初恋と初パーティー
目が覚めるとそこは見知らぬ天井があった。周りを見渡すと俺はベットで寝ていたらしい。雰囲気から察するにここは宿屋の一室のようだ。
「いてぇ…。そう言えば殺されかけたんだったな…。」
覚えている限りでは全身打撲、擦り傷、かなりの出血だったはずだが何故か少しの痛みで済んでいた。何故だ?不思議に思いながらも後回しにすることにした。
「そう言えば助けてくれたあの娘は?お礼しなきゃ…。」
そう思っているとドアが開いた。
「あ、やっと目を覚ましたんだね。良かった良かった。」
そこには自分を助けてくれた少女が立っていた。
綺麗な色をした赤髪で身長は小柄、手には杖を持っていた。だが、なんと言っても見たことがないようなかなりの美少女だった。
「あ、助けてくれてありがとうございます。自分は加藤晴矢と言います。晴也と呼んでください。」
「私はフィリア、ただのフィリアだよ。よろしくハルヤ!」
「そこでいくつか質問してもいいですか?」
「いいよー、何でも聞いてー。あとタメ口でいいよ、年もそんな離れてないだろうし。」
「わかった。じゃあ、まず自分の怪我についてだけど、かなりの重症だったはず、どうやったらこんなに回復できたんだ?」
「それは私がヒールの魔法で直したからだよ。」
助けてもらった上に回復までしてもらって悪いな…、勇者連盟の件で人間不信になりかけてたからこんな優しい人に会えて良かった。それにしても「ヒール」って魔法はかなりの上級魔法なのか?
あの重症を治せるなんて。とりあえずお礼しなきゃ。
「色々迷惑かけてごめん、恩は絶対かえすよ。」
「気にしなくていいよ、そんな大層なことしてないから。」
「あと、自分を追ってた人達はどうなりました?」
「あー、あの人たちねー。私が打った魔法で森が大火事になっちゃってね。慌てて逃げたからわかんないや、あはは。」
大火事!?どんだけ威力高い魔法うったんだよ?
てかそれを喰らったあいつらが少し可哀想に思えてきた。いや、自分も殺されかけたんだった。
自業自得だな。
「その打った魔法「ボルガノン」だったかな?
それって上級魔法とかやばいやつ?」
「んーん、普通に中級魔法くらいかな?」
「え、それであの威力!?すごいな…。」
「あー、それは私の固有スキルのおかげだよ。固有魔法はないけどね。」
そういや、シルファが言ってたな、固有魔法とは違って固有スキルは一人一人が持ってるって。
「ちなみにどんな能力か教えて貰ってもいい?」
「んー、あまり人には教えらんないんだけどね?
まあ、特別に教えてあげるよ、私の固有スキルは「詠唱」ってやつで、詠唱時間が長ければ長いほど魔法の威力上昇ってやつ。ちなみに上限はないみたい。」
絶句した。つまり詠唱を唱え続ければ国を丸ごと焼き払うことだって出来ると言うことだ。俺の固有スキルよりは劣るかもしれないがありえないほど強いスキルだ。おそらく、ヒールもスキルで強化したのだろう。
俺がぽかんとしていると、フィリアが言った。
「はい、教えたから君の番ね。あの人たちに追われてた理由も気になるし、嘘はなしね♪」
なぬ!?考えてなかった、そりゃあ、追われてたら事情があると思うよなー。だけど問題はスキルについてだ、言っていいものなんだろうか、だけどこの人なら信用できると思う。俺はフィリアに話すことに決めた。
「俺は勇者連盟に勇者として呼ばた者…だったんだが、俺の固有スキル「固有魔法の自動発現」が危険だと判断されたから、追われてたんだ
…。」
「そのスキルやばいね…。世界を滅ぼすことも出来るかもね。でも、それだけで人を殺していい理由にはならないよ!」
とフィリアが俺の気持ちを考えて言ってくれた。
ほんとにこの人は優しいな、見ず知らずの俺に優しくしてくれて、あれ?何で心臓がバクバクしてるんだろ?あ、これが恋か…。恋なんてしたことないからこれが初恋か。なんかいいな。
「ありがとう。そう言ってくれて救われた気がするよ。」
「それで、わたしも、事情があって人に追われてるの、良かったら臨時パーティー組まない?また追ってが来たら私が倒してあげるから。」
俺は即答した。
「喜んで!!」
こうして、俺は異世界で命を助けて貰った少女に恋をし、初パーティーを組んだ。
またもや、前回の話からかなりの時間が空いてしまいました。色々忙しくて手が回りませんでした。今回はメインヒロイン登場ってだけですねw
話的には全然進みませんでした。
次の更新は未定ですができるだけ早く出したいと考えてます。
色々拙い所があるとは思いますがあたたかく見守って下さい。