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 バットを持って外に出た彼は、目の前にいる感染者の頭をめがけてバットを思いっきり振りかざした。

すると感染者の頭は吹き飛び、よろよろと動いていた体は倒れる


「楽勝だぜ、これくらい」


辺りにはまだ逃げ惑う人が目立ち、その気になれば救助もできそうだ


――気が向いたら助けてやるか――


それくらいの気持ちで、彼はまた感染者を求めて走り始めた。


しばらく走り、ふと路地裏を見るとひとりの少女が泣いていた

男は少女に近づき、声をかける


「おい、泣いてると気づかれるぞ」


少女は顔を上げると、言葉を詰まらせながら話し始める


「だって、だってお母さんとはぐれちゃったんだもん......怖い人に追いかけられるし......」

「そうか、とりあえずここは安全じゃねえから安全なところに行くぞ、ほら」


男が手を伸ばすと少女はそれにつかまり、二人はその場を後にした。


「ちょっと待っててな......目を閉じておいたほうがいいかもしれない」


男が少女にそういうと、少女は目を閉じてその場にしゃがみこんだ


男の目の前には再び感染者がよろよろと動いている

彼は感染者の足にバットを叩きつけると、伏せたタイミングで頭を何度も踏みつける

だんだんと頭の形が崩れていき、ついに原形をとどめなくなってきたころ、彼は踏みつけるのをやめた


「さぁ、急ぐぞ。日も暮れてきた」


男は再び少女の手を取り、家に向かって走り出した......


そのあとは感染者に会うこともなく、無事に家に着くことができた。


「お兄さん、ありがとう!!」


少女の目にはすでに涙はなく、笑顔でお礼を言っていた。


「死ぬよりはいいだろ、入りな。」


少女を家に招き入れ、二人が家に入ると男はドアに二重ロックをかける

彼はソファに座り込み、メモに再び感染者の特徴をまとめていた。


「あたしはどこに座ればいい?」

「適当なところに座っとけ、あとでジュース出すから」


男が少女にそういうと、少女はリビングの椅子に座りおとなしくなった


――ついでに探し人の紙も作っとくか......――


ソファから立ち上がり、少女にジュースを注ぐと、パソコンの前に座り込む

テキストファイルを開くと、男は探し人の紙を作り始めた


探し人:少女

見つけた場所:路地裏、親とはぐれた模様

心当たりのある人はこの住所まで↓


「はぁ......」

あまりの情報のなさと、自分の人間味のない紙にあきれながら、男は少女に親の特徴を聞くことにした


――その前に......――


明日こそは、もっと大量の感染者を倒そうと、血まみれになったバットを見ながら彼は思った......

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