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【Chapter/19 消滅都市】その3

「…………」


 ショウは一人、ダブリス級のフロアーのベンチに座っていた。フロアーは薄暗い。ダブリス級がAフィールドを限界まで使うと数分停電するらしい。ショウの隣にある観葉植物は沈黙を貫いている。


 俺は人殺しだ。守るためには人殺しをしなければならない。


 その時、ナギサがフロアーに入ってきた。


「何故、人を平気に殺せるのですか?」


 問いかけにショウは淡々と答える。


「決まってるだろ、俺は大切なものを守る。それには代償も必要なんだ」

「代償が人の命ですか?」

「ああ、そうだ……」

「私、もう戦いたくないです。人を殺したくないです」

「ならナギサは人殺しになる。ダブリス級のクルーを殺したも同然だ」

「…………」


 しばらくの沈黙。

 その時、警告音が鳴った。敵が来たようだ。追撃だろうか?


「ナギサ! 戦うぞ!」

「嫌です……人殺しなんてしたくありません!」

「戦っても戦わなくても、俺たちは人殺しだ! こい! 白銀のオリンスト!」




「ふーん、キョウジがオリンストと戦うんだー」


 少女は苛立っていた。自分が乗るはずのアグラヴァイが未だに動ける状態になっていないからだ。ここはターミナス級のハンガー。目の前には整備班の人々が徹夜越しで作業にあたっている。


 あんなやつらが無理に戦うからよ!


「ま、計画は順調。あとは私がアグラヴァイの専属パイロットになればいいってワケね。そして、オリンストは落す。この私が」


 少女は呟いた。




「敵は?」

「一機のみです……ですが、このようなアテナは見たことがありません!」


 刹那、オリンストの左側に気配を感じる。振り向くとその百メートル先には漆黒のアテナが腕を組みオリンストが攻撃してくるのを待っていた。その黒金のボディー。マスティマだ。


「さぁ、こい」


 ショウに声が聞こえてきた。その声は低いことから男性であるのは分かった。


「あんたは誰だ?」

「私は……黒金のマスティマのパイロット。それ以上、それ以下でもない」

「俺は……白銀のオリンストのパイロット。それ以上、それ以下でもない。と言えばいいんだな?」

「それで上等。ならば……参る!」

「くるぞ!」


 マスティマは両手にある刀でオリンストに切りかかる。しかし、オリンストはそれを難なくかわす。


「回避行動はできるようだな」

「イエスだね。あんたが刀ならこっちは大剣! ラグナ・ブレード!」


 オリンストは右手に発生させたラグナブレードでマスティマの脳天に切りかかる。しかし、マスティマは少しも動かず沈黙を保っていた。そして、降りかかるラグナブレードを両手で白刃取りをする。


「回避だけが決闘デュエルではない! 受けるのも必要なのだ」

「ぐっ……ダブリス級は?」

「現在、ヴァルキリー級とともに敵艦隊と交戦中です!」

「ちッ! グラディウス・アロー!」


 オリンストはラグナブレードを消し、左手にグラディウスアローを発生させた。


「遠距離戦……しかし、間合いは近距離戦だ。まさか、怯えているのか? 期待はずれだな、オリンストのパイロット!」


 オリンストは右手に光の剣を発生させマスティマの右肩に切りかかる。しかし、それも回避される。


「……今だ」


 オリンストのグラディウスアローはマスティマの胸部に向き、そのまま近距離で放たれた。


「零距離射撃か……やるな」


 それをマスティマは右に受け流す。しかし、かすってはいた。


「くそっ! かすっただけかよ!」

「今日はオリンストの強さがどのようなものか知りに来ただけだ。ショウ・テンナ、また会うときは全力だ。覚悟しろ」

「へ? 俺の名前を何で!」


 マスティマは撤退していった。


「ナギサ、あのパイロットって……」

「分かりません。でも、次に戦うときは……」

「ああ、アイツは俺が倒す。そうでないと、みんなが死んでしまう」

【次回予告】

 地球に向けて航行を開始したダブリス級。

 そして、出会う。

 二人は。

 導かれる、その運命……。

 次回【Chapter/20 ファースト・コンタクト】

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