情報収集
とりあえず家に着いた彼は、ドアに二重ロックをかけ、パソコンの前に座った。
ネットワークがつながっているうちに、できる限りの情報を集めるためだ
「とりあえず...あいつに連絡か...」
彼はNINEを開き、さっきまでオンラインでゲームをしていた仲間に連絡を送る
ゲームのチャットの更新はなく、オフラインになっているようだ
「もしかしたら、死んだのかもな...」
少し寂しい気持ちをあらわにしながら、連絡先を漁っていくと、電話がかかってきた
相手は....
「もしもし、お前とは縁を切ったはずだ」
「助けて!お願い!」
「無理だ、一人で何とかしろ、何ともならないなら死ね」
一年前に縁を切った元カノから電話がかかってきた。
縁を切った相手には容赦がないようで、言いたいことだけ言って通話を切る。
ついでに着信拒否をして二度と連絡がこないようにした。
携帯を閉じて、今度はパソコンからネットニュースを開き、ついでにテレビをつけてニュースも同時で確認する。
【速報】全国各地にて謎の感染症が急速に拡大中。
現在都市部を中心に謎の感染症が全国に拡大中。不要な外出は避け、感染者とは接触を控えるように
感染者の特徴は目が充血しており、暴力的になる兆候あり。
感染者と血液を介して感染する模様
・・・・・・
「ほんとにゾンビだな...とすると...」
メモに感染者の特徴をまとめながら、彼はまとめた「ゾンビ完全解剖書」を開いた。
【ゾンビ完全解剖書】
大規模な感染爆発が発生したとき、コンビニ、スーパーにすぐ駆け込むのはNG
感染爆発が収束(二、三日)してから物資供給を行うこと
ゾンビの特徴は生気のない肌色、赤く充血した目、暴力的な性格、血液感染だ
弱点は頭、頭をつぶす意識を持つ
・・・・・・・・・
「冗談半分で書いた書物なのにな」
およそ100ページにも及ぶ完全解剖書を読み終わり、メモを閉じた。
そしてテレビの電源を切り、パソコンでSNSのつぶやきを覗く
そこはまるで地獄のような投稿ばかりだった
__東京、ゾンビ大量発生、家から出るな!
___噛まれた、噛まれた!いたいたいたいた.....
サーバーはパンク寸前で、読み込むのが精いっぱいのようだ
そしてついに最後の読み込みで.....
_____読み込みに失敗しました。時間をおいて再試行してください____
SNSのすべてが停止した。
停止を悟った彼はパソコンをシャットダウンし、ライフラインが生きているか確認しに行く
まず水...
「まだ、出るみたいだな」
蛇口をひねると水道水が出てきた。
からのペットボトルに水道水をあるだけ注ぎ込み、水を止めた
次に彼はコンロの電源をつけるが...
「ガスはダメか...なぜ?」
なぜかガス系はすべて止まっていた。
電気は昔に買った簡易発電機でまかなえるため、必要最低限なら困ることはない
最後に、携帯を開きWi-Fiを見るが...
「やっぱりな、電波は死んだか」
どうやら電波もすでに飛んでいないようだ。
かろうじて同じ放送を繰り返すニュースだけが、唯一の生命線かもしれない
「....やるか」
男は自分の部屋から金属バットを取り出し、再び外に出た。
たまったストレスを、「発散」するために........
毎日更新です、また明日




