沈黙の面接
「面ちゃん、誰と話していたの?」
「ルカリオ。あの人、場所しか教えてくれないから、本当に困ったよ。じゃあ、行こう。」
ゾロゾロと下に降りて行った。
「こんにちはー!バイトの面接に来ましたー!」
勝が大きな声であいさつをすると、店長が出てきた。
「君たち、よく来た。そこに座って。」
面白い感じの店長さんだ。跳ね上がっているイメージがある。
「雇うにあたって、1つ確認したいことがあるんだけど、良い?」
「「「はい。」」」
やっぱり面接は一応やるよな。
「そこの子もいい?」
「……はい。」
人と話すのが苦手な氷川は、苦痛だろうなぁ。
「聞きたいのはただ1つ。どんな事情でもやる気ある?なければ帰っていいよ。」
いきなり恐ろしくなった。こんな厳しいことある?
「「「「……」」」」
僕たちは一気に無言になってしまった。
「あります!俺、一生懸命やります!」
勝がいきなり声を出した。結構びっくりした……。
「僕もやります。今まで学んだ知識を存分に生かします。」
「私もやります!」
「……やります。」
僕たちの気持ちはただ1つ、(お金のために)バイトをやりたい、ということだ。
「わかった。君たちを雇おう。じゃあ、また連絡するから、身分証貸して?」
代表して僕のを差し出す。
「小川……面太郎君ね。珍しい名前だね。……はいっ、じゃあ、携帯番号控えたから、また連絡するね。」
「わかりました。では、これで失礼しますね。ありがとうございました。」
バックヤードから、地上に出た。