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【Chapter/51 リバース・オリンスト】その1

 突如、月面に現れた巨大な閃光の柱。月面にはまだ、リヴェンストが残っていた。しかし、その数およそ三百機……。


「ショウ……」

「おそらく、宇宙のハザマの覚醒によって目覚めたんだろう。いや……すべて宇宙のハザマとリンクしている、と言ったほうが良いかな?」

「こんな数……大丈夫なんですか?」

「ナギサも分かっているだろ……オリンストはもう普通のアテナじゃないってことぐらい。俺には分かるんだ、安心して」

「はい!」


 閃光に濡れながら現れた白銀の巨人。白銀の後ろ髪を靡かせ、純白の翼を広げた。舞い散る無数の羽。スタイルは人間と同じぐらいに細く、女性的なフォルムをしている。

 緑色の瞳が光る。前のオリンストと同じ部分は頭部のみだ。それはまるで、白銀のオリンストの仮面を被っているようであった。もはや、これは兵器ではない、人類の前に姿を現した天使……アルテミス。


「分かる……オリンスト……君の鼓動が」


 ショウは右手を前に出した。操縦桿などの操作機器は一切無い。あるのはショウとナギサの二人だけ。オリンストはショウの動きをトレースし大きく動き、脳波によって細かく動くのだ。その反応速度は計算不可能。

 そして、ナギサの意識はショウの中に入る。つまり、二人で一人の人間となるのだ。それは未知の感覚。しかし、違和感は無い。


「だから……今は! フェニックス展開ッ!」


 オリンストは辺りにいるリヴェンストに向かって、白銀の羽を拡散させた。その瞬間、羽が分離。次々とリヴェンストの機体を貫いてゆく。一瞬にして舞い上がる焔。そして、黒煙。

 それを翼で吹き飛ばして、オリンストの機体が焔と黒煙の中から現れた。なおも、輝きを失っていないその姿。


「こんな数、今のオリンストにはッ!」


 ショウの見上げた宇宙そらには無数のリヴェンストが視界を覆っていた。それをオリンストは両手を組んで、睨みつける。そして、降り注ぐ無限に近い数の蒼のホーミングレーザー。一億……二億……それ以上だろうか?


「数だけで……私とショウが……」

「やられると思うなァァァァァッ!」


 オリンストは白銀に輝くAフィールドを展開。降り注ぐホーミングレーザーの雨を弾き飛ばす。辺りに蒼い光が拡散する。その、蒼い光の中からオリンスト。


「こい! エクセリオン・ブレェェェェェェェェェェドッ!」


 オリンストの目の前に黄金に輝く球体が現れる。その中に両手を突っ込み、何かを引き抜く。それはオリンストの全長の三倍もある、巨大な大剣。ラグナブレードとはまた違う形。諸刃で白銀の刃に黄金の鍔。

 それをオリンストはリヴェンストの大群に振りかざす。そこから巨大な衝撃波が斜めに大群に切り込んでいった。リヴェンストたちは、その大剣に触れた途端、光に変わり消えてゆく。


「残りの数は?」

「二百五十七機です……」

「フェニックス開放!」


 オリンストは再び翼を広げる。舞い踊る白銀の羽の隙間から、蒼穹の眼光が通り抜ける。そして、時間は止まった……。

 気がつくと、周囲のリヴェンストの目の前にはオリンストの残像が現れ、消えていった。そして、リヴェンストの機体も両断される。オリンストの背景には、爆発してゆくリヴェンストの爆風のみがあった。

 フェニックス……それは新生のオリンストの最大の武器。翼の羽各部に装備されており、その力を解放することで瞬時に機体をマナ粒子化し、移動速度を限界まで高める。そして、攻撃時のみ解除し、また次の目標に向かう。その繰り返しが何十回も行われるのだ。ただし、攻撃を受けた本体が感じる時間は約0,00001秒。

 気づいたときには、自陣の体が両断されているのだ。フェニックス展開時、オリンストは光速すら越えるのだ。その姿が見れる者はいない。


「俺は空を翔ける……このでっかい宇宙を……。フェニックス展開ッ!」

オリンストは機体を包み込んでいた白銀の翼を展開し、羽ばたかせる。そして、ファニックスを展開する。展開されたフェニックスはオリンストの視界に入っている敵、すべてにそれぞれ狙いを定める。

「当たれ―――――――ェッ!」


 そして、脳波コントロールによるオールレンジ攻撃。オリンストの周囲を無数の白銀の閃光が交わりあって、リヴェンストの大群を殲滅する。

 暫時経つと、オリンストの視界からリヴェンストの大群は消えていた。


「行こう、ナギサ!」

「はい! 未来の為に!」

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