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【Chapter/0 プロローグ】



 宇宙はいつの世界でも同じだ。

 夢を与えてくれる。

 しかし、それと同時に絶望も与える。

 人類は二度、滅びかけた。それのせいで……。

 唯一、いつもと違うところは……宇宙に空気があることだ。




 宇宙の静けさは良い。


 その静けさも戦火の前では打ち消される。しかし、嫌いではなかった。射出されるミサイルの音、真空を貫く粒子砲の音。

 ベーデ・グラムスはその伸びた髭、歳を重ねたシワがある顔を無表情なまま、モニターをただ見詰めていた。次々と撃墜されている味方の船。しかし、ヘーデの軍には《秘策》があった。


「右舷後方よりミサイル多数!」


 二十代のオペレーターは怯えた声でかつ、張り裂けるような奇妙な声でヘーデに言った。このオペレーターは今回が初陣だ。まだ、戦場の空気に適応していない。首筋から流れる汗がそれを物語っている。


「Aフィールド開け……ササキ少尉、現在の位置は?」

「H―07です。ちょうど、目標の真下ですね」


 リョウ・ササキは冷静にヘーデの質問に答えた。リョウは経験こそ少ないものの、その冷静さと柔軟さはヘーデのわがままに答えられる程だ。


「わが艦はこれよりオリンストの射出を開始する。落下予想地点はH―07、ちょうど目標の真下だ! ササキ少尉、射出可能まで後どのぐら……」

「三十秒後には可能です」


 ヘーデが言い終わる前にリョウは答えた。


「では、ナギサに回線を繋げろ」

「どうぞ」


 ヘーデの前のモニターに少女の顔が映し出された。少女はちょうど今年で十五になる。長い黒髪は十五歳とは思えない大人の雰囲気をかもし出している。

 コックピットの中は狭く、制御用の機械などがぎっしりと詰め込まれていた。


「初陣だ……心の準備はできてるか?」

「はい……」


 少女の唇はかすかに震えている。

 その様子を見たヘーデはモニターから目をそらし言った。


「射出しろ!」


 ヘーデがそう言うと、艦の後方部分が分離して灰色の何かが重力に従い落ちていった。

 目標の軍事基地から千メートルを切っていたその時、灰色の何かは足を広げ、腕を広げ、目標の軍事基地へと落ちてく。 灰色の何かは太陽の光を背景に手足広げて一人の兵士の真上に落ちてくる。

 それを見た兵士はこう呟いた。


「巨人だ……」と。

読んでくださってありがとうございます。

今のところはバリバリのSFですが、徐々にファンタジー要素を出していく予定です。

更新もできるだけ早くしたいと思っています。

評価・感想、お待ちしておりますッ!


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