに対して?
『私はどこの誰よりも貴方が1番信頼出来る。もし失敗しても貴方となら納得出来るから。』
それは告白のような甘い空気がする。少女の顔が赤い。首まで赤い気がする。
『わかった。』
『えっ。それってプロデューサーに?』
『あぁ。ただし3年待て。』
『よ···3年?待つんだ?』
『あぁ。お前のために勉強してやるよ。アイドルのプロデューサーとして高校にな。』
この時の私はアイドルに赴く少女に少しでも力になりたいと思った。それだけなのだが·····
『あ··ありが··と。』
泣き始める。小さくだが確実に。私はあたふたしながらも頭を撫でる。
『頑張れ。冬霧沙雪華』
『なんで··フルネームなの?』
『何となくだ。』
この時。私は将来を決めて動き出した。
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