天音の夢
コンビニに行って帰ってきた。朝はそんなに食べられないから、無難におにぎりだな。
「面ちゃーん、ここ暑いよなー。電気はまだ来ないんだよなー。」
電気、ガス、水道は、今日の18時に通るらしい。
「確かに暑いよな。そういえば、みんなお風呂入ってきたの?」
「入ってきたけど、俺だけ服ないんだよ。」
そういえば、服渡していなかった。
「ごめんごめん、ルカリオからの服渡してなかった。お下がりでもらったから、これ使ってくれって言っていた。」
「おー!ありがたいな!俺着替えてくるよ!」
自室に着替えを持って入って行った。そうか。天音たちは冒険着があるもんな。
「この服ピッタリだよ、面ちゃん!」
「よかった。」
朝食を終え、自室で荷物の準備をする。
「このエプロン大きいんだよな。中学生なんかがちゃんと仕事できるかな。」
一気に緊張が押し寄せてくる。そういえば、ここの世界は子どもがいないな。学校っぽい建物はあったけど。
コンコン
「面ちゃん、行く時間だけど、もう出てくる?」
あまりの時間部屋にいたからか、天音が呼びに来た。
「あ、あぁ。もう行くよ。」
僕は意を決して部屋を出た。
「あれ?面ちゃん緊張している?」
笑われながら天音に言われる。
「昔からこういう時には緊張するもんね。」
「天音にはわかちゃったか。中学生なんかが仕事していいのかな。」
1階に行きながら会話をする。
「仕事しなくちゃ、ここでは生きていけないでしょ。ほら、しっかりしなさいっ、なんてね。ねぇ、覚えてる?昔保育園の頃に、『大きくなったら、天音をお嫁さんに迎えるんだ!』って言っていたの。」
そういえばそうだったな。
「私、待っているからね。またそう言ってくれることを。」
まだ覚えていたのか。純粋だな。
「おっ、面ちゃん、行くぞ!」
1階に着くと、勝と氷川が待っていた。
「お待たせ、2人とも。」