身を守りに行く……はずだった。
僕たちは、歩いて近くの服屋に来た。
「おばちゃん!冒険着の採寸を頼む!」
「あら、ルカリオじゃない。今日は仕事じゃないの?」
店舗に入ると、おばちゃんが一人で切り盛りしていた。
「仕事で来たんだ。こいつらの冒険着が必要でなぁ。頼む。」
「はいよ。まずは君からだね。」
そういって立ち上がり、メジャーを取り出してきた。そして、勝の採寸を始めた。
「うーん、今の子どもは、小さいんだねぇ。昔の子どもは大きかったから、サイズがないかもしれないね。」
勝のサイズでもないなら、僕のサイズはもっとないのかな。そういえば、ここで子どもは見ないな。
「そうか。何日で取り寄せられる?」
「このサイズは完全受注だから、2日かね。」
マジか。この世界での2日だから、24日くらいか。この世界の時間がよくわからないから、なんとも言えないけど。
「わかった、待とう。」
「次、君。うーん、君はもっとないから、完全特注になるなね。」
僕の番になり、測ってもらうと、特注宣言された。結構小さいからなぁ。
「次はあなたね。このくらいの女子は、たくさんでもないけどいるからね。多分あると思うよ。」
次に天音。女子たちは僕たちより少し大きく、大人の女性と同じくらいかもしれないのが現状。
「この子のサイズなら在庫あるよ。その子も同じくらいだから、あるよ。どれか選びな。」
氷川は天音と同じくらいなので、まさかの採寸とばし。
「3着くらい選べ!洗濯できないだろ。」
女子はニコニコしながら、服を選んでいく。
「これ、静ちゃんに似合うと思うよ。」
「……ペアルックしたい。」
「もちろん!じゃあ、これとかどう?」
「こういうの、好き。」
「じゃあ、決まりね!」
女子だけ冒険に行く未来が予想できる。
「じゃあルカリオ、先に4人分のお支払い、頼むよ。はい、24800円ね。」
ここの通貨、円なんだ。日本に依存しているのか。
「おっけ!ちょうどで頼む。」
「ありがとさん。届いたら、ギルドに連絡するよ。」
「よろしくな!」
「「「「ありがとうございました。」」」」
そう言って、服屋を後にした。
「おっと、魔法を出すのを忘れちまった!不動産屋に行ってからにするか!