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【Chapter/20 ファースト・コンタクト】その2

「後、地球までどのぐらいなの?」


 サユリはヘーデに聞いた。ここ一週間、ダブリス級は宇宙の真ん中を航行しているのだ。そして、その間は敵は攻撃をしてこなかった。まぁ、ダブリス級とヴァルキリー級、それに五隻のレウス級にオリンスト。敵も戦力というものを考えて行動しているのだろう。前々回の都市での戦いでガヘリスは使い物にならなくなっていた。無論、ダブリス級は回収したが結晶石が粉々になっていたらしいので今はヴァルキリー級のハンガーの端っこに追いやられている。


「後……三日というところか。もうすぐだ」

「じゃあ、地球に着いたらなにをするの?」

「さぁ……。だが、待遇は良いだろうな」

「期待してるわ」


 そう言うとサユリは作業に戻った。


「それにしても、あの回収したアテナはどうするのですか? 一体は使えそうですし」


 リョウが珍しく勤務中に口を開いた。


「パイロットはいるが……敵国の兵士だから乗せるのは難しいな」

「そうですか……。ん?」


 リョウは少し息を吐いて言う。


「敵ですね……。敵は円柱状の大型艦一隻と例の新型艦二隻、ならびにグリムゾン級が十五隻です」

「敵? 嘘!」


 サユリは目を丸くさせた。


「そうだな。戦闘体勢に入れ!」


 ダブリス級の艦内にヘーデの号令が響き渡った。




「ナギサ、いくぞ」


 ショウはナギサがいる展望デッキに来てナギサに言った。ナギサの瞳は空虚。宇宙そらを見ていたらしい。何を考えていたのだろう? ショウは少し考えていたが、ナギサの手を握りそして言った。


「戦えるか?」

「はい……私、やっぱり偽善者なんですね」

「いや、ナギサの言っていることも分かる。だけど俺はそんなに万能じゃない。できるなら戦争なんてしたくない。でも、今は人殺しにならなきゃいけない。分かってくれ……」

「でも、できるだけ人は殺さないでください」

「それができるなら苦労はしないよ……。じゃあ、いくよ」

「はい……」

「こい! 白銀のオリンストォォォォォォォ!」


 そして、現れる灰色の巨人。目の前には五隻のグリムゾン級がある。オリンストはそれらに向かってホーミングレーザーを放つ。

 しかし、それは何者かによって阻止された。その阻止した者はアテナだ。白色のそのボディー。両手にはマニピュ―ターを持たず、刃の形をしたビーム砲になっている。極限まで簡略化されたそのデザイン。しかし、頭部はオリンストと同じようにも思える。だが、その瞳の色と輪郭が見えてきたときには、それを感じなくなっていた。その深紅の瞳の見つめる先にはオリンストが。


―――純白のマキナヴ―――


「こいつ……新しいのか!」

「……違和感を感じませんか?」

「へ? 感じないけど……」

「そ、そうですね。でも、何か感じてしまいます。ムズムズするっているか……何かが私の中に入ってくる感じがします」

「そうか……なら、早いことヤツを倒す! ラグナブレード!」


 オリンストは目の前で腕組みをしているマキナヴに向かってラグナブレードを振りかざす。しかし、その一撃はヒラリとかわされてしまう。隙の生まれたオリンストにマキナヴは蹴りを入れる。


「こいつ!」


 そして、オリンストの視界からマキナヴが消えたその刹那、マキナヴとは反対の方向から緑色に光るビームがオリンストに向かって放たれてきた。しかし、それはマキナヴの分離した右手だ。マキナヴは両手を分離しオールレンジ攻撃をすることができる。一対一では圧倒的に不利だ。


 しかし、勝機はある!


 マキナヴが両手を分離している間、マキナヴ本体は無防備に近い状態だ。即ち、マキナヴがオールウレンジ攻撃をしているときになんとか本体までたどりつくことができれば、勝機はある。問題はそのオールレンジ攻撃をどう掻い潜るかだ。今の状態だと三対一に近い状態だ。分離した両手。そして、本体。しかも、敵のパイロットは強い。


「ぐッ!」


 そうこう考えているうちにマキナヴの右腕からビームが放たれる。それはオリンストの堅牢な装甲を溶解させた。


「ショウ先輩!」

「この程度で……ナギサ、敵の分離した両手の動きに法則性は?」

「ありません。まるで遊んでいるようです……。攻撃できるタイミングで攻撃しないっていうことは……」

「ナメられているんだよ! いくぞ! あの本体まで行けば俺たちの勝ちだ!」

「は、はい!」


 オリンストは三時の方向の右下から放たれてきたビームを避ける。次に放たれた六時の方向の左上から放たれたビームはかすりはしたもののオリンストにはあたらない。そして、徐々に狭まる本体との距離……。


「ここから先は……オリンストの距離だ!」


 オリンストはマキナヴに向かい、ラグナブレードを振りかざす。それは光よりも速い。しかし、マキナヴは笑っていた。


「バカ……気持ちワルイ」


 声……? ナギサ?


 その瞬間、マキナヴの胸部が光り出す。オリンストはその粒子砲を避けようとした。無論、ラグナブレードの鋼色は空を切る。そして、放たれる粒子砲。オリンストは一旦距離を置き、それを回避した。


「頭が……痛い! 何、この感覚……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 突然、ナギサが悲鳴を上げた。その悲鳴はショウの耳に勢いよく刺さる。


「どうしたんだ!? ナギサ!」

「嫌……嫌……嫌……殺したはずなのに、なんでここにいるの!」

「あれは夢の中」


 ショウは耳を疑った。マキナヴから聞こえるその声はナギサに似てい……いや、ナギサそのものだ。その高めの声。確かにナギサだ。


宇宙ここで会うのは初めてかぁ……。私は渚。あなたと同じ存在!

……よねぇ、ナギサ・グレーデン?」

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