補給
女を見殺しにしたが、少女はその現場を見ていないので何とも思っていないかった。
「腹減ったか?」
男は少女に聞く。
「うん。お昼ご飯の時間だね」
こんな荒れ果てた世界でも規則正しく生活を送ろうとしている少女に、男は思わず笑ってしまった。
「ははっ。そういえばそんな時間だな。」
腕時計を見るとちょうど12時を迎えている。
車を近くのコンビニの前に止め、エンジンを止める。
男と少女が車から降り、コンビニの中に入る。
「まぁ、こんなもんだよな。」
前に見たコンビニと同じような状況だった。
冷蔵コーナーは稼働していないため、生ものが悪くなるのは時間の問題だ。
とりあえず少女と男の分で四つのおにぎりを取り、少女に悪く見られないようにレジに一応お金を置いていく
「お兄さんいい人!」
「これくらい当たり前だ。」
今までしてきたことに皮肉を言われたような気がするが、少女はおそらく純粋な気持ちで言っている。
それをくみ取り、やさしく返してあげた。
二人はコンビニを後にして、再び車に戻る。
「ほら、食ってろ。」
鮭おにぎりを少女に渡し、男は車を走らせ始める。
知り合いの銃ショップの店員まで・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
銃ショップについたころ、少女はすでに寝ていた。
__お昼寝の時間か__
そう男は思いながら、エンジンを切って少女を寝かせたまま周囲の状態を確認する。
数体の感染者と、感染者に食べられている人間が一人いた。
それよりも驚いたのが.....
「これは...」
男の目の前には高さ5メートルにも及ぶ巨大な
壁だった_____
「とりあえずこいつらを倒すか。」
刀を取り出し感染者に近づくと、食べることに集中している感染者の首を次々斬り落として行く。
そして走って近づいてきた感染者の腹を突き刺し、足止めしながら落ちていた弾が数少ないハンドガンで頭を撃ち抜く。
その音でさらに寄ってきた感染者の頭を次々撃ち、ついにすべて倒した。
車に戻り少女を起こす。
「ほら、起きろ。着いたぞ」
少女は体を起こし、まだ眠そうな目をこすり男を見る。
「ついたの?」
「ああ、着いた。降りるぞ。」
少女の手を繋ぎ、車から降ろす。
手をつないだまま、少女と男、二人は銃ショップに向かう
入るまでもなく、銃ショップの前にはショットガンを持った老人がそこに立っていた。
「久しぶりだな、爺」
「ああ、久しぶりじゃ。」
こうして三人は銃ショップに入っていった。
生き残るため、そして「楽しむため」の補給をするために..........
十話から目線を第三者視点から主人公視点に変更します。