念じれば何とでもなる世界。
今回も割と急展開です。ってかさー、早く人間の国行って俺TUEEEしたいよね。
追記:ここにもアホなミスしてました!申し訳ない!
俺は重い瞼を開ける。
「くそぉ....これやると頭痛くなるんだよなぁ..」
俺は昨日の夜の召喚を思い出し、呟いた。
今回はベッドで寝ている。
広げられた両腕。
右腕側を見る。イエリが幸せそうに眠る。そして、やがてゆっくりと開いた目に俺が目を合わせると恥ずかしそうにはにかむ。
それだけで一年は生きていける。
次に、自分の胴体の方を見ようとすると、顔ギリギリにサラの顔が。
美人だよなぁ。こいつは俺の事父親だとでも思ってんのかな?
そして最後に左腕を見る。
起きているのか寝ているのか....否、生きているのか死んでいるのかもよくわからない骸骨がそこに.......
「いぃーーやーーー!!」
朝起きてすぐに見ると心の準備が出来ていないんだよ。勘弁してくれ。
いろんな事があったけど、俺はまだこの世界に来て三日目の朝。アンデッドには見慣れてないんだ。
って言うかさ、今更だけどアンデッドって朝も平気なんだね。
まぁ、太陽が弱点なら今頃俺は....何かブルった。トイレしよう。
「さて、ではみんな。ご飯を食べようか」
そう。今まで俺は食べなかっただけで飯は食わなければいつか死ぬ。
え?骸骨なのに胃袋あるの?って思うじゃん?
なんと!スケルトンが食べたものは全てのスケルトンの総合胃袋みたいなとこに飛ばされて、食べなくても平気な理由はその分みんなが代わりに多く食べるかららしい。
それが唯一スケルトンの強み。
数ではゴブリンなどに負け、武力ではオーガや巨人族、竜族などに負け、知力ではトレントや、ピクシーなどに負け。
全てにおいて劣っているが、代わりに沢山いるみんなが不眠不休で戦い、戦争で戦う仲間の分は村人や、避難してるスケルトンたちが代わりに食べる。アンデッドなので休みも睡眠もいらない。
全員が《死者の不死性》を持っているのでなかなか死ぬ事はない、
まさに攻めの亡者
まぁ。なんだかんだで全てが全て負けてるから正面戦争したら負けるんだけどね。
「う〜。サラまだ眠い〜」
「ダメだ。食べないとサラの分食べちゃうからな」
「めー!サラが食べる!」
俺はポンポンとサラの頭を撫でる。
それにしても、こんな大人な女性って見た目とギャップありすぎだろ。
イエリ曰く割とすぐ口調は大人に切り替わるらしいが。
……このままでいてほしい気もせんでもない。
「それより、な〜んか忘れてるような」
俺は呟きながら何かよく分からない卵の目玉焼きを何の肉かわからないハムの上に乗せたものと、もう、その辺の雑草なんじゃないか?って言う草のサラダと、何故かこれだけ極々普通のフライドポテトの全てに少しずつ手を付ける。
「王様との謁見はまだ先ですよ」
「あ、私を人間に戻す事じゃないか?」
「いや、いきなり人間に戻ったら王女の立場がなくなって動き辛くなる可能性もある」
「マスター.....」
「おいやめろ。孫の成長に感激するおばあちゃんみたいな顔やめろ。フォーク刺すぞ」
フライドポテトにフォークを勢いよくさす。
「……あ、思い出した。召喚した奴だ」
「あぁ。あれなら、マスターの命令で宿の裏に放置されています」
「そうか。ちょっとこの飯あげてくるわ」
「ますた。いらないならサラにちょーだい!」
「サラ、食い過ぎると太るぞ」
「太んないもん。サラ、スライムだから」
「知らないのか?スライムって太るんだぞ?」
「え!?」
サラのフォークを持つ手が止まる。
「サラ、もう食べない」
「ははっ。嘘だよ」
「えー。ますた。嘘ついたー。嘘ダメなんだよー」
「すまんすまん」
サラを適当にあしらって召喚した奴の元へ向かう。
実は、予想はついてるけどまだ何かは聞いていない。
俺は宿の裏へ回る。と、すぐにそいつは見えた。
「う〜お腹すいたよ〜」
「よっ。やっぱりお前か」
そいつは俺をキッと睨む。
「邪神」
「何だよ!召喚してすぐそこを動くなとか言っちゃってさ!おかげで一晩中何も食べずに君が起きるの待ってたんだからね!」
「おやおや偉そうだなぁ。せっかくご飯持ってきたのになぁ〜」
俺は持ってきた謎のご飯をちらつかせる。
「大好き」
「ちょろいな!?」
「そっか。やっぱ召喚されたら召喚者の命令は絶対で、召喚者の命を狙えないわけか」
「ほうはよ」
「日本語でおk。飲み込んでから喋れ」
「うん」
それにしてもこいつ、本当に女みたいだな。亀と戦ってる時ちらほら幻影が見えてたけど、ゆっくり見るのはこれが初めてか。ちょっと美の女神とは違う感じだけど、可憐。っていう意味なら相当可愛い。
だが男だ!
