狂人
ひとしきり少女と遊んだ後は、俺も一日の終わりということで眠りについた。
「明日も、生きてるといいな。」
そうベッドでつぶやいて...
朝、少女が起こしに来た。
「おなかすいたよぉ、なんかないの?」
思えば昨日はカップ麺しか食べていない。
俺はいつもの朝のルーティンをこなした後、二人分の朝食を作ることにした。
フライパンに油を敷き、卵をフライパンの上で割ってそのまま焼く。
完成した卵焼きに塩と胡椒をかけ、さらに盛り付ける。
「なぁ、肉も食べたいか?」
さりげなく少女に聞くと、「うん!」と元気よく返ってきたので、冷蔵庫から消費期限が近いささみを取り出してゆでる。
もともと貰い物だったささみで、これからも食べる予定がなかったのでちょうどいいと思った。
調理が終わり、テーブルにはゆでたササミ四本と、卵焼きが二つ、そして水っぽいご飯が二つ並んでいた。
「米が下手だったな...」
反省していると少女が
「いただきます!」
と大きな声で言って米から食べ始めたので、思わず微笑んでしまった。
さらにはおいしいなんて言ってくれるもんだから、さらに微笑んでしまった。
「飯食ったら俺だけで出かけてくるよ。オフラインでできるゲームもあるからそれで遊んでな。」
おいしそうにご飯にがっついている少女に、俺はそういった。
そして手を合わせ、ご飯を食べ始めた...
「じゃあ出かけてくるよ。ドアがノックされても出るなよ。」
「うん!」
靴を履き、ある程度の武器を持った俺は、再び散策に出かけることにした。
一番の目的は少女の母親を見つけることだが、それ以外に何か手に入れられるものがあればいいと思う。
この辺の感染者は一掃してるから安全に探索できるのが強みだ。
「さすがにもう何もないか...」
そうつぶやきながらホームセンターに入ろうとしたとき....
「ひゃはー!」
突然ホームセンターから包丁を振り回しながらこちらに近づいてくる男が出てきた。
包丁を軽くかわし、足を転ばせる。
「どうした、家族でも殺されたか。」
俺はそいつに問いかけるが、返答はなく立ち上がりまた包丁を俺に向けて振り回してきた
__少し遊んでみるか。__
いまだに振り回している包丁を避けながら、刀で背中を切る。
「いってええぇ!」
悲鳴を上げながら男は逃げようとした。
逃がさないように足を銃で撃ちぬくと、男は転び泣き始める。
「殺すなぁ!俺は殺すつもりは!」
なんか言っているがとりあえず一発殴る。
鼻に決まったその一撃で男の鼻から血が出てきた
「どうした、家族でも殺されたか?」
同じ質問をするが、聞く耳を持たずに殺さないでくれと命乞いを続ける。
「命乞いして生きてられるほど、この世界は甘くないぞ。」
俺は刀でいまだに倒れたままの男の腕を切り落とす。
腕の切り口から血が流れ、男はさらに悲鳴をあげた
「許してくれー!もうしないから!」
いまだに命乞いを続けている彼に嫌気がさしてきたのでそろそろ殺すことにした。
「飽きた。じゃあな。」
銃で頭を撃ちぬき、俺はそいつを殺す。
観察する価値もないと思った俺は、ホームセンターの中に入った。
何か収穫があるかもしれないからな。
果たしてどちらが狂人なのか




