天音の魔法練習
「まず、天音はヒール専門になる。杖を使うから、これを使え。」
天音に、僕も使った杖が渡る。
「そうだな。天音は2つ魔法を教える。まず1つ目、『ヒール!』今、この木に向かって魔法をかけた。これで木は元通りになるだろう。人間はHPが25%回復する。さあ、勝太にやってみるがいい。」
「わかった、『ヒール!』」
白っぽい光が、勝に降りかかった。同時に勝が少し元気になった。
「なにこれ、少し疲れがなくなったぞ!天音、戦いのときにはよろしくな!」
「でも、攻撃はできないんでしょう?」
天音も、攻撃がやりたいのかな。
「天音、戦いには回復役が必要なんだ。回復がいなかったら、すぐに全滅してしまう。大切な役割を天音が背負ったんだよ。」
「面ちゃんが言うなら納得かな。」
ならよかった。
「じゃあ、次。次は、『メガヒール!』だ。これは木に打っても仕方がないから、直接面太郎に打て。」
次は僕が受ける番か。
「天音、打つんだ。どうなるか知らないから僕は別に問題ない。」
「わかった。『メガヒール!』」
橙の光を浴びた僕だが、なにも変化がなかった。
「それは、MPを回復するための魔法だ。」
それを先に言ってよ。
「……そもそも、HP、MPってなに。」
氷川がしゃべるなんて、珍しいな。
「HPは体力回復、MPは魔力回復。」
「……ありがとう、小川君。」
「いえいえ。」
意外と氷川は、普通なんだな。あっ、良い意味で、だよ?
「次は、静!君の番だ!」