魔法の修行②
「では今日から固有魔法の応用に移る。その固有魔法の意味を考えて何が出来るのか確認するのがよいぞ。」
と、俺に魔法を教えてくれているアルドスが言った。
「分かった、やってみる。」
俺の固有魔法は
「促進」「譲渡」「耐性」「集束」の4つだ。
「譲渡」と「耐性」は攻撃に繋げられそうにないから今回はやめておこう。もしかしたら使い道があるかもしれないがな。
まずは「促進」から考えていこう。
意味としては速度を加速させたり、状態を早めたりする感じかな?
今まで使った方法を上げると、
①速度の上昇
②剣の切れ味を促進
③植物の成長を促進
こんな感じだろうか。
今回は「状態」を促進させることに焦点を当てていこうと思う。
実はいくつか考えついていたのがある。
「アルドス、俺に向かって軽く魔法を打ってくれないか?」
「お、お主そんな趣味があったのか…。やめといた方がいいぞ…。」
なんか心配されたんだが!?
「いや、俺はただ傷を付けたいだけなんだ!」
「やはりそうではないか!?」
確かにこのフレーズは誤解を招くと自分で思う…。言葉って難しいね。
「いや、違うからな?埒が明かないから俺に魔法を打ってくれ。」
「お、おう。わかったわい。」
多少引き気味だったのが気になるが仕方がない。
アルドスが冠魔法「暴風」を放った。
師匠と違って、加減が出来るようなのでよかった。
アルドスの魔法をくらい、俺の皮膚に軽く切り傷ができた。
「よし、この状態に「促進」をかける。」
すると、俺の傷がたちまち悪化した。
軽い切り傷だったのが剣で切られた程になった。
「ぐっ…、痛え…。」
「実験とは言えやりすぎではないか?大丈夫か?」
アルドスが心配してくれた。ここが師匠と違うとこなんだよな〜。
「いや、大丈夫だ、ここからさらに「治癒力」を促進させる!」
俺の傷が急速に治った。あれだけ酷かったのに傷一つない。かなり有能な能力だ。
「なるほどのう、このために魔法を打ってくれと言ったのか。」
「分かってくれて嬉しいよ…。ははっ…。」
危ねえ!危うくドM認定されるとこだった。
今度からほんとに言葉選び慎重にしよう…。
「この短期間で2つもの使い方を考えたのは良いことだな。この調子でどんどん増やすとよいぞ。」
「ああ、次は「集束」を考えるつもりだ。」
「集束」の意味は、力などを一点に集中させるイメージかな。力だけじゃなくて魔力もできるかもしれないな。とりあえずやってみるか。
俺は握り拳をつくり、「集束」を発動させた。
力が溢れてくる。力が溜まるまでに時間はかかるが、かなり威力に期待できそうだ。
手頃な岩があったので、そこに右拳を打ち付けた。
すると、岩が爆散した。そして、右拳が使い物にならなくなった。骨が砕け、血が大量にでている。
「いてぇぇぇ!!こんなんなるなんて聞いてないぞ!」
「お主は馬鹿か!いくら力を集めようとも拳は拳じゃ!そういう時は拳を魔力で覆うんじゃ。」
「あ、その手があったか…。失敗した…。」
仕方ないのでまた治癒力を促進させ、右手を治した。回復する手段を手に入れたのはいいことだ。
だが、魔力消費と体への負担がでかいな…。
あまり頻繁には使えないな。
「あと「集束」の溜める時間を「促進」で短縮できるんじゃないか?」
「なるほど、やってみよう。」
俺は、「集束」で力を込め、「促進」で溜めの時間を短縮、さらにさっきの反省をいかし、魔力で拳を覆った。
俺は、さっきの岩の横にあった岩に向かって右拳を打ち出した。
すると、岩は爆散し、拳は無事だったが魔力が空になった。
「おお!凄い威力だ!攻撃に使えそうだ。」
「ふむ、よい魔法だ。あとは技名を付けるがよいぞ。」
「技名?どうしてだ?」
「魔法と言うものは名を、持つことで能力が上がるのじゃ。だから付けておいて損はないぞ?」
「え、技名ってカッコつけるためにあるのかと思ってた…。そう言えばフィリアも叫んでたなー。」
というわけで名前か…。いや好きだよ?こういうの考えるの。でも他人の前で技名叫ぶのは恥ずいな…。だから当たり障りのない名前にしよう…。
「剛拳」とかでいいんじゃないかな。
「「剛拳」にするよ。」
「ふむ、センスがいいか悪いかは判断出来ぬが、
これで魔法が完成されたな。」
「ああ、攻撃手段を得られたのはでかい。」
というわけで俺の初めての技名は「剛拳」に決まった。
毎度の事ながら前回からまた期間がかなり空きましたw
今回は固有魔法の応用と言うことで色々使い道を考えつきましたね。
技名を叫ばせたいという欲求からこの設定ができました。
技名「剛拳」にしたんですがセンスないですかね?w
まあ自分のセンスは壊滅的なので期待しないでください。
次回の更新はいつになるかわかりませんが気長に待っていてください。