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それぞれの探し人

追っ手との戦闘が終わり、晴矢は街で旅のための最低限の買い物をすることにした。


「街に出るのも久しぶりだな。師匠に弟子入りしてからあの森から出たことないもんなー。こうして見ると結構きれいな街並みだな。」


晴矢はそんなことを呟きながら街を歩いていた。


「フィリアに助けられて看病してもらったのもこの街だよな……。早く……会いたいな。」


フィリアが旅立って何ヶ月も過ぎている。この旅の目的はフィリアを探すことだ。どうしてもまた会いたい。

好きな人のそばに居たいと思うのは普通のことだ。

買い物は案外早く終わった。鎖帷子を新調し、あとは

荷物が入るバック、そして食料と地図だ。金は残っていたもので足りた。いずれ無くなるだろうから冒険者ギルドでクエストを受けなければならないだろう。

旅の支度を終えた俺は街を出ることにした。ここから北にしばらく行ったところにハーリストという村があるらしい。

そこでフィリアの情報を集めて次にどこに向かうか決めよう。


「でも今から出発しても今日中には村につかないな。

今日は野宿かな……。」


晴也は当たり前だけど野宿したことがないので心配しかなかった。


「まあなんとかなるか。」


そして、街をでて、村を目指した。

道中は魔物も出なかったし安全だった。そして、懸念していた夜が来た。


「夜か…とりあえず火を起こそう。」


そして、取り出したのは師匠から渡された発火のポーションとかいう物騒極まりないものだった。

これで焚き火の知識がない俺でも火が起こせる。

火に当たりながら休んでいると呻き声のようなものが聞こえた。


「な、なんだ?魔物か?」


恐る恐る音が聞こえる方に近づいていくとそれは人だと分かった。しかし、体は傷だらけでボロボロだった。


「おい!大丈夫か?」


俺はその傷だらけの人を助けることにした。

固有魔法「促進」を発動して、治癒力を高めた。こうすることで傷が治るのだ。俺はこれを「擬似ヒール」と名付けた。結局治癒力に頼るのでヒールの劣化だ。魔力も多く使う。切り傷が多かったのでなんなく治すことができた。

よく見ると俺と同じくらいの年齢の青年だった。

髪は銀髪で顔立ちは整っていた。でもどちらかというと可愛い系だった。


「あ、ありがとう、助けてくれて。」


と、掠れた声で言ってきた。


「ああ、それより水を飲め。何日そのままだった?」

「3日くらいかな……。」

「なんでそんな傷を…。とにかく食料と水やるから

ゆっくり食べろ。」

「ありがとう……。」


そう言って食料と水を取り、落ち着いたとこで質問をしてみた。


「なんでボロボロだったんだ?誰にやられた?」


こんなになるまでやられたんだ。族にでも襲われたのだろうか…?


「し…。」

「し?」

「師匠にちょっと…。」

「え?師匠?」

「そう、師匠。」

「酷い師匠なんだな…。」

「いや、僕が悪いんだ!僕が師匠に……。」

「な、何をしたんだ。」


師匠に半殺しにされるほどのことをしたのか…。

一体なにを……。


「告白したんだ。」

「は?告白?」

「そう、告白。」

「一応聞くけど師匠は女だよね?」

「ふふっ。当たり前だろ?」

「え、なんでそれで半殺しにされるんだ?」

「僕の師匠はめちゃくちゃ強くて冷淡な人でね。きっと僕が気に入らなかったんだろう…。でも僕はずっと憧れてたんだ。だから想いを伝えたんだ。後悔はないよ。」

「そうか…それで…。」

「きっと僕は破門だろうし行くところもないからね、

ボロボロの状態で師匠の元を離れたんだ。」

「それは辛かったな…。今はゆっくり休むといいよ。」

「ありがとう。君は優しいね。」

「いや、俺がしてもらったことをしただけさ。」

「お礼がしたいんだけど僕は何も持ってないんだ。帰るとこもなにもない。」

「じゃあ俺の旅についてきてくれないか?探している人がいるんだが道中1人だと寂しくてね。」

「僕も行く宛もないし、もちろんいいよ!」

「決まりだな!これからよろしく!俺は加藤晴矢だ。」

「僕はヴェラ=ラッセルだよ。よろしく、晴矢。」


こうして旅の仲間ができた。


そして、場所が変わり、時が同じ頃師匠の家では…。


「晴矢、あいつちゃんと旅立てたかな?」


「まあ心配せんでもあやつは大丈夫じゃよ。そのために修行もしてやったであろう?」


「そうだな…。しかしあいついねえとポーション作りしかやること無くて暇だな…。ん?この魔力は?」


「ふむ、この森に入ってきたやつがおるの。」


「まさかあいつか?こんな時間にきやがって。」


「知り合いか?」


「ああ、昔一緒に冒険者やってたやつだ。」


「ほう、冒険者を…。となると「三剣士」の1人か?」


「ああ、「白の死神」だ。」


そして、師匠ことシャリア=エルベルグは旧友を迎えるために家を出た。


「よお、久しぶりだな。エルメダ。」


「シャリア!久しぶり〜!」

と言いながら抱きついてきた。


「ええい、離れろうっとおしい。こんな時間になんのようだよ。」


「そう!シャリアに相談があってきたんだよ。」


「はあ、そうかよ。とりあえず家入りな。」


「うん。ありがとう。」


「あー、アルドス、悪いが席外してもらっていいか?

こいつ人見知り激しくてよ。」


「うむ、了解じゃ。」


「んで、話ってなんだよ。」


「私、弟子取ったって言ったじゃない。」


「あー1年ほど前に言ってたな。その弟子がどうしたよ。」


「ほんと可愛くてね、私怖がられてて弟子入りしたいなんて言ってくれる子あの子くらいだったの。」


「ほう、良かったじゃねえか。」


「それでね、つい三日前のことなんだけどね、その子に告白されたの!私のこと好きだって!」


「おおー、良かったじゃねえか。お前もそいつ好きなんだろ?返事はどうしたんだよ。」


「それでね、私嬉しくて、でも慌てちゃって……。

気がついたら半殺しにしてたわ。」


「おいー!なにやってんだ!?まさかそのまま放置じゃねえだろうな?」


「それが、私が傷薬とかポーションとか持ってくる間にいなくなっちゃったの!」


「ねえシャリア!どうしたらいいと思う?」


「そこら辺で野垂れ死んでたらどうすんだよ!早く探しに行けよ!」


「私もうあの子に合わせる顔ないもの…。だからシャリア!探すの手伝って!」


「やだよ、お前の責任じゃねえか、私に接するみたくそいつにも出来てたらこうはなってねえだろうに。」


「シャリアが探してたポーションの材料上げるからー!

お願い!」


「…私が探してたやつって水龍の髭か?」


「そう、それ!ほんとお願い!」


「友人の頼みとあっちゃ仕方ねえな!やってやるよ。」


「ほんとシャリアはチョロいから好き。」


「うるせえよ!おい!アルドス!お前もこい!」


強制的にアルドスも連れていかれることになった。

飛んだとばっちりである。


こうして、晴矢とは別に、

シャリア=エルベルグ

アルドス=マークフィンガー

エルメダ=レグナ


の3人は旅だった。ヴェラ=ラッセルを探しに…。














めっちゃ久しぶりに投稿しました。

書くことは決まっているのでそれをどう文章にするのかが大変です。

今回は仲間が増えました。この子には活躍してもらう予定です。それと同時に師匠たちも旅立ちましたね。

それぞれの冒険を並行して書けたらいいなと思っています。

次回の投稿は未定です。気長にお待ちください。



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