そんな装備で大丈夫か?
俺、加藤晴也の手を引っ張りながら赤髪の少女フィリアは言った。
「まずは装備を整えなきゃね♪」
「装備?」
「うん。だってその動きにくそうな服に何も武器とかもってないじゃん。」
自分の服装と持ち物を見てみると学ランにその下には制服、幸いなのか靴はランニングシューズだった。だがかなり擦り切れていた。持ち物はポケットに入っていた財布とスマホ、そして家の鍵。
役に立つものが入ってない…。リュックは勇者連盟のところに置いてきてしまった。
「確かに変えた方がいいな…流石に。」
「一応聞くけどお金…ある?」
「この世界の通貨ってなに?円?なわけないか」
「エンって単位はわかんないけどここではコルがお金の単位もして使われてるよ。」
「なるほど。」
俺は最高の笑顔でこう答えた。
「無一文です☆」
「ですよね~。ワンチャン召喚された時に渡されてたかと思ったけど…。」
「だと良かったよ…。」
まじ無一文か…どうしよ。なんか持ち物売れたりしないかな?
「このあたりに質屋とかない?」
「あー、あるにはあるけど、かなり珍しかったり高かったりしないと買い取って貰えないよ?」
「そこでいいから案内してくれ。」
「了解、こっちだよ。」
少し歩いたところに看板があったが文字が読めない為分からない。どうやらここが質屋らしい。こりゃ少し勉強しなきゃだな。と思いつつ中に入った。
「いらっしゃいませ。ここでは高価な品、または珍しい品を買い取っています。」
といかにも金持ちって感じの男が話しかけて来た。俺は学ランを脱ぎつつ店主にこう言った。
「これを買い取って欲しい、ここら辺では入手出来ない素材で出来ている服だ。」
学ランはこの世界ではないだろう。学ランは好きな人と嫌いな人分かれるが自分は結構好きだったので手放すのが少々惜しいな。
「ふむふむ、確かに珍しい服ですね。見たこともない。さらに結構いい素材が使われてますね。なら着用済みだったことも考えて100000(10万)コルでいかがでしょう?」
値段を聞かれても全然わかんないや。フィリアに聞いてみよう。
「これって高いの?」
「かなり高いよ!宿屋に1日泊まるのが平均100コルくらいだから1000日泊まれるよ。」
「ならいいかな。」
金になって良かったな、金がないと色々不便だったろうし、金はたくさんあっても損はしないしな。
「ならそれでお願いする」
「ありがとうございます。ではこちらが100000コルです。」
そして俺は金でいっぱいの大きな袋を受け取った。
「重!?これ重すぎだろ、なんか持ち運びが楽になるものないか?」
「それなら銀行に行き、カードを発行すれば持ち運ばなくても自由に金を使うことができますよ。」
「分かった。色々ありがとう」
そうして俺たちは銀行に向かい、カードを発行して身軽になった。その後、ついに武器、防具を買うことにした。
「武器と防具はねー、色々店があるけどこっちの店がいいよ。」
とフィリアが路地裏の人が余り来なさそうなところに俺を誘導しようとしている。正直不安なんだが…まあ行くしかないか。
店に入ると色々な武器がごちゃごちゃして置いてあった。正直汚いからなんか嫌だ。
「ハルヤはどんな武器がいいの?」
「やっぱ剣に憧れるかなー、大剣じゃなくて太刀みたいな感じのないかな?」
するとフィリアが店主に向かって太刀はないのかと聞いた。
「それなら1本余ってるよ」
そう言って店の奥から白い1本の太刀を持ってきた。
「これは「白蛇」と呼ばれる剣だ。使いがってがよく、威力も十分なんだが切れ味が余りよくなくてな、買い手がいねえんだ。安くするから買ってくれねえか?」
「ふむ、試したいこともあるし買うよそれ。」
こうして「白蛇」を10000コルで購入した。元の値段が50000コルらしいのでこの値段は安いと思う。その後、軽くて丈夫という点魅力的だったので鎖帷子を購入、その上に身軽な服を来た。全体的な黒っぽくなった。さらに靴も動きやすいものにしたので、装備は整ったと言えるだろう。
「ほんとにその太刀で良かったの?」
とフィリアが聞いてきた。
「ああ、恐らくこの太刀は俺と相性がいい。」
「?」
フィリアが小首を傾げているのがかなり可愛い。
このままずっと見てたいが一旦宿屋に戻ろうと思う。今日は1日動いたから疲れたしな。
こうして俺は装備を整えることができた。
前回のあとがきで早くとか書いてた気がしますが更新遅いですねw
今回は装備を整えるだけって回でした。
次回は魔法の応用に触れると思います。