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#007「オヤスミ」

@スタッフルーム

真理「ハー。今日は、盛り沢山の一日だった」

――朝、庚午中央駅で星辰さくら台方面の電車に乗ったときは、こんなハプニングに遭遇するとは思わなかったわ。珍しく遅刻もせずに乗れたと思ったのに、順調とは行かないものね。でも……。

真理「常世(ここ)での生活も、悪くないわ」

♪ノックの音。

真理「ハイ。今、開けます」

真理、ドアを開ける。

真理「アラ、弥勒さん。お直しが終わったの?」

弥勒「そ、そうです。こ、こ、これを、す、すぐに着てみてください」

真理、弥勒からお仕着せを受け取る。

真理「締め付けられたり、突っ張ったりしないか確認したいのね? わかったわ。すぐに着替えるから」

弥勒「お願い、し、します。ドアのま、前で待ってますから」

弥勒、ドアを閉める。

真理「あんなにオドオドしなくて良いのに」

――この部屋には、ドレッシングルームと違って、全身用の姿見が無いのか。頼んだら、置いてもらえるのかしら? 大日さんなら、何とか融通してくれるだろうけど、そのことで不動さんの機嫌が悪くなりそうね。……ウン。提案するのは、やめておこうっと。

真理、ドアを開ける。

弥勒「き、着替えられましたか?」

真理「えぇ。だから、目隠しを解いて良いわよ」

――わざわざ両手で塞がなくても良いのに。律儀な性格なんだから。

弥勒「アァ、何だか、チカチカする」

真理「ギュッと押さえすぎですよ。どうでしょう? 着心地は抜群なんですけど、傍から見て、どこか変なところは無いでしょうか?」

弥勒「そ、そうですね。不自然なところは無い、です。あぁ、いや。そのっ。真理さんが、じょ、女性らしくないという意味じゃ、まったく無くて」

真理「落ち着いてくださいよ、弥勒さん。言いたいことは、充分伝わりましたから。明日から、お客様の前では、これを着て仕事に励めば良いんですね?」

弥勒「そうです。それじゃあ、僕は、これで。オヤスミナサイ!」

弥勒、自室に向かって逃げ去る。

真理「おやすみなさい」

真理、ドアを閉める。

――悪気の無い長談義を除けば、非の打ち所の無い大日さん。瞬間湯沸かし器だけど、仲間思いの不動さん。気取ることなく接しやすいけど、ちょっとヤンチャが過ぎる修羅さん。緊張しやすいけど、大人しくて素直そうな弥勒さん。四人それぞれ、お互いに長所で短所をカバーし合って、絶妙なバランスを保ってるところへ、迷い込んでしまった、わたし。明日は、どんな一日になるのかしら? 楽しみだわ。

真理「でも、食べ過ぎには注意しなくちゃ。もう一度ウエストを直してもらう訳にはいかないものね。さぁて。あとは着替えて、お風呂に入って寝るだけ……アレ?」


※真理が利用した駅は『組曲「生徒会」』、路線は『文庫本先生とペーパーバック君』にも登場しています。


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