俺の固有魔法
前回の続きです。
ゲートを潜ると眩い光に包まれた。
「くっっ…なんも見えねえ。」
しばらくすると周りがだんだん見えてきた。さっきまでいた本屋とは景色が全然違っていた。教会のようなところに出た。辺りを見回していると、綺麗な声が聞こえてきた。
「大丈夫ですか?体に異常などありませんか?」
目の前には言葉では表わせないほど綺麗な人がいた。
「ああ、大丈夫だ」
「それは良かったです。以前召喚した勇者様には四肢がもげてた人がいましたので。ほんとに体が無事で良かった…。」
「俺そんな危険な綱渡ってたの!?」
異世界召喚怖っ。四肢もげるとかリスクでかすぎだろ。今のところ勇者連盟が俺の中で一番悪の組織なんだが…。そこでふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「その四肢がもげた人はどうしたんだ?」
「……気にしてはいけません。消されますよ?」
「怖っ、勇者連盟怖!」
四肢もげた人が可哀想すぎる…。世界を救おうと来てくれたのに…。同情するぜ。消されたくないからこれ以上関わらんけど。やっぱ人は誰でも自分が可愛いんだなと改めて実感させられたよ。
「改めて自己紹介させていただきます。私は勇者連盟の案内人のフィーナです。召喚された勇者様にこの世界のことを説明するのが仕事です。よろしくお願いします♪」
肩書きに勇者連盟ってつくだけで胡散臭さが増してしまうな。俺も勇者連盟の勇者って肩書きつくのかな…嫌だな。とりあえず自己紹介することにした。
「俺は加藤晴也だ。目標は勇者連盟に消されないようにすることだ。よろしく。」
「それは助かります♪前に召喚された勇者の大半が勇者連盟に…」
「もう聞きたくない…」
もうやだこの組織、おうち帰る…。てか勇者を葬れるような力あるならそいつらやればいいじゃん。なんで勇者呼ぶんだよ…。
「では早速説明しますね。この世界には魔王がいて、この世界を支配しようとしています。そこで勇者様にその魔王を討伐して頂きたいのです。」
ド定番来たなこれ。勇者いれば魔王もいるってことか、いや魔王がいるから勇者がいるのか。どちらでもいいか。
「勇者として呼ばれたからにはやってやるよ」
「それは頼もしいですね!魔王には固有魔法と言うものがあり、なかなか倒すのが困難なのです。固有魔法を手に入れられる人は極僅かです。そこで勇者様の固有魔法で倒して頂きたいのです。異世界から来た方たちはだいたい強力な魔法が発言します。今から勇者様にその魔法を覚えて頂きます!」
「勇者っぽいの来たー!」
やはりこういうものは男ならテンション上がるものだ。だいたいチート地味た能力を得られる。俺は能力について考えていた。強力な雷を呼べる魔法とか、瞬間移動とかもいいなー。などと考えているとフィーナが声をかけてきた。
「それではこちらに付いてきてください。」
「おう!」
フィーナに付いていくと魔法陣が書かれた広い部屋に連れて来られた。そこには魔導師なのだろうかローブを着た人たちが10人ほどいた。そして魔法陣の中央には綺麗な宝玉が置かれていた。
「では宝玉を持って魔法陣の中央に立って頂いてよろしいですか?」
「…」
ちなみに今不安6割、恐怖3割、好奇心1割と言った感じだ。なぜだって?そりゃ勇者連盟の魔導師が10人もいるんだぞ?怖いに決まってんだろ!!
「大丈夫ですか?具合が悪いのならあとにしてもいいですよ?」
結局やらなきゃダメなのか…仕方ない。
「もう一思いにやってくれ…」
「了解しました♪」
すると一斉に魔導師たちが詠唱を始めた。中央に立ってこれを聞いてる俺はめちゃくちゃ怖い。そして時間にしたら1分くらいの詠唱が終わった。すると、持っている宝玉が光ったかと思ったら一瞬で壊れた。体には異変がない。ほんとに良かった。
「これで魔法が使えるようになったはずです♪能力についてはカードが宝玉から出てくるはずです。それを見れば分かります。能力名を読み上げて見てください!」
確かに割れた宝玉からカードが出てきた。俺はかなりワクワクしていた。どんな能力なのだろうか。そして俺は能力名を読み上げた。
「「促進」」
こうして俺の能力が決まった。
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