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半ば強制的に師匠が出来ました

「おい、こっちだ。早く来い。」


女性とは思えない乱暴な口調で話すこの女の人は俺ら2人を窮地から救ってくれた恩人だ。弱っていたとはいえ、あのキメラを一刀両断したのだ。かなりの使い手であることは間違いないだろう。


「あの、怪我やばくてそんなに走れないんだが…」

「そんなこと知るか!我慢しろ。」


俺は前回のキメラとの死闘でかなりのダメージを受けている。骨は何本か逝っているし血も止まらない。特に肩に受けた傷が酷い。フィリアに支えてもらってやっと動ける状態なのだ。それなのにこの人は走れと言っているのだ。どんだけ鬼畜なんだこの人は…。だが、治療してくれると言ってくれているので悪い人では無さそうだ。多分…。


「晴矢大丈夫?倒れそうなら引きずってでも私が連れていくから…。」


と、フィリアが心配してくれている。

ここで倒れたら迷惑をかけてしまう、ここは耐えるしかない。


「大丈夫だよ。意識はあるから安心してくれ。」

「なら良かった…。無理はしないでね?」

「ああ。」


正直今にも倒れそうだが俺は何とかこらえて歩いている。喋る分には問題ないので良かった。それにしても進んでいる方向が街じゃなくて森の奥へ向いてる気がするんだが…。


「もしかして森の中に住んでるのか?」

「ん?そうだよ、街はごちゃごちゃしてて私に合わなくてな。森でひっそりと暮らしてんのさ。」

「ひっそりとって、この魔獣の森でか?危なくないのか?」

「こんな雑魚モンスターばっかならいないのとかわんないよ。」


うわ、この人やばいな。一般の人からすれば脅威である魔獣もこの人からすれば雑魚なのか…。


「お前ら名前なんて言うんだ?」

と、女性が訪ねてきた。


「俺は加藤晴矢といいます。」

「私はフィリアです。」

「加藤晴矢か、変わった名だな。まあいいか。それよりフィリア?の家名はなんなんだ?まさかないなんてことはあるまい。」


この世界の常識はよく分からないが名前の後に家名を付けるのは元の世界と同じなようだ。てことはフィリアにもあるのか、聞きたいな。


「言いたく…ありません…。」

「何か事情があるっぽいな、まあ面倒ごとには首突っ込まねえよ。」


と、その女性が言った。

確かに言いたくないなら無理に聞くのはよした方がいいな。嫌われたくないし…。


「それで、あんたはなんて名前なんだ?」

「なんでお前らに教えなきゃなんねえんだ?」

「まじか!?流れ的に名前教え合うとこだよね?

てか、なんで俺らだけ教えなきゃいけねえんだよ!」

「私が知ってればいいんだよ。」

と、ニヤリを笑いながら言われた。


この人暴君過ぎんだろ…。やばい人に絡まれたのかもしれない…。治療して貰ったらさっさと逃げた方がいいな。


「まあ冗談だよ。私は「シャリア=エルベルグってもんだ。よろしくな。」


またもや、笑いながら言ってきた。

正直よろしくしたくねー。絶対やばいやつやん。

すると、フィリアが思い出したように言った。


「シャリア=エルベルグ!?

あの怒り狂って街ひとつ壊滅させたあの

「生ける災害」!?」

「なんだ、私の悪名まで知られてんのか。なんか照れるなーあははは。」

「いやいや、街壊滅ってなんすか!?」

「ん?私の気に触れることをした奴らがいたから

ちょっと暴れただけなんだがなー。」

「分かりますよー、私もちょっとやりすぎただけで森が燃えちゃうんですよ。困ったもんですよねー。」


いや、わかっちゃダメなとこだろそこ!?てか、

「生ける災害」ってなんだよ!どんな不名誉な名だよ!ちょっと暴れただけで、街壊滅…やばいな…。逆らわないようにしとこ…。


「おい、着いたぞ。」


そこには立派なログハウスがあった。思ったよりもきれいでびっくりしている。


「私はきれい好きだからな、掃除は手を抜いたことはないぞ。もちろん魔獣駆除もな。」

「だからここに来るまでの道にモンスターたちが現れなかったのか…。」

「とりあえず中入れ。」

シャリアにそう言われたので俺たちは家に入らせて貰った。


「そこ、座って待ってろ。」

そう言われたので木でできた椅子に座った。

周りを見てみるとタンスやベッドなど、家庭で必要なものは揃っているようだ。


「ほら、これ飲め。」


そう言って手渡されたものはポーションのようだ。ただ、色が真っ黒で正直飲みたくないんだが…。


「これ、大丈夫なのか?色が明らかにおかしいだろ…。」

「いいか?いい薬ってのは色が悪いもんなんだ。

黙って飲んでろ。」

「お、おう。」


仕方なく俺はこの黒い液体を飲み干した。見た目通り味はめちゃくちゃ不味かった。だが、飲み干したらすぐに効果がでた。折れていた骨はすぐに治り、痛みがすべて引いたようだ。このボーションやばいな。


「すげえなこれ…。」

「私が作った中でもできのいいポーションだったからな。」

「いや、あんたが作ってたのかよ!?まあ、体も治ったし迷惑かけたな。ありがとう。俺たちはもう街に戻…」


そこまで言いかけた時、フィリアがこんなことを言い出した。


「あ、そうだ。シャリアさんに弟子入りしたら?

剣使えるようになりたいって言ってたじゃん。」


おーい!!言ってたけどもこんなやばい人に教えてもらうのはどうなんだ!?


「弟子入り?なんだ?お前、私に弟子入りしたいのか?」

「え、いや、剣は教えてもらいたいけども、別に急がなくてもいいかなーなんて。いや、シャリアさんも忙しいでしょ?」


「あなたが師匠だと身が持たなさそうだからやめときます。」なんて言えるはずもなく、苦し紛れの言い訳をしとく、


「いや、私はかなり暇だぞ?だが、私は弟子は取ったことないもんでな。どうなるか知らんぞ?」

「晴矢、こんな機会めったにないんだから教えて貰いなよ!」


と、フィリアの勧めもあり、断れない状況になった俺は…


「よろしくお願いします…。」


と言ってしまったのだ。

これが地獄の始まりだとも知らずに…。











最近かなり暑くなって来たので熱中症に気をつけなければなりませんね。熱中症には気をつけてください。自分は部屋でエアコンをガンガンに付けています。

それとは別に今回は師匠を獲得しました。

話の進展的にはほとんど進んでませんね。

忙しくて次話はいつになるか分かりません。


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