「なぁ」
「うん?」
「お前男だよな」
「ん!?男だよ!?」
「そっか」
惜しいな。
実に惜しい。
……念じてみるか.........?
女になれ女になれ女になれ女になれ女になれ女になれ女になれ女になれ
美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女
《個体名『邪神ダグラク』の性転換を承認しますか? yes/no》
あぁ、うん。もうそんなに驚かないよ。
もちろんイエスで。
一瞬、ダグラクが照る。
「わっわっ何?何これ?ふむふむ。性転換!?ちょ!何これやめ、やめて!」
「あぁ、大丈夫だ。お前が女になっても俺の扱いは今まで通り変わらないから」
「いや、それならせめて扱いよくして!?」
そして光は消える。
「うん。見た目はそんな変わらんな」
「え?あぁ。でも、ちょっとムズムズする」
「服変えるか?男の子用じゃ不便だろう」
「いや、大丈夫」
「そう」
くっくっく。これで次から召喚した生物は全て女になる。
今回はベースが良かったが、多分美少女と念じればブサ男も美少女になるだろう。まぁ、ブサ男なんて召喚した瞬間殺すがな。そんなやつにイエリを見られてたまるか!ってんだ。
「なぁ」
「うん?」
「お前実は女になりたかったんだろ」
「ブフゥッ!」
食べてた雑草...もとい、サラダを吹く。
「な、何言ってるのさ!そんな訳ないでしょ!」
「いや、だってさっき俺の方には、性転換を承認しますか?って出たぞ?」
「……それがどうしたのさ」
「承認って事はお前が望んでるから俺が受理したってことだろ?」
「……」
ダグラクは俯く。真っ黒のショートヘアーが下に垂れる。
「大丈夫。俺はお前の事を可笑しいなんて思わない」
「本当?」
「あぁ。だってお前可愛いしな!可愛い子が男の子に固執する方が勿体無いと思う」
「そっか」
そっかそっか。と何度も呟き、頷く。
「だが、俺はお前が望むのならば、男に戻してやってもいい。……どうする?」
「あの。どっちの方が良いかな?」
「いや、これはお前が決めろ。最終的には俺に権限があるが、お前にも望む『権利』はある。そして、俺はお前が望んだ方を全力で手伝ってやる」
「なら、このままで......いい...かな.....なんて。えへへ」
あざとい!
「そうか。お前が女のままが良いのなら、俺もお前の為に女のままで良いようアシストする」
「その。そんなのより、僕の...その.....責任取ってくれないかな.」
……ん?あれ?
俺は友情を育みに来たんだが。あれ?
いや、可愛いとかは思ってもあくまで友情のつもりだったんだが。え?
あら?これは、不味いんじゃないか?
「マスター。そいつを今すぐ殺しましょう」
と、そこにイエリが後ろからやってくる。
「あれ?その声はアウラかい!?」
「すみません。よくわかりません」
「随分可愛らしくなったじゃないか。前の君はもっとお腹周りにはしぼ───」
「《ファイアーボール》」
ダグラクが何かを言おうとするが巨大な炎の球体に吹き飛ばされる。
「グッフォ」
「そう言う貴方こそ、随分の女らしくなったものね」
「……ふっ。僕はこの後、女の子の階段を上るんだよ」
「ま、まさか...マスター!そんな訳無いですよね?」
俺にふるな。
まったく。どうせこうなる事も予想通りだろうに。
「マスター?」
涙目で必死に俺の顔を覗き込むイエリ。
あ、良い匂い。
ってか気づいてなかったのか
「それで?女の子の階段とやらは何をすれば上れるのだ?俺も手伝うと言ってしまったからには全力で手伝おう」
「「は?」」
え?いや、なんで2人とも驚くのさ。俺は女の子じゃ無いんだからその階段とかいうものは何のことかわからんぞ?
「え?でも、責任取ってくれるんじゃ....?」
「む?責任は取るぞ?」
「ほんと?良かった!」
「お前の女の子用の下着から証明書まで、生きていく上で必要なこと、女の子になって必要とするもの。全てにおいて俺の全力を尽くそう」
「ばかーー!」
走って何処かへ向かうダグラク。
「何だったんだ?」
「マスターは知らなくて良いことです」
宿の部屋に戻ると、ダグラクがスケさんに慰められていた。
ハーレム要員を発見!直後にフラグ建設→回収 マジパネェッスわ。
ツイッターとかやってないから宣伝出来ないんだけど、ツイッター始めるべきかなー?
※
今回のサブタイトル「呼び出されたラスボスの奥の邪神ってか?」にしようかと思ったのですが、流石に自重しました